結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2013−300027(T2013−300027/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第5206064号商標(以下「本件商標」という。)は、「ちぃさいおじさん」の平仮名を標準文字で表してなり、平成20年6月18日に登録出願、第9類「携帯電話用ストラップ,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,家庭用テレビゲームおもちゃ,携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM,レコード,メトロノーム,電子楽器用自動演奏プログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM,インターネットを利用して受信し、及び保存することができる音楽ファイル,ダウンロード可能な携帯電話用の着信メロディ,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,インターネットを利用して受信し、及び保存することができる画像ファイル,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,ダウンロード可能な携帯電話機用の待ち受け画像,ダウンロード可能な電子出版物」及び第35類「インターネットを介した商品販売に関する情報の提供,おもちゃ・人形及び娯楽用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定商品及び指定役務として、同21年2月20日に設定登録され、その商標権は、現に有効に存続しているものである。
そして、本件審判の請求の登録は、平成25年2月4日にされたものである。
請求人は、結論と同旨の審決を求め、その理由として要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第15号証を提出した。
本件商標は、その指定商品及び指定役務中、第9類「電子応用機械器具及びその部品,家庭用テレビゲームおもちゃ,携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM,レコード,メトロノーム,電子楽器用自動演奏プログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM,インターネットを利用して受信し,及び保存することができる音楽ファイル,ダウンロード可能な携帯電話用の着信メロディ,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,インターネットを利用して受信し,及び保存することができる画像ファイル,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,ダウンロード可能な携帯電話機用の待ち受け画像,ダウンロード可能な電子出版物」及び第35類「おもちゃ・人形及び娯楽用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用していないものであるから、商標法第50条第1項の規定により、その登録は取り消されるべきである。
被請求人が、答弁書において、審判請求の登録前3年以内に使用していたと主張する「インターネットを利用して受信し、及び保存することができる画像ファイル」、「ダウンロード可能な携帯電話機用の待ち受け画像」、「インターネットを介した商品販売に関する情報の提供」、及び「おもちゃ・人形及び娯楽用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」は、以下の理由から使用されていたと認めることができない。
(1)「インターネットを利用して受信し、及び保存することができる画像ファイル」及び「ダウンロード可能な携帯電話機用の待ち受け画像」について
ア 乙第1号証には日付の表示がない。よって、これのみで審判請求の日前3年以内に使用を実証できるものではない。
イ 乙第2号証にはレンタルサーバーヘのファイルを転送した日付が表示されており、これが審判請求の日前3年以内の日付である、と被請求人は主張する。しかしながら、レンタルサーバーヘのファイルを転送した日付は、パソコンの日付設定を変更してファイルを転送すれば任意の日付に変えることができる。
甲第2号証ないし甲第4号証は、実験的に、サイトヘのファイルのアップデートの日付を変えてみた例である。上記画面において、画面の左側はパソコン内のファイルを表し、画面の右側は、インターネットサーバー上のファイルを表す。
甲第2号証は初期状態である。ここで、chi-oji_machiuke.htmlというファイルを作ってみると、甲第3号証の左画面に示すように2013年5月30日の目付でファイルが作成される。次に、パソコンの設定の日付を2010年5月30日に変更してファイルを更新してみると、パソコン内のchi-oji_machiuke.htmlファイルの日付が、甲第4号証の左画面に示すように2010年5月30日に変わる。そして、これをサーバーに転送すると、甲第4号証の右画面に示すようにファイルの更新日2010年5月30日でファイルをアップロードすることができる。
よって、このように自由に日付の変更が可能なパソコン側から見たアップロード情報を表す乙第2号証をもって、商標権者が審判請求の日前3年以内に「インターネットを利用して受信し、及び保存することができる画像ファイル」及び「ダウンロード可能な携帯電話機用の待ち受け画像」を使用していたと認めることはできない。
そこで、請求人は被請求人がレンタルサーバーヘのファイルを転送した目付を客観的に検証するため、以下のサイトにより、インターネットにアップロードされたファイルのアーカイブ情報を調査(甲5〜8)したところ、このデータを見る限り、このサイトはつい最近まで更新されておらず、また、このフォルダーの中には、乙第1号証のURLの乙第1号証及び乙第2号証に示すようなページは最近までなかったのではということが推測される。
ウ 乙第3号証は、携帯電話機用ストラップ、乙第4号証及び乙第5号証は、2012年9月21日付けでこの携帯電話機用ストラップの請求書が発行されたことを示しており、これらは、この携帯電話機用ストラツプが審判請求の日前3年以内に使用していたと実証できるものと思われるが、携帯電話機用ストラップは、類似群11B01に属する第9類の電気通信機械器具の部品及び付属品に相当する商品であり、この審判における取消を請求している商品には含まれていない。
甲第10号証ないし第13号証は、乙第3号証に示されるウェブサイトのアーカイブ情報を表す。それぞれ2008年、2009年、2010年、2011年のアーカイブ情報が表されている。甲第14号証は最終更新日である2011年11月2日のアーカイブ情報である。
このアーカイブ情報によっても、被請求人が携帯電話機用ストラップについて、審判請求の日前3年以内に使用していたことが示されるものと思われるが、携帯電話機用ストラップは、上述したように、この審判における取消を請求している商品には含まれていない。
なお、2011年11月2日のアーカイブ情報を見ても、このページから、乙第1号証に示すウェブページヘのリンクは設けられていない。
また、甲第9号証においてアーカイブ情報が残っているものについても、乙第1号証に示すウェブページヘのリンクは設けられていないが、2013年5月23日に甲第9号証に示すウェブページにアクセスしたところ、乙第1号証に示すウェブページヘのリンクも追加されていた。これを見る限り、今までリンクページがなく、最近になって急濾リンクページが追加されたことは不自然であり、乙第1号証に示すウェブページが最近まで存在していなかった可能性も推測される。
エ なお、例え、被請求人が使用を主張していた時期に乙第1号証に示すウェブページがインターネットにアップロードされていたとしても、使用を主張する「インターネットを利用して受信し、及び保存することができる画像ファイル」や「携帯電話機用の待ち受け画像」が携帯用ストラップの販売促進用のプレミアムとして、無料で配布されたのであれば、それは、宣伝広告用のマッチやティシュと同様のものであるので、商標法上の商品とはいえず、そもそも商標の使用として認められないものである。
オ 被請求人の提出した証拠には、「インターネットを利用して受信し、及び保存することができる画像ファイル」や「携帯電話機用の待ち受け画像」がダウンロード販売されたことを示す請求書、納品書等の類がないことからもこれらの使用の事実は認めることはできない。
(2)「インターネットを介した商品販売に関する情報の提供」について
ア 被請求人は、当該携帯電話用ストラップの販売促進及び購入者への便益を目的として、被請求人が本商標を用いて運営するブログやTwitterへのリンク、当該携帯電話用ストラップ販売代理業者へのリンクを掲載するホームページを運営しており、これが35類の指定役務である「インターネットを介した商品販売に関する情報の提供」に該当する旨を主張するが、そのようなホームページの画像及びURLは示されておらず、「ちいさいおじさん」の商標を使用して、そのようなホームページを運営している証拠は提出されていないため、被請求人の主張を認めることはできない。
イ そもそも、第35類の「インターネットを介した商品販売に関する情報の提供」とは、他人のために提供される役務である必要がある。これは、第35類の「広告」が他人のための広告を役務としているのと同じであり、自己の商品を広告することは第35類の「広告」には該当せず、商標法第2条第3項第8号の使用に該当するだけである。
しかしながら、被請求人の行っているものは、あくまでも自己の商品である「携帯電話用ストラップ」の販売促進及び購入者への便益を目的とした、自己の商品の情報を提供するものであり、これは、商標法第2条第3項第8号における「商品に関する広告、価格表若しくは取引書類を内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為」に該当し、「携帯電話用ストラップ」という商品についての商標の使用の一形態に過ぎず、第35類の役務である「インターネットを介した商品販売に関する情報の提供」には該当しないことは明らかである。
(3)「おもちゃ・人形及び娯楽用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」について
「おもちゃ・人形及び娯楽用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」については、携帯電話機用ストラップが第9類の「電気通信機械器具」に該当することから、それに対する販売については「電気通信機械器具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に該当する。ちなみにこの役務の類似群である11B01、35K08に「携帯電話機用ストラップの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」という役務の登録例があるので、被講求人の主張が間違いであることは明らかである。
以上により、被請求人の答弁の根拠となる乙第1号証及び乙第2号証は、証拠として不十分であり、また、乙第3号証ないし乙第5号証の証拠により証明される商品は、この取消請求の対象となっている商品ではなく、登録商標の不使用による取り消しを免れることはできない。
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とするとの審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第5号証を提出した。
また、当該待ち受け画像のサイトが審判の請求の登録前3年以内に存在した証拠として、サイトの最終更新日付が確認できる管理画面のキャプチャー画像(乙2)を提出する。
乙第1号証及び乙第2号証により、登録の取消を請求されている第9類の指定商品「インターネットを利用して受信し、及び保存することができる画像ファイル」及び「ダウンロード可能な携帯電話機用の待ち受け画像」について、審判の請求の登録前3年以内に商標権者が本件商標を使用していることが証明できる。
購入者を当該ホームページヘの誘導する手段として、当該携帯電話用ストラップの本体裏面及び台紙裏面に当該ホームページのURLを記載しており、これが登録の取消を請求されている第35類の指定役務「おもちゃ・人形及び娯楽用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に該当し、証拠として、当該携帯電話用ストラップの本体裏面及び台紙裏面の写真(乙3)を提出する。
また、当該携帯電話用ストラップが審判の請求の登録前3年以内に商取引が成立していた証拠として、当該携帯電話用ストラップを販売した際の請求書のコピー(乙4)、入金があった証拠としで商標権者の通帳のコピー(該当箇所以外は塗りつぶし)(乙5)を提出する。
商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、被請求人において、その請求に係る指定商品及び指定役務のいずれかについての登録商標の使用をしていることを証明し、又は使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、その登録の取消しを免れないところ、被請求人は、本件審判の請求に係る指定商品及び指定役務中の「インターネットを利用して受信し、及び保存することができる画像ファイル」及び「ダウンロード可能な携帯電話機用の待ち受け画像」(以下「使用証明商品」という。)並びに「おもちゃ・人形及び娯楽用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」(以下「使用証明役務」という。)について本件商標を使用していると主張し、証拠を提出しているので、以下判断する。
被請求人は、商標権者が運営する待ち受けサイトのキャプチャー画像(乙1)及び当該サイトの最終更新日「10.7.22」と表示された管理画面のキャプチャー画像(乙2)を提出し、商標権者が本件商標を審判の請求の登録前3年以内に使用している旨主張する。
これに対し、請求人は、レンタルサーバーヘのファイルを転送した日付けはパソコンの日付設定を変更してファイルを転送すれば任意の日付に変えることができる(甲2〜8)旨弁駁する。
甲第2号証ないし第4号証は、サイトヘのファイルのアップデートの日付を変えてみた例であって、これらから、待ち受けサイトヘのファイルのアップデートの日付を2013年5月30日から2010年5月30日に変えられることが認められる。
そうとすると、商標権者が運営する待ち受けサイトの最終更新日が「2010年7月22日」であるという被請求人の主張は、信ぴょう性に乏しいものと言わざるを得なく、してみると、乙第1号証及び乙第2号証をもって、商標権者が本件商標を審判の請求の登録前3年以内に本件取消の請求に係る指定商品に使用していると認めることができない。
乙第3号証は、携帯電話機用ストラップの本体裏面と台紙裏面の写真である。
乙第4号証は、商標権者が2012年9月21日付けで株式会社StrapyaNextに宛てて発行した携帯電話機用ストラップの代金12,720円の請求書の写しであり、乙第5号証は、その入金を示す商標権者の普通預金通帳である。
しかしながら、上記立証は、商標権者が本件商標を商品「携帯電話機用ストラップ」に使用するものであるから、本件取消の請求に係る指定役務「おもちゃ・人形及び娯楽用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」についての使用とは認められない。
なお、上記立証が携帯電話機用ストラップの小売りであると主張する場合であったとしても、商品「携帯電話機用ストラップ」は第9類「電気通信機械器具の部品及び付属品に含まれる商品」であって、その小売りは、「おもちゃ・人形及び娯楽用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」と異なる役務であるから、本件審判の請求に係る指定役務「おもちゃ・人形及び娯楽用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」についての使用とは認められない。
してみると、乙第3号証ないし乙第5号証をもって、商標権者が本件商標を審判の請求の登録前3年以内に本件審判の請求に係る指定役務に使用していると認めることができない。
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品及び指定役務について、本件商標の使用をしていることを証明したものとは認めることはできず、また、被請求人は、本件商標をその請求に係る指定商品及び指定役務に使用をしていないことについて、正当な理由があることを明らかにしていない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、その指定商品及び指定役務中、「結論掲記の指定商品及び指定役務」についての登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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