Trademark Appeal Case
称呼の類似性と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2013−16992(T2013−16992/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「このまちうどん」の文字を標準文字で表してなり、第30類及び第43類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成24年11月22日に登録出願されたものであり、その後、指定商品及び指定役務について、原審における平成25年3月25日付け手続補正書及び当審における同年9月4日付け手続補正書により、最終的に、第30類「うどんつゆ,愛知県豊田市産のうどんの麺,うどん粉,うどん用香辛料」に補正されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第5464396号商標(以下「引用商標」という。)は、「このまち」の文字を標準文字で表してなり、平成23年8月16日に登録出願、第30類「茶,コーヒー及びココア,菓子及びパン,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,穀物の加工品,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,即席菓子のもと」を指定商品として、同24年1月20日に設定登録されたものであり、その商標権は現に有効に存続しているものである。
3 当審の判断
(1)本願商標
本願商標は、前記1のとおり、「このまちうどん」の文字を標準文字で表してなるところ、その指定商品との関係において、構成中の「うどん」の文字は、「麺類の一種。小麦粉を塩水でこねて薄くのばし、細く切ったもの。」(広辞苑第六版)を表すものとして、広く一般に使用されていることからすれば、その構成は、「このまち」の文字及び「うどん」の文字からなるものと容易に認識し得るものである。
また、構成中に4文字とも平仮名で書されている「このまち」の文字は、直ちに特定の意味合いを表したものとして理解されるということはできないから、本願商標は、これを構成する「このまち」の文字と「うどん」の文字が一体となって、全体として親しまれた特定の観念を生じ得るものとはいえない。
そして、構成中の「うどん」の文字は、指定商品中「愛知県豊田市産のうどんの麺」との関係において、該商品を含む上記「麺類の一種」を表す一般的な表示であるから、該文字部分から出所識別標識としての称呼、観念は生じない。
してみると、本願商標は、その構成中の「このまち」の文字部分のみをもって取引されることも決して少なくないというのが相当であり、その構成全体から生じる「コノマチウドン」の称呼のほかに、「このまち」の文字部分に相応して、「コノマチ」の称呼をも生じ、特定の観念は生じないものである。
(2)引用商標
引用商標は、前記2のとおり、「このまち」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成文字に相応して、「コノマチ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(3)本願商標と引用商標の類否判断
本願商標と引用商標は、その全体の外観においては、前記1及び2のとおり、「うどん」の文字の有無における差異を有するものであるが、本願商標は、その要部として取引される場合があると認められる「このまち」の文字部分を引用商標と比較すると、両者の外観は、同一であり、それぞれから生じる「コノマチ」の称呼を同一にする。また、両者は、いずれも、特定の観念を生じないものである。
そうすると、本願商標と引用商標は、観念においては、比較することができないとしても、その要部における外観及び称呼を共通にするから、これらを総合して考察すれば、互いに紛らわしい類似の商標というべきである。
(4)本願商標の指定商品と引用商標の指定商品の類否
本願商標の指定商品中「愛知県豊田市産のうどんの麺」は、引用商標の指定商品中「穀物の加工品」に含まれるものであるから、両商品は、同一又は類似するものである。
(5)小括
以上のとおり、本願商標は引用商標に類似し、引用商標の指定商品と同一又は類似する商品に使用するものであるから、本願商標は商標法第4条第1項第11号に該当する。
(6)請求人の主張
請求人は、本願商標を「愛知県豊田市産のうどんの麺」の識別標識として使用するものであるから、本願商標は、その構成中の「このまち」の文字が「この町」を認識させ、品質表示に近いものであって、識別力が極めて弱いものとなり、取引者、需要者がその構成中のいずれかの文字部分のみに着目し記憶することはなく、構成全体をもって「この町産のうどん」という一体の観念を生ずるものであり、また、「うどんの麺」を指定商品とする「○○うどん」の商標が多数登録されていることを根拠に、それらは全体として商品の出所識別標識として使用されているから、本願商標は、看者に構成全体をもって一体不可分のものと認識し把握されるとみるのが自然である旨を主張する。
しかしながら、たとえ、本願商標が、標準文字により「このまちうどん」と一連に表されているとしても、その構成中「うどん」の文字は、本願商標の指定商品における主な需要者である一般の消費者においても、商品を表す際に普通に使用する表示として理解されているものである。また、上記認定のとおり、構成中の「このまち」の文字は、その構成態様から直ちには特定の意味合いを表したものとして理解されるものではないから、本願商標を「愛知県豊田市産のうどんの麺」に使用しても、その構成中の「このまち」の文字が、商品の品質表示として理解されるということはできない。
してみると、本願商標に接する取引者、需要者は、その構成前半の「このまち」の文字部分が自他商品の識別力を有する要部として認識するというべきである。
また、商標の類否判断は、当該出願に係る商標と他人の登録商標との対比において、個別・具体的に判断すべきものであるから、他の登録商標の存在を理由に、本願商標が常に一体不可分のものとして認識されると判断することは妥当でない。
したがって、本願商標は、常に一体不可分のものとして認識されるということはできないものであるから、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。
なお、仮に「このまち」の文字が、請求人の主張するとおり、看者により「この町」が想起される場合には、上記のとおり、本願商標の要部と引用商標は、その構成文字が同一であるから、そこから理解される意味合いも同一となるというべきであり、このような商標を、同一又は類似する商品に使用したときには、その商品の出所について誤認混同を生ずるおそれがあるものといわざるを得ない。
(7)結語
以上のとおりであるから、本願商標は商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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