第1 本願商標
本願商標は、「P.F.S.」の文字を標準文字により表してなり、第9類及び第35類に属する願書記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成24年11月28日に登録出願され、その後、指定商品及び指定役務については、原審における同25年5月23日付けの手続補正書及び当審における同26年6月25日付けの手続補正書により、第35類「保安用ヘルメットの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,自動二輪車用ヘルメットの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,自動車レース用ヘルメットの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,自動車用ヘルメットの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に補正されたものである。
第2 引用商標
原審において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下の2件である。
1 登録第4763243号商標(以下「引用商標1」という。)は、「PFS」の文字を標準文字により表してなり、平成15年11月6日に登録出願され、第9類「静電容量型力覚センサ,その他の測定機械器具」を指定商品として平成16年4月9日に設定登録されたものである。なお、引用商標1は、平成26年4月9日に商標権の存続期間が満了しているが、商標法第21条第1項の規定に基づく商標権の存続期間の更新登録の申請が可能な期間中である。
2 登録第5151087号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成19年7月25日に登録出願され、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として平成20年7月11日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
第3 当審の判断
1 本願商標と引用商標1との類否について
本願商標の指定商品及び指定役務については、上記第1のとおり原審及び当審において提出された手続補正書により、第9類の指定商品は、削除された。その結果、本願の指定役務は、引用商標1の指定商品とは互いに類似しない指定役務になったと認められる。
2 本願商標と引用商標2との類否について
(1)本願商標
本願商標は、上記第1のとおり「P.F.S.」の文字を標準文字により表してなるところ、該文字は、特定の意味を有しない一種の造語といえるものであるから、その構成文字に相応して「ピーエフエス」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標2
引用商標2は、別掲のとおりの構成からなるところ、その構成中の右側に
「太平洋の」の意味の「PACIFIC」、「家具」の意味の「FURNITURE」及び「サービス業務」の意味の「SERVICE」の文字をまとまりよく3段に書して一体的に表されており、これより生ずると認められる「パシフィックファーニチュアサービス」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものである。また、それぞれ上記意味で親しまれた語ではあるが、これら文字部分全体で特定の意味合いを表すものとも理解されがたいことから、特定の観念を有さない一種の造語と認められる。
そして、構成中の左側に配された図形は、上記文字のそれぞれの頭文字「P」、「F」及び「S」を組合せたと思われるモノグラムを円輪郭内に表したものであって、これよりは直ちに特定の称呼及び観念を生じ得ないものといえる。そうすると、引用商標2は「パシフィックファーニチュアサービス」の称呼のみを生ずるものとみるのが自然であり、特定の観念を生じないものである。
(3)本願商標と引用商標2との類否について
外観においては,本願商標と引用商標2の構成は,それぞれ上記のとおりであるから,両商標は,外観上明確に区別できるものである。
次に,称呼においては,本願商標から生じる「ピーエフエス」の称呼と、引用商標2から生じる「パシフィックファーニチュアサービス」の称呼とは、構成音数が相違するばかりでなく、構成音の殆どを異にするものであり、それぞれを一連に称呼するときは全体の音感、音調が明らかに相違し、容易に区別することができるものである。
さらに、本願商標及び引用商標2は、ともに特定の観念を有しないものであるから、観念上、互いに比較することはできず、類似するとはいえないものである。
してみれば、本願商標と引用商標2とは、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれない非類似の商標というべきである。
3 むすび
以上のとおり、本願商標は、引用商標1とは、指定商品及び指定役務において互いに抵触しないものとなり、引用商標2とは、非類似の商標であるから、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものでなく取消を免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。