Trademark Appeal Case
外来語の観念の有無
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2014−900117(T2014−900117/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5643699号商標(以下「本件商標」という。)は、「BONOBOS」の文字を標準文字で表してなり、平成25年4月22日に登録出願、第25類及び第35類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同年12月9日に登録査定され、同26年1月17日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当し、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第4号証を提出した。
(1)申立人が引用する商標
申立人が引用する商標は次のとおり(以下、それらをまとめて「引用商標」という。)であり、いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。
ア 国際登録第919816A号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の態様 BONOBO
指定商品 第14類、第18類及び第25類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の商品
国際商標登録出願日 2009年(平成21年)8月7日(事後指定)
設定登録日 平成22年7月16日
イ 国際登録第1092552号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の態様 別掲のとおり
指定商品 第14類、第18類及び第25類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の商品
国際商標登録出願日 2012年(平成24年)4月10日(事後指定)
設定登録日 平成25年11月1日
(2)商標法第4条第1項第11号について
ア 本件商標は、「BONOBOS」の文字からなるから、これより「ボノボス」「ボノボズ」の称呼を生じる。そして「BONOBO」は「ボノボ、ピグミーチンパンジー、コンゴに生息する類人猿」の意味を有する名詞であり(甲4)、本件商標は、該名詞に複数形を表す「S」がついたに過ぎないため、「コンゴに生息する類人猿のボノボ」の観念を生じる。
引用商標1は、「BONOBO」の文字からなるから、これより「ボノボ」の称呼を生じ、「コンゴに生息する類人猿のボノボ」の観念を生じる。
引用商標2は、欧文字「BONOBO」及び6個の連なる円の図形からなるから、これより「ボノボ」の称呼を生じ、「コンゴに生息する類人猿のボノボ」の観念を生じる。
本件商標と引用商標の類否を検討すると、外観については、両者は語頭から6文字目までの「BONOBO」の文字を共通にし、語尾の「S」の有無に差があるに過ぎないから、両者は外観が類似する。
称呼については、両者は「ボノボ」の音を共通にし、異なるところは語尾の「ス」又は「ズ」の有無のみである。そして強く発音される「ボノボ」に対して、「ス」「ズ」の音は響きの弱い音で、聴取されがたい語尾に位置するから、「ス」又は「ズ」の有無が称呼全体に及ぼす影響は決して大きくなく、それぞれを一連に称呼するときは、両称呼は相紛らわしく、互いに聞き誤るおそれがあるといえる。
さらに観念については、両商標とも「コンゴに生息する類人猿のボノボ」の観念を生じる。
よって、本件商標と引用商標とは外観、称呼、観念のいずれにおいても類似する商標である。
イ 本件商標の指定商品及び指定役務と引用商標の指定商品とは、同一又は類似である。
したがって、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当する。
3 当審の判断
(1)本件商標は、上記1のとおり「BONOBOS」の文字を標準文字で表してなり、その構成文字に相応して「ボノボス」「ボノボズ」の称呼を生じるものである。
そして、たとえ「BONOBO」の文字(語)が「コンゴに生息する類人猿(ボノボ)」を意味する英語であるとしても、該語及び該類人猿(ボノボ)の我が国における認識の程度からすれば、本件商標は、看者をしてこれが英語の「BONOBO」に複数形を表す「S」を付したものと認識させるというより、むしろ、全体が特定の意味及び観念を有しない造語と認識させものと判断するのが相当である。
(2)他方、引用商標1は、上記2(1)アのとおり「BONOBO」の文字からなり、その構成文字に相応して「ボノボ」の称呼を生じ、該語及び類人猿(ボノボ)の我が国における認識の程度からすれば、特定の観念を生じない造語と認識させるものと判断するのが相当である。
また、引用商標2は、別掲のとおり、6個の連なる円のそれぞれに「BONOBO」の各文字を一文字ずつ配した構成からなるものであるから、これより「ボノボ」の称呼を生じ、引用商標1と同様に特定の観念を生じないものと判断するのが相当である。
(3)そこでまず、本件商標と引用商標1とを比較すると、両者は外観において、語尾の「S」の文字の有無に差異を有するものの、いずれの書体にも特徴がなく、全体としてやや紛らわしいものといえる。次に称呼においては、両者は語尾音「ス」又は「ズ」の有無に差異を有し、両者の4音と3音という短い称呼においては、該差異が称呼全体に及ぼす影響は少なくなく、両者をそれぞれ一連に称呼しても相紛れることなく容易に聴別し得るものというのが相当である。また、観念においては、両者は特定の観念を生じないから相紛れるおそれはない。
そうとすれば、本件商標と引用商標1とは、外観においてやや紛らわしいとしても、称呼及び観念においては相紛れるおそれのないものであるから、両者の外観、称呼、観念等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は相紛れるおそれのない非類似の商標と判断するのが相当である。
次に、本件商標と引用商標2とを比較すると、両者は、外観において、前者が標準文字で表されているのに対し、後者は6個の連なる円内に「BONOBO」の文字が配されているという顕著な差異を有するから、明瞭に区別できるものである。さらに、称呼及び観念においては上記と同様に両者は相紛れるおそれのないものである。
そうとすれば、本件商標と引用商標2とは、外観、称呼、観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
したがって、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するものとはいえない。
(4)以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
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