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Trademark Appeal Case

称呼の類似性と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2014−900024(T2014−900024/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5636942号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第5636942号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成25年10月2日に登録出願、第9類「太陽光発電装置,太陽電池,太陽光発電パネル,発電用太陽電池モジュール,金属屋根材と一体化した太陽電池モジュール,太陽光発電装置用据付架台,インバーター(電気式のもの),電流変換機,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,太陽電池からの電力を送電するための電線及びケーブル,電線及びケーブル,電気用接続箱,太陽光自動追跡センサー,太陽光追尾型促進耐侯性試験装置,測定機械器具,電気磁気測定器」を指定商品として、同年11月25日に登録査定、同年12月13日に設定登録されたものである。

第2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が登録異議の申立ての理由として引用する登録商標は、以下の4件であり、いずれも現に有効に存続しているものである。

1 登録第5556848号商標(以下「引用商標1」という。)は、「ソーラー発電所キット」の文字を横書きしてなり、平成24年5月23日に登録出願、第9類「発光式又は機械式の道路標識,理化学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,太陽電池,電線及びケーブル」を指定商品として、同25年2月15日に設定登録されたものである。

2 登録第5556850号商標(以下「引用商標2」という。)は、「発電所キット」の文字を横書きしてなり、平成24年5月23日に登録出願、第9類「発光式又は機械式の道路標識,理化学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,太陽電池,電線及びケーブル」を指定商品として、同25年2月15日に設定登録されたものである。

3 登録第5577113号商標(以下「引用商標3」という。)は、「MY発電所キット」の文字を横書きしてなり、平成24年11月20日に登録出願、第9類「発光式又は機械式の道路標識,理化学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,太陽電池,電線及びケーブル」を指定商品として、同25年4月26日に設定登録されたものである。

4 登録第5659005号商標(以下「引用商標4」という。)は、「発電所キット」の文字を横書きしてなり、平成25年10月18日に登録出願、第6類「太陽電池付金属製屋根材,太陽光発電装置を取り付けるための専用金属製金具,太陽電池を組み込んだ建築用又は構築用の金属製専用材料,太陽電池を組み込んだ金属製建築物組立セット」を指定商品として、同26年3月28日に設定登録されたものである。

以下、上記引用商標1ないし引用商標4をまとめて「引用商標」という場合がある。

第3 登録異議の申立ての理由

申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第5号証を提出した(本件商標及び引用商標を示す趣旨であると判断する。)。

1 商標法第4条第1項第11号について

(1)本件商標の構成中の「DIY太陽光発電キット」の「発電」と「キット」の文字については、引用商標1である「ソーラー発電所キット」、引用商標2である「発電所キット」及び引用商標3である「MY発電所キット」の構成中にある「発電」及び「キット」の各語を用い、その左に「DIY太陽光」の文字を付加し、さらに、その文字の左に図形部分を付加してなるものである。

(2)本件商標において先使用の一部として権利を主張している「DIY太陽光」の文字(語)については、申立人が2011年12月から太陽光発電に関する展示会、PV Japan、PV Expo、EcoLife等でポスターやパンフレットに記述して配布した「DIYソーラー」の語(甲第2号証)と同意語であり、先使用として認めることはできない。

(3)本件商標と引用商標とは、「ハツデンキット」又は「ハツデンショキット」の称呼、観念を共通にする類似の商標であり、また、その指定商品も同一又は類似のものである。

したがって、本件商標の出願は、商標法第4条第1項第11号(先願に係る他人の登録商標)に違反してなされたものであるから、取り消されるべきである。

2 商標法第4条第1項第15号について

(1)申立人は、2011年12月の5日ないし7日に東京ビッグサイトにて開催された太陽光発電に関する展示会「PVジャパン」において、世界で初めてキット化した太陽光発電システムを展示し、「MY発電所キット」や「DIYソーラー発電所キット」を明記して、販売開始したものである。

また、申立人の商品「MY発電所キット」及び「ソーラー発電所キット」については、今日まで、明らかに認識し得る商標と容易に称呼し得る文字からなる商標を広く使用しており、申立人の商品である「発電所キット」の我が国における市場占有率も極めて大きい。

(2)本件商標の商標権者に係る過去又は現在のWebコピー(甲第3号証)によれば、本件商標は、明らかに申立人の商標をまねて作られたものであり、申立人の商品と出所を誤認させるための商標出願であることが明白である。

(3)本件商標の指定商品中の「太陽電池,太陽光発電パネル,発電用太陽電池モジュール」はいずれも同一の商品を意味するものであり、これらは、引用商標1ないし引用商標3の指定商品中の「太陽電池」と同一の商品である。

また、本件商標の指定商品中の「金属屋根材と一体化した太陽電池モジュール,太陽光発電装置用据付架台」は,引用商標4の指定商品である「太陽電池付金属製屋根材,太陽光発電装置を取り付けるための専用金属製金具,太陽電池を組み込んだ建築用又は構築用の金属製専用材料,太陽電池を組み込んだ金属製建築物組立セット」と同一の商品である。

(4)以上によれば、本件商標をその指定商品について使用した場合、これに接する需要者が申立人の業務に係る商品と出所の混同を生じるおそれがある。

したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。

第4 当審の判断

1 商標法第4条第1項第11号該当性について

(1)本件商標

本件商標は、別掲のとおり、青色で彩色された図形と、その右方に、紺色で表された「DIY太陽光発電キット」の文字(「DIY」の文字部分は太字で表されている。)を配してなり、さらに、「I」の文字の上方には、該文字と同色で彩色された円と4つの三角形との組合わせからなる小さな図形を配してなるところ、両図形部分は、いずれも特定の事物を表したものとして認識されるとはいい難いことから、これより特定の称呼及び観念を生じることはない。

また、本件商標の構成中の「DIY太陽光発電キット」の文字部分は、「DIY」の文字が、「家具など既製品を買うのでなく、自分の手で作ったり修理したりすること。」を意味する英語「Do it yourself」の略語として一般に広く知られた「DIY」と同じ綴りであることから、その文字部分全体をもって、「自作用太陽光発電用具一式」程の意味合いを表したものとして看取、理解され得るとみるのが相当である。

してみれば、本件商標は、上記のとおり、図形と文字との組合せからなる商標であって、その構成中の「DIY太陽光発電キット」の文字部分に相応して、「ディーアイワイタイヨウコウハツデンキット」の称呼を生じ、また、「自作用太陽光発電用具一式」程の意味合いを認識させる場合があるとはいい得るものの、特定の観念を生じるとまではいい難いものである。

(2)引用商標

引用商標1ないし引用商標4は、前記第2のとおり、それぞれ「ソーラー発電所キット」、「発電所キット」又は「MY発電所キット」の文字を横書きしてなるものであるところ、これらは、いずれも辞書類に載録された成語とは認められず、また、同じ書体及び大きさで等間隔に表されていることから、それぞれの構成全体をもって、一体的にまとまりのある一連の造語を表したものとして看取、理解され得るものである。

してみれば、引用商標1ないし引用商標4は、上記のとおり、それぞれ一連の造語からなるものであって、それぞれの構成文字全体に相応して、「ソーラーハツデンショキット」、「ハツデンショキット」又は「マイハツデンショキット」の称呼を生じ、また、「太陽光発電所用具一式」、「発電所用具一式」又は「私の発電所用具一式」程の意味合いを認識させる場合があるとはいい得るものの、特定の観念を生じるとまではいい難いものである。

(3)本件商標と引用商標との類否

ア 外観について

本件商標と引用商標とは、それぞれ上記(1)及び(2)のとおりの構成からなるところ、両商標は、図形の有無という明らかな差異があるほか、本件商標の構成中の文字部分と引用商標とを比較しても、その文字構成を少なからず異にするものであるから、外観上、明確に区別し得るものである。

イ 称呼について

本件商標は「ディーアイワイタイヨウコウハツデンキット」の称呼を生じるものである一方、引用商標は「ソーラーハツデンショキット」、「ハツデンショキット」又は「マイハツデンショキット」の称呼を生じるものであるところ、両商標から生じる称呼のいずれの比較においても、その音の構成及び数が明らかに異なるから、それぞれを一連に称呼しても、語感、語調が相違し、十分に聴別し得るものである。

ウ 観念について

本件商標と引用商標とは、いずれも特定の観念を生じることのないものであるから、観念において両商標が相紛れるおそれはない。

なお、本件商標と引用商標とは、上記(1)及び(2)において述べたとおり、それぞれの構成文字に相応する意味合いを生じ得るところ、両商標は、その意味合いにおいて似た点があるとはいえるものの、これが両商標の類否判断に大きな影響を与えるとはいい難い。

(4)小括

以上によれば、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標と認められる。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

2 商標法第4条第1項第15号該当性について

本件商標と引用商標とは、上記1のとおり、相紛れるおそれのない非類似の商標である。

また、申立人が提出した甲第1号証及び甲第2号証によれば、2013年7月25日に東京ビッグサイトにおいて開催された「PV japan 2013」の会場と思しき写真に「ミニ発電所キット」の表示のある看板が掲げられていること(2011年12月開催の「PV japan」の会場と思しき写真及び2012年6月開催の「ECO Life」の会場と思しき写真にあるポスター等の表示は判読できない。)及び申立人のホームページにおける情報とされるものに「MY発電所キット」の表示があることはうかがえるものの、上記「PV japan 2013」への出展をもって、直ちに需要者の間に広く認識されているということはできず、かつ、写真にある「ミニ発電所キット」の表示も引用商標と同一とはいえないものであり、また、申立人のホームページにおける情報とされるものについては、その掲載時期が不明である。

その他、引用商標が、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、需要者の間に広く認識されていると認めるに足る事実は見いだせない。

してみれば、本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者が引用商標を連想、想起することはないというべきであり、該商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その商品の出所について混同を生じるおそれはないものと認められる。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。

3 まとめ

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれにも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項により、維持すべきである。

よって、結論のとおり決定する。

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