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Trademark Appeal Case

複合商標の要部と類似性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2014−900081(T2014−900081/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5636682号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5636682号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲に示すとおり「rhythm」の欧文字をやや図案化して表してなり、平成22年9月28日に登録出願された商願2010−75648に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として、同24年9月12日に登録出願され、第25類「履物,カジュアルシューズ,サンダル」を指定商品として、同25年11月5日に登録査定、同年12月13日に設定登録されたものである。

2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録商標は、次のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。

以下、これらをまとめて「引用商標」という。

(1)登録第4894429号商標(以下「引用商標1」という。)

商標 「neo rhythm」

指定商品 第25類「履物,乗馬靴」

出願日 平成17年3月7日

登録日 平成17年9月16日

(2)登録第4938659号商標(以下「引用商標2」という。)

商標 「neorhythm」

指定商品 第25類「履物」

出願日 平成16年3月1日

登録日 平成18年3月24日

(3)登録第5198451号商標(以下「引用商標3」という。)

商標 「neorhythm」

指定役務 第35類「履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」のほか、商標登録原簿記載のとおりの指定役務

出願日 平成19年6月4日

登録日 平成21年1月23日

3 申立て理由(要旨)

(1)商標法第4条第1項第11号該当性について

ア 外観上の対比

本件商標は、英小文字を文字間隔を詰めてデザイン化した「rhythm」を一連に書してなるのに対し、引用商標1は一般的なフォント態様の英小文字の「neo rhythm」を、引用商標2及び3はそれぞれゴシック体様の英小文字の「neorhythm」横書きして成る。

本件商標と引用商標とは、ともに英小文字の「rhythm」の綴りにおいては全く異なることなく、同一に表示されている。

特に、引用商標1は、「neo」部分と「rhythm」部分との間に間隙があることで、「rhythm」としても認識されることは疑いないところである。

したがって、本件商標と引用商標とは、視覚的要因において共通する印象を与え、彼此混同を生じる。

イ 称呼上の対比

本件商標からは、その自然の称呼として「リズム」が生じる。

一方、引用商標からは、自然の称呼として「ネオリズム」が生じるのはもとより、特に、引用商標1からは、その「neo」部分と「rhythm」部分との間に間隙があることで、分離される「rhythm」部分から、「リズム」なる称呼が生じる。

ところで、引用商標における「neo」部分は、「新、新しい」等の意味を有する英語としての接頭辞であり、商品・役務との関係では識別力がないか極めて弱いものである。すなわち、「neo」は、「新」、「新しい」なる意味を有する英語の接頭辞として一般的に使用されており、従来から商標が使用されている商品に関し、それが例えば旧商品に比し「新しい」ものであることを示す記述的表示として使用されているのである。そして、旧商品の商品イメージを保持しながらも、新商品とすることが商品販売上多いことをかんがみれば、「neo」部分は自他商品の識別力がないか極めて弱いことは明らかであり、引用商標は「rhythm」に要部があるといわざるを得ない。

したがって、引用商標が単に「リズム」として称呼されることをかんがみれば、本件商標と引用商標とは極めて酷似しているといわざるを得ず、両者は聴覚的要因において相紛れるおそれがある。

ウ 観念上の対比

本件商標「rhythm」は、これが英語であることから、その日本語の意味は「韻律、調子、リズム」等であり、引用商標の「neo rhythm」、「neorhythm」も同様に英語であることから、その意味は「新(新しい)韻律、新(新しい)調子、新(新しい)リズム」等である。

引用商標の「neo」の部分は、「新、新しい」等の意味を有する接頭辞であり、新シリーズの商品名として使用されていることもかんがみれば、「neo」が付されている商品であるとしても、これが付されていない商品との共通性を表示していることとして、一般的に理解されているものである。

したがって、本件商標と引用商標とは、韻律、調子等の共通する意味合いを有することは明らかであるから、知覚的要因においても相紛れるおそれがある。

エ 役務・商品の対比

本件商標の指定商品と引用商標3の指定役務とは、本件商標では「履物,カジュアルシューズ,サンダル」の商品であるのに対し、引用商標3の一部の役務では「履物の小売・・・」とあるも、小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供の対象であるカジュアルシューズ、サンダルは履物の商品範躊に含まれるから、これらは実質的に同一である。

また、本件商標が指定する商品である「履物,カジュアルシューズ,サンダル」と、引用商標3の指定役務である「履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」とは、商品の履物を販売等する店舗等において使用されるとき、これらの商品の製造・販売と役務の提供が同一事業者によって行われているのが一般的であり、しかも商品と役務の用途も一致し、商品の販売場所と役務の提供場所も一致し、需要者の範囲も一致するから、類似することは明らかである。

(2)まとめ

本件商標と引用商標とは、外観、称呼、観念、少なくとも称呼、観念において類似し、また、指定商品・役務において同一又は類似することは明らかであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録を受けることができず、取り消されるべきである。

4 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号該当性について

ア 本件商標

本件商標は、別掲に示すとおり「rhythm」の欧文字をやや図案化してなるところ、容易に「rhythm」の文字を表したものと理解されるものであり、該文字は、「リズム、調子」の意味を有する英語として広く知られているから、その構成文字に相応して「リズム」の称呼を生じ、「リズム、調子」の観念を生じるものである。

イ 引用商標

引用商標1は、「neo rhythm」の欧文字を書してなり、また、引用商標2及び引用商標3は、「neorhythm」の欧文字を書してなるところ、いずれも、同一の大きさ、同一の書体で、外観上、まとまりよく一体的に表されており、また、これらから生じる「ネオリズム」の称呼も冗長とはいえず、よどみなく称呼し得るものである。そして、これらの構成中の「neo」の文字は、「新しい」の意味を表す英語の接頭語であって、「rhythm」の文字は、「リズム、調子」の意味を有する英語であるが、いずれの語も平易な英語であることから、引用商標は、その構成全体から「新しいリズム、新しい調子」の意味を容易に想起するといえるものである。

そうすると、引用商標は、「rhythm」の文字部分のみが独立して取引者、需要者に強い印象を与えるものではなく、構成全体をもって一体不可分のものとして認識されるものと判断するのが相当である。

してみれば、引用商標は、その構成文字に相応して、「ネオリズム」の称呼を生じ、「新しいリズム、新しい調子」の観念を生じるものである。

なお、引用商標1は、「neo」と「rhythm」の間に1文字程度の間隔が空いているものではあるが、上記のとおり、まとまりよく一体的に表され、また、全体として「新しいリズム、新しい調子」の意味を容易に想起するものであることからすれば、全体として一体不可分のものとして認識されるものである。

ウ 本件商標と引用商標の類否について

本件商標と引用商標の外観を比較すると、両者は、「rhythm」の綴り字を共通にしているが、語頭部分において「neo」の文字の有無という差異を有するから十分区別することができ、外観において相紛れるおそれのないものである。

次に、本件商標から生じる「リズム」の称呼と引用商標から生じる「ネオリズム」の称呼とを比較すると、両者は、「リズム」の音を共通にしているが、語頭部分において「ネオ」の音の有無という差異を有するから十分聴別することができ、称呼において相紛れるおそれのないものである。

さらに、本件商標から生じる「リズム、調子」の観念と引用商標から生じる「新しいリズム、新しい調子」の観念とを比較すると、両者は十分に区別することができ、観念において相紛れるおそれのないものである。

なお、申立人は、引用商標における「neo」の部分は、「新、新しい」等の意味を有するもので、商品及び役務との関係では識別力がないか極めて弱いことから、引用商標の要部は「rhythm」である旨述べているが、引用商標「neo rhythm」「neorhythm」は、上記のとおり全体として「新しいリズム、新しい調子」の観念を生じる一体不可分のものであって、「rhythm」とは別異の商標といえるものであるから、引用商標から「rhythm」の部分だけを抽出し、本件商標と比較することは適当でない。

そうすると、本件商標と引用商標は、外観、称呼及び観念のいずれの点においても類似しない非類似の商標というべきである。

エ 小括

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

(2)結論

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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