結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2013−301079(T2013−301079/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第5256374号商標(以下「本件商標」という。)は、「ウイルスガード」の文字を横書きしてなり、平成20年12月5日に登録出願、第5類に属する「抗菌薬剤」を指定商品として、同21年8月14日に設定登録されたものである。
なお、本件審判の請求の登録は、平成26年1月8日にされたものである。
請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、請求の理由として、本件商標は、その指定商品について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定によりその登録は取り消されるべきである旨主張している。
なお、請求人は、被請求人の答弁に対し弁駁していない。
被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べている。
(1)本件商標の使用について、商標権者であるダイワエンタープライズ株式会社(以下「ダイワエンタープライズ」という。)は、その100%子会社であるダイワコーポレーション株式会社(東京都中野区東中野1丁目50番4号)(以下「ダイワコーポ」という。)に本件商標の通常使用権を付与している(乙第2号証)。
(2)ダイワコーポは、同社が販売する「除菌スプレー」に本件商標を付して、商標法第2条に定められている商標の使用(以下「使用」という。)をしており、本件商標の登録を得た平成21年から、請求人の主張する直近3年間(以下「本件期間」という。)を含み現在に至るまで、継続して本件商標を使用し続けている。
よって、本請求は、成り立たない。以下、理由を証明する。
ア ダイワコーポが本件商標を付した除菌スプレー(以下「本件商品」という。)の様態等を示す(乙第3号証の1〜3)。乙第3号証の1は、本件商品の写真である。乙第3号証の2は、本件商標が使用されている本件商品のラベルである。そのほか、乙第3号証の3として、本件商品が抗菌薬剤であることを示すため、インフルエンザ及びレジオネラ菌に対する除菌の有効性が証明された、特定非営利活動法人バイオメディカルサイエンス研究会の報告書(写し)を添付した。当該報告書に、VGスプレーとあるのが本件商品である。
イ ダイワコーポによる本件商標の使用経過を示すために、本件期間以前の平成21年度から、ダイワコーポが本件商標を使用していたことを証する新聞広告及びパンフレットの写しを示す(乙第4号証の1及び2)。
ウ ダイワコーポが現在保有している本件商品の在庫様態を写真で示す(乙第5号証)。
エ 本件商標は、本件商品について、本件期間を含み現在に至るまで、ダイワコーポが運営する施設である岩盤浴サロン・アイロック中野本店(〒164-0001東京都中野区中野4丁目4番4号第12南日本ビル3階)と同国立店(〒186-0002東京都国立市東1丁目16番17号ポポロ南館4階)において、継続して使用されている。
オ 上記岩盤浴サロン・アイロックの両店舗においては、本件商品の在庫を常時保持し、概ね次の3通りの用途に使用されている。
(ア)店舗のフロント及びトイレ内に、説明ポップの掲示と共に本件商品を展示し、客が自由に除菌用に本件商品を使用できるようにしている。
(イ)上記ポップを見て、本件商品を求める客がいれば、フロントにて販売している。
(ウ)本件商品を、客の来店を勧誘する販売促進品として使用している。
カ 上記オの各項について、岩盤浴サロン・アイロック中野本店(以下「アイロック」という。)を例に具体的に説明する。
(ア)本件商品の説明ポップ及び客の自由使用に供する本件商品の店内展示の状況を示す(乙第6号証の2〜4)。第6号証の2は、フロントにおける状況を示し、フロント風景の写真の中央にあるカウンターの奥に、本件商品の説明ポップの展示があり、傍に客の自由使用に供する本件商品が置いてある。該写真にあるとおり、フロントの後ろの棚には常時数本の本件商品の在庫が置かれている。2箇所あるトイレの右側のトイレにおいて、本件商品の説明のポップと共に、トイレットペーパーのロールホルダーの上に、本件商品が、除菌用として客の自由使用に供されている(乙第6号証の3)。左側のトイレでも右側と同様に本件商品が使用されている(乙第6号証の4)。
(イ)本件商品を店内にて販売していることを証する。本件商品は、アイロックにて割引販売されている(乙第6号証の2〜4)。本件期間内に、ダイワコーポが運営するアイロックにて、本件商品が販売された証拠を提示する(乙第7号証及び第8号証)。
アイロックが本件商品を販売した記録が、日計表にあるので提出する。乙第7号証の1は、アイロックからダイワコーポの本社事務所にファックスされた2013年(平成25年)2月18日の日計表である。ファックスには、本件商品を販売した記録として、「ウイルスガード」なる本件商標の記載が感熱紙ファックスに記録され、明白にされている。乙第7号証の2は、当該本件商品を当日購入した客の受注履歴であり、当該受注履歴上に、上記ファックスの日付および内容と正確に一致して本件商品の購入記載がある。
当該顧客の受注履歴(乙第7号証の2)を見ると、前年の2012(平成24年)年11月15日にも本件商品を購入した記録がある。他にも本件期間中に本件商品を購入した記録があったので、乙第8号証として提出する。乙第8号証の1は、上記乙第7号証と同様に、アイロックからダイワコーポの本社事務所にファックスされた2013年(平成25年)11月9日の日計表である。ファックスには、本件商品を販売した記録として本件商標の書き込みが2箇所になされている。乙第8号証の2は、当該本件商品を当日購入した客の受注履歴である。受注履歴上に、上記ファックスの日付および内容と正確に一致して本件商標の記載があり、本件商品が購入されたことが確認できる。
キ 販売促進品としての用途に関して、本件商品がダイワコーポの運営するアイロックにおいて、本件期間中に、顧客の再来店促進用キャンペーンに使用されたことを証するため、ダイレクトメールはがき(乙第9号証の1)及び当該ダイレクトメールキャンペーンの結果集計表(乙第9号証の2)を添付する。当該キャンペーンでは、本件商品の販売は行われていないが、集計表の第2頁に見られるとおり、本件商品を使用したダイレクトメールにより、526人の客が本件商品を受け取りに当該店舗に来店し、その中の127名が回数券を購入している。回数券購入の平均客単価は、一人当たり約10,000円である。よって、本キャンペーンにおける本件商品の販売促進を目的とした使用は、商標法上の使用に該当するものと解釈される。
ク 上記のとおり、本件商標は、ダイワコーポによって、本件期間内に使用されているので、本件審判請求は成り立たない。
(1)被請求人は、その子会社であるダイワコーポによる本件商標の使用を主張するものであり、乙第10号証及び乙第11号証をもって、本件商標の通常使用権が、被請求人とダイワコーポの双方の合意に基づいていること、及び、本件審判の請求の登録前3年以内(以下「要証期間内」という。)に許諾されていることを示す。
(2)被請求人は、ダイワコーポの運営するアイロックにおいて、本件商標が使用されていると主張するものであり、乙第12号証及び乙第13号証をもって、ダイワコーポとアイロックが同一人であることを示す。
(3)被請求人は、本件商標について、商標法第2条第3項第1項第1号に係る使用が要証期間内にされたとの主張はしない。本件商品は、要証期間内以前に生産されたものであるが、被請求人の主張は、上述のとおり、商標法第2条第3項第2号及び8号に係るものである。
(4)アイロックにおいて、要証期間内に本件商標を付した商品を購入したことを証する記録が新たに2件見つかったので、商標法第2条第3項第2号に係る使用に該当するものとして、各々の購入記録を提示する(乙第16号証及び乙第17号証)。
各々の日計表の商品売上げ欄に「Agスプレー」と記入されているのが本件商品であり、乙第18号証のとおり、本件商品のラベルの表面の中央に主成分「ナノ Ag」の表記があるので、本件商品を「Agスプレー」と記すこともある。
(5)アイロックの店舗内において、本件商品を割引価格にて販売していることを展示しているポップの写真には、本件商標が付されており(乙第19号証)、商標法第2条第3項第2号及び8号に係る使用がなされている。写真の撮影者及び撮影の時期については、撮影者と撮影時期の報告書、及び、撮影されたものが要証期間内のものと同一である確認書を提出する(乙第20号証)。
被請求人の提出に係る証拠によれば、次の事実を認めることができる。
(1)乙第3号証の1は、商品(以下「使用商品」という。)の写真であり、また、乙第3号証の2は、使用商品の包装容器に貼付されているラベルであって、次の記載がある。
ア 使用商品の包装容器に貼付されたラベル(ラベルの左側)には、上部に「ウイルス」の文字と「ガード」の文字が2段に横書きされ、中央には、「ナノ」の文字と「AG」の文字が2段に横書きされ、下部には「除菌・抗菌性」の文字と「パワーアップ!」の文字が2段に横書きされている。
イ 使用商品の包装容器に貼付されたラベル(ラベルの右側)には、上部に「ウイルスガード」の文字と「ナノAgスプレー」の文字が2段に横書きされ、中央には、「○ウィルスガードは、最新のナノテクノロジーによりナノ(10億分の1)レベルの銀(Ag)超微粒子を天然植物抽出溶液に分散させたものです。○ウィルスやバクテリア、カビ等の単細胞生物だけに除菌効果を発揮します。(中略)【使用方法】○マスク、ハンカチ、手袋、衣類、身の回りの品など除菌・抗菌したい物にスプレーします。(後略)」と記載され、下部には、「名称:銀超微粒子分散水溶液 内容量:80ml」、「販売者:(株)ダイワコーポレーション」及び「東京都中野区東中野1−50−4」と記載されている。
(2)乙第11号証は、ダイワエンタープライズを甲とし、ダイワコーポを乙とする平成21年(2009年)9月1日付けの甲の所有に係る本件商標に関する「商標通常使用権許諾契約書」であるところ、次のア及びイの事項の記載がある。
ア 第1条(通常使用権の許諾)の1項として、「甲は本商標の通常使用権を乙に許諾する。」こと、同じく第2項として、本商標の内容は、「商標登録番号第5256374号」、「商標の称呼『ウイルスガード』」及び「商品及び役務の区分『第5類』」とすること。
イ 第2条(通常使用権の範囲)として、本商標の通常使用権の範囲は、「許諾地域 日本全国」、「使用許諾期間 平成21年8月14日から平成24年8月3日まで」及び「内容 本件商標を商品及び商品に関連した宣伝・広告並びに販売促進物に使用すること。」である。
(3)乙第12号証は、ダイワコーポに対する平成16年9月17日付け「公衆浴場営業許可書」であるところ、そこには、「施設の名称」を「アイロック」、「施設の所在地」を「東京都中野区中野4丁目4番11号NKビル3階」とするなどの記載がある。
(4)乙第6号証3及び4は、トイレ内に置かれた使用商品と壁に貼られた使用商品に関する広告の写真であり、広告には次の記載がある。
「ウイルスからあなたをガードする除菌スプレー」、「ウイルスガード」、「天然針葉樹エッセンス配合」、「フロントにて発売中」及び「2,000円⇒1,000円」
(5)乙第16号証の1及び2
ア 乙第16号証の1は、本件商品の販売記録(ファックスの写し)であると認められるところ、「3月6日火曜日」、「−Rock中野店 日計表」、「商品売上 (人数)1 (金額)Agスプレー 1000」及び「発信元:i−Rock(中略)2012.3.6 20:52 P.1」の記載がある。
イ 乙第16号証の2は、本件商品の受注履歴であるところ、「受注履歴
」、「(受注日)2012/03/06 (商品コード)D008 (商品名)ウイルスガード (数量 単位)1個 (単価)1,000 (売上金額)1,000 (売上日)2012/03/06 (入金日)2012/03/06」の記載がある。
(1)使用商標について
本件商標は、前記第1のとおり、「ウイルスガード」の片仮名を横書きしたものである。
他方、上記1(1)ア及びイのとおり、使用商品の包装容器に貼付されたラベル(ラベルの左側)には、「ウイルス」と「ガード」の片仮名の二段による横書きで、また、該ラベル(ラベルの右側)には、上部に一段による横書きで、それぞれ「ウイルスガード」の片仮名からなる商標(以下「使用商標」という。)が確認できる。
そして、本件商標と使用商標は、行数や書体が多少異なるとしても、「ウイルスガード」の文字からなるものと認識し、把握されるものであるから、使用商標は、本件商標と社会通念上同一の商標と認められる。
(2)使用商品について
使用商品は、上記1(1)イによれば、マスク、ハンカチ、手袋、衣類、身の回りの品などに使用するスプレータイプの「除菌・抗菌剤」であることが確認できるものであり、「抗菌剤」は、本件審判の請求に係る商品「抗菌薬剤」の範ちゅうに属する商品と認められる。
(3)本件商標の使用について
ア 上記1(1)のとおり、使用商品の包装容器に貼付されたラベル(ラベル右側)に、「販売者」として、ダイワコーポの名称及び住所が記載されていることが確認できる。
イ 上記1(2)のとおり、本件商標の権利者であるダイワエンタープライズとダイワコーポとの間において、ダイワエンタープライズの所有に係る本件商標について、平成21年(2009年)8月14日から平成24年(2012年)8月3日まで、ダイワコーポに対して通常使用権を許諾する旨の契約が締結されていたことが確認できるから、当該期間において、ダイワコーポは、本件商標の通常使用権者と認められる。
ウ 上記1(3)のとおり、ダイワコーポに対して、名称を「アイロック」とする公衆浴場の営業が許可されていることが確認できるから、「アイロック」の運営者はダイワコーポであると認められる。
エ 上記1(5)の記載によれば、ダイワコーポが運営する「アイロック」において、2012年3月6日に、使用商品が販売されたと認められる。
オ 以上アないしエを総合勘案すると、本件商標の通常使用権者であるダイワコーポは、ダイワコーポの運営する「アイロック」において、本件商標の通常使用権の設定期間内である2012年(平成24年)3月6日に、使用商品を販売したと認めることができる。
(4)使用時期について
上記(3)オにおいて、使用商品の販売日とした2012年(平成24年)3月6日は、要証期間内に該当するものである。
(5)小括
上記(1)ないし(4)によれば、本件商標の通常使用権者であるダイワコーポは、本件審判の請求の登録(平成26年1月8日)前3年以内である平成24年3月6日に、その請求に係る指定商品の範ちゅうに属する商品「抗菌剤」に本件商標と社会通念上同一の商標を付した当該商品を譲渡したと認められる。
以上のとおりであるから、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、通常使用権者が、その請求に係る指定商品について、本件商標と社会通念上同一の商標の使用をしていたことを証明したということができる。
したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その請求に係る指定商品についての登録を取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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