Trademark Appeal Case
悪意の商標登録の判断
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2013−900309(T2013−900309/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5589038号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成25年1月24日に登録出願され、第25類「帽子,被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同年5月23日に登録査定、同年6月7日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
2 登録異議申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、その申立ての理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第26号証を提出した。
(1)引用商標
申立人は、本件商標が商標法第4条第1項第7号に該当するとして引用する登録商標は、以下のとおりである。
登録出願2013ー69335号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成よりなり、平成25年9月5日に登録出願、第25類「帽子,その他の被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品とするものである。
(2)商標法第4条第1項第7号について
本件商標は、申立人が我が国において商標登録していないことを奇貨として、申立人の我が国市場への参入を阻止するか、又は申立人に法外な対価にて高く買い取らせるなどの不正な目的で登録出願し権利化を図ったものと容易に推認できるものであるから、明らかに剽窃的な登録出願であり、公序良俗に反するものである。
ア 本件商標は、黒地の四角形内の上端及び下端の付近に2本の平行な直線を白抜きに表し、その2本の直線の内側に「B」、「&」、「C」の文字及び記号をいわゆるモノグラム風に目立つ態様で白抜きに書してなるという極めて特徴のある構成であるのに対し、引用商標もこれとほぼ同一の構成からなる点で、偶然の一致とは到底認め難い。
イ 申立人は、主に被服の製造販売を手がけるベルギー法人であり、自社のウエブサイトを開設して、同ウエブサイト上において少なくとも2008年頃から引用商標と同一の商標の使用を開始したものである。
また、申立人は、インターネット・アーカイブ・デジタル・ライブラリを利用して自社のウエブサイトの過去の状況を調べたところ、宣誓書(甲3)に添付のとおり、引用商標と同一の商標が2010年9月17日の時点において、自社のウエブサイト上において使用されていることが確認できたものである。
したがって、商標権者は、本件商標の登録出願日より前に、各種検索エンジン等を利用して、引用商標と同一商標の存在を容易に知り得る状況にあったことになる。
ウ よって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に違反して登録されたものである。
3 取消理由通知
当審において、平成26年7月23日付けで、商標権者に対し通知した取消理由は、要旨以下のとおりである。
商標法第4条第1項第7号該当性について
(1)申立人の提出に係る証拠及び申立人の主張によれば、以下の事実が認められる。
ア 申立人は、自社のウェブサイト上において、引用商標を本件商標の登録出願前である2010年9月17日から使用している(甲3及び甲26)。
イ 2008年ないし2012年の申立人商品カタログには、引用商標が付されており、Tシャツ、ポロシャツ、スウェットシャツ、ワイシャツ、ブラウス、ジャケット等(以下「申立人商品」)が掲載されている(甲21ないし甲25)。
ウ 申立人商品は、2010年から2012年の間、オーストリア、フランス、イタリアを始めとする欧州の26か国において販売され、取引されている(甲18及び甲19)。
エ 申立人の2011年当時のウェブサイトには、引用商標の表示及び申立人商品の紹介がある(甲22)。
(2)以上からすると、引用商標は、申立人の業務に係る申立人商品を表示するものとして、本件商標の登録出願日(平成25年(2013年)1月24日)以前の2008年頃から現在に至るまで主に欧州諸国で使用された結果、本件商標の登録出願時及び登録査定時には既に、欧州において取引者、需要者の間に相当程度認識されていたものというべきである。
また、我が国においても申立人に関するウェブサイトがあり(http://www.bc-collection.eu/en/)、引用商標が表示され、また、申立人商品の紹介がなされている。
(3)本件商標と引用商標との同一性について
本件商標は、別掲1のとおり、黒色四角形内の上下に白抜きの横線を配し、その中央に「B」、「&」及び「C」の白抜き文字(真ん中の「&」をやや上方に配してなる。)を結合させた図形の下に「COLLECTION」の欧文字を白抜きで表してなるものである。
他方、引用商標は、別掲2のとおり、本件商標とほぼ同一の構成からなる商標といい得る。
また、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とは、前記1及び2(1)のとおり、同一又は類似の商品といえるものである。
(4)まとめ
以上のとおり、引用商標は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして欧州の需要者の間に相当程度認識されていると推認できるところ、本件商標は、引用商標と前記特徴ある図形と文字からなる同一の商標といえることから、本件商標を採択する際、引用商標と偶然一致したものとはいい難く、その存在を知り得て本件商標を採択したものと推認できることを総合すれば、本件商標の商標権者は、引用商標が我が国において商標登録されていないことを奇貨として、先取り的に商標登録出願し、商標権を取得したものとみるのが相当である。
してみれば、本件商標の商標権者が本件商標を商標登録出願し商標権を取得した行為は、公正な商取引の秩序を乱すおそれがあり、ひいては公の秩序を害するおそれがあるものといわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に違反して登録されたものである。
4 商標権者の意見
商標権者は、前記3の取消理由に対し、登録出願の経緯について述べ、取消理由通知について反論がない旨述べている。
5 当審の判断
本件商標についてした前記3に記載の取消理由は、妥当なものと認められ、また、商標権者は、実質的に反論がないと述べている。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に違反して登録されたといわざるを得ないから、本件商標の登録は、同法第43条の3第2項の規定により、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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