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Trademark Appeal Case

CFO略語の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2014−10400(T2014−10400/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

第1 本願商標

本願商標は,「CFO」の欧文字を標準文字で表してなり,第41類「セミナーの企画・運営又は開催」を指定役務として,平成25年5月18日に登録出願されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は,「本願商標は,『CFO』の欧文字を標準文字で表してなるところ,該欧文字は,『Chief Financial Officer(最高財務責任者)』の略語を認識させるものであり,我が国の企業の間では,一般に知られた語であって,普通に使用されているものである。また,ウェブサイト情報によれば,CFO養成セミナーやCFOを受講対象としたセミナーが開催されている事実がうかがえる。そうすると,本願商標をその指定役務中,『CFO養成のためのセミナーの企画・運営又は開催』に使用するときは,単に役務の質を表示するにすぎないものと認める。したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当し,上記役務に照応する役務以外の役務に使用するときは,役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるので,同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定,判断し,本願を拒絶したものである。

第3 当審の判断

1 商標法第3条第1項第3号該当性について

本願商標は,「CFO」の欧文字を標準文字で表してなるところ,該欧文字は,例えば,「広辞苑(第六版)」,「大辞泉(増補・新装版)」及び「大辞林(第三版)」等の一般的な辞書類において,「最高財務責任者」の意味を有する英語「chief financial officer」の略語として載録されており,また,新聞記事等においても,企業の該当者の役職を表す語として,一般に広く用いられているものである(別掲参照)。

そして,「セミナー」とは,特定のテーマについて研究,報告及び討論するなどといった方法ないし形態をとる講習会といえるものであって,本願の指定役務を提供するに当たっては,通常,特定のテーマに基づき,その内容や対象者を該テーマに合致させるようにするところ,近年において,企業における経理,財務を経営に活かすなどといった視点に基づき,CFOの養成やCFOの資質向上等をテーマとするセミナーが一般に広く開催されていることは,原審の拒絶理由通知書において開示した情報のほか,以下の(1)ないし(3)に示す情報によっても裏付けられるところである。

(1)「日本CFO協会」に係るウェブページ

「CFOセミナー」の見出しの下,「経営・財務に関する様々なテーマにて『CFOセミナー』を月1回,平日夜に開催しています。」及び「第202回【東京開催】CFO,経理・財務管理職に求められるリーダーシップのグローバルスタンダード」の概要として,「外資系企業のCFO,CEO経験者であるエグゼクティブコーチが,コーチングの手法を使いながらエッセンスをお伝えします。」との記載がある。

(http://www.cfo.jp/seminar/cfoseminar/)

(2)「SMBCコンサルティング株式会社」に係るウェブページ

「ビジネスセミナー東京 経営と会計を融合させる経理・財務マネジメントのアドバンスト・プログラム CFO・会計プロフェッショナル養成コース 経営視点に立った会計・財務の理論と実務を4つの視点から実践的に習得」の見出しの下,「概要(狙い)」として,「本コースでは,財務会計・管理会計・経営分析・経営財務の4つの視点から,ケースや演習を通して,会計・財務を経営に活用するための手法と実践力を習得します。●経理・財務の視点から経営をサポートするCFO(最高財務責任者)の養成 ●経営者・事業部門責任者や経営戦略を担う方々の経営財務スキルの習得など,幅広くご参加をおすすめいたします。」との記載がある。

(https://www.smbc-consulting.co.jp/company/seminar/tokyo/month/201308/seminar_20130278-01.html)

(3)「新日本有限責任監査法人」に係るウェブページ

「CFOのためのビジネスセミナー Financial Executive Network」の見出しの下,「本セミナーにおいては,上場準備会社での取締役・監査役それぞれの経験のある株式会社アイティフォーの中山かつお氏に御講演いただくとともに,私どもの提携先であるEYにおけるCFOグローバルサーベイの結果を踏まえたCFOの役割と目指すべき方向性について解説させていただきます。」との記載とともに,「新規株式上場を目指している企業のCFO・財務経理部門の管理職の方 上場5年以内の企業のCFO/財務経理部門の管理職の方」を対象者とし,「・Ernst&Young CFO グローバルサーベイによる世界の趨勢 ・わが国におけるCFOと財務経理部門のトレンド ・海外展開をしている企業に学ぶCFOと財務経理部門の目指すべき方向性 ・上場準備におけるCFOの役割」等をプログラムとする旨の記載がある。

(http://www.shinnihon.or.jp/seminar/2012/2012-id-20121101-1.html)

そうすると,本願商標をその指定役務に使用した場合,これに接する需要者は,その企画,運営又は開催に係るセミナーがCFOの養成やCFOの資質向上等をテーマとするものであること,すなわち,役務の質を表したものとして認識するにとどまるとみるのが相当である。

したがって,本願商標は,その指定役務との関係において,役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるから,商標法第3条第1項第3号に該当する。

2 請求人の主張について

(1)請求人は,本願商標を構成する「CFO」の欧文字が「Chief Financial Officer(最高財務責任者)」の略語として一般に認識されているとはいい難く,また,仮にそのような認識が一般的であるとしても,本願の指定役務との関係において,該欧文字が「CFO養成のためのセミナーの企画・運営又は開催」を意味するものと一義的に解釈されることはない旨主張する。

しかしながら,「CFO」の欧文字の語義及び本願の指定役務を提供する分野における取引の実情に鑑みれば,本願商標をその指定役務に使用した場合,需要者をして,役務の質を表したものと認識されること,上記1において認定,判断したとおりであるから,請求人による上記主張を採用することはできない。

(2)請求人は,特定の意味を有する略語といえる欧文字3文字からなる商標の既登録例を挙げて,本願商標も登録されるべきである旨主張する。

しかしながら,登録出願に係る商標が自他役務の識別標識として機能し得るか否かは,該登録出願の査定時又は審決時において,該商標の構成態様と指定役務との関係や役務の取引の実情をも踏まえて個別具体的に判断されるべきものであるところ,本願商標は,これをその指定役務に使用した場合,需要者をして,役務の質を表したものと認識されるにすぎず,自他役務の識別標識としては機能しないものであること,上記1のとおりであるから,該登録例が存することをもってその判断が左右されることはなく,よって,請求人による上記主張を採用することはできない。

3 まとめ

以上によれば,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当し,登録することができない。

よって,結論のとおり審決する。

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