Trademark Appeal Case
「うるおい繊維」の記述性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2014−4866(T2014−4866/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「うるおい繊維」の文字を標準文字で表してなり、第24類「織物」を指定商品として、平成25年5月31日に登録出願されたものである。
2 当審における拒絶の理由
当審において、請求人に対し、平成26年5月28日付け拒絶理由通知書をもって、要旨次の理由を通知した。
本願商標は、「うるおい繊維」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「うるおい」の文字は、「水気を帯びること。しめり。」の意味を有し、「繊維」の文字は、「織物などの原料となる細かい糸状の物質。」の意味を有するものである。そして、別掲の各種情報のとおり、保湿効果を有する機能性繊維が繊維メーカー各社より提供されていることが認められ、また、各種衣料品の販売者等が商品の原材料として用いられた保湿効果を有する機能性繊維を説明するに当たり、「うるおい繊維」の文字が広く一般的に用いられていると認められる。
してみれば、本願商標をその指定商品「織物」について使用しても、これに接する取引者、需要者は、その商品が「保湿効果を有する機能性繊維」であると理解するにとどまるから、本願商標は、単に商品の品質、原材料を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標と認める。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
3 当審における拒絶の理由に対する意見
請求人は、前記2の「拒絶理由通知」に対して、平成26年7月11日付け意見書を提出し、要旨以下の主張をしている。
(1)本願商標は、不可分一体の造語としか認識し得ないものであって、かかる構成から一義的には「うるおった繊維」程の意味合いを想起させ、転じて、「しめりけのある繊維」、「ゆとりある(ぜいたくな)繊維」、「しっとりとした趣のある繊維」程の意味合いを暗示させるものである。
(2)日本化学繊維協会が業界に対して、製品の性能を表示する際に、身体への効能効果を記載することは薬事法違反となる場合がある旨指導しており、本願の指定商品の分野では、身体の一部である肌への保湿効果を繊維の機能説明として表すこと自体が一般的ではないから、「うるおい繊維」の文字が用いられている拒絶理由通知で示した7例をもって、該文字が保湿効果を有する機能性繊維を説明するに当たり、「広く一般的」に用いられているとはいい難く、本願商標は、本来的な出所表示機能を有するものである。
(3)以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものではない。
4 当審の判断
本願商標は、「うるおい繊維」の文字を標準文字で表してなるものである。
そして、本願商標をその指定商品「織物」について使用しても、これに接する取引者、需要者は、その商品が「保湿効果を有する機能性繊維」であると理解するにとどまるから、前記2のとおり、本願商標は、単に商品の品質、原材料を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というのが相当である。
なお、請求人は、前記2の拒絶理由通知に対し、前記3のとおり意見を述べている。
しかしながら、繊維メーカー各社から提供されている機能性繊維を用いた商品の販売において、前記2で示した使用例に加え、例えば「しっとり繊維」(http://www.felissimo.co.jp/kraso/pot/v2/cfm/products_detail001.cfm?gcd=I82701&gwk=786)、「ひんやり繊維」(https://www.dinos.co.jp/p/1260100620/)、「ぽかぽか繊維」(http://store.shopping.yahoo.co.jp/benkyoudou/cs-4571114462641.html)、「あったか繊維」(http://www.ponparemall.com/item/4990911030899/)等、その商品の特徴を表す語と「繊維」の語とを結合させたものが多数使用されている状況にあることからすれば、これらと同様の構成からなる「うるおい繊維」の文字に接した需要者は、「うるおい」の文字から「水気を帯びている(しめりがある)」という状態を認識し、そのような状態となる繊維であること、すなわち「保湿効果を有する機能性繊維」程の意味合いを容易に理解するとみるのが自然である。
また、商品の特徴を表す際に、身体への効能効果を記載することが薬事法違反になる場合があるとしても、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるか否かは、指定商品等の取引の実情に基づき、取引者、需要者の認識を基準として、個別具体的に判断されるべきものであり、本願商標については上記のとおり判断するのが相当である。
したがって、上記意見書における請求人の主張は、採用することができない。
以上によれば、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。