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Trademark Appeal Case

髪の病院の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2013−22326(T2013−22326/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は,成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は,「髪の病院」の文字を標準文字で表してなり,第44類「美容,理容」を指定役務として,平成24年2月23日に登録出願されたものである。

2 原査定の理由

原査定は,「本願商標は,『髪の病院』の文字を表してなるものところ,その指定役務を取り扱う業界においては,理髪やパーマネントのみならず,傷んだ髪を修復したり,健康な髪に回復させるためのアドバイス等の,積極的に健康な髪にするためのサービスを提供していることが認められ,その際に『髪の病院』の文字が多数使用されているものである。そうとすると,本願商標は,これをその指定役務に使用しても,これに接する需要者は,髪の修復や回復のアドバイス等を提供する美容院又は理容院であることを認識するにとどまり,何人かの業務に係る役務であることを認識することができないものというのが相当である。したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定,判断し,本願を拒絶したものである。

3 当審における証拠調べ通知

当審において,本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するか否かについて,職権による証拠調べをした結果,本願の指定役務について,「髪の病院」の文字が使用されている別掲のとおりの事実を発見したので,商標法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき,請求人に対し,平成26年6月12日付けで証拠調べ通知書を送付した。

4 請求人の意見

前記3の証拠調べ通知に対し,請求人は,平成26年6月27日受付の意見書において,要旨以下のように主張した。

(1)本願商標の構成中の「病院」の文字は,「患者を収容し,医師または歯科医師が診察・治療を行う施設。医療法では入院用ベッド数が20以上あるものをいい,19以下のものを診療所とする。」(デジタル大辞泉)の非常に明確な概念を表す語である。

(2)「髪の病院」の語が,「髪を治療する施設」程の意味合いを暗示させる場合が例えあったとしても,「病院」の語は,非常に明確な概念を有し,上記において暗示する「髪を治療する施設」の「施設」を「病院」で置き換えるのは無理があるというべきである。

「髪を治療する施設」には,入院用ベッドもないし,医師または歯科医師もいないので,現実的には有り得ない欺瞞的表現であるので,「髪の病院」を用いた理由を敢えて探れば,「自分の美容院は髪を治療する病院のような施設」であり,自分は医者のようにお客様に接していきたいという思いを込めたものと思われる。

したがって,「髪の病院」を屋号のように使用することは許されるとしても,「髪の病院」の意味合いは,説明すれば説明する程,辻褄が合わなくなる。

(3)インターネット情報において,内容の裏付ける個所は「髪の病院●●●」であるものの,「髪の病院●●●」全体が美容室店名(屋号)を表したもので,「髪の病院」の語の意味合いは,ほのめかすとか暗示させるとかの記載はあり得ても,具体的に,かつ,特定できるようには,何処にも記載がない。

「髪の病院」からは,「髪の治療や手入れをコンセプトとする美容院や理容院」の意味合いを暗示させたとしても,ただちに想起するものとはいい難い。

(4)本願商標は,その指定役務との関係において,役務の説明,宣伝,広告等を直接的,具体的に表したものとはいい難く,役務の提供促進を図る一種の宣伝文句として需要者に認識されるということはできない。

そして,請求人側において調査するも,その指定役務を取り扱う業界において,「髪の病院」の文字が,説示の意味合いを表すものとして,又は,役務の宣伝文句を表すものとして,取引上普通に使用されている事実を発見できなかった。

そうとすれば,本願商標は,その指定役務について使用しても,役務の質(内容)を表示することはなく,また,役務の質(内容)について誤認を生ずるおそれもないものであるから,商標法第3条第1項第6号に該当しない。

5 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第6号該当性について

本願商標は,「髪の病院」の文字を標準文字で表してなるところ,その構成中,「病院」の文字は,「病人を診察・治療する施設。」(広辞苑第六版)の意味を有する語であることから,「髪の病院」の文字からは,「髪を治療する施設」程の意味合いを理解させるものである。

そして,「髪の病院」の文字は,別掲のとおりのインターネット情報によれば,例えば,「一人ひとりの髪質と状態に合わせてトリートメントを調合し,髪そのものを治療。髪のパサつきなど,何でも気軽に相談することができる。」,「髪の病院をコンセプトにトリートメントなどヘアケアに力を入れ」,「髪の美しさを徹底的に追及するトリートメント重視サロンです。1人1人の髪質やダメージに合せた数種類のトリートメントメニュー」などのように,「髪の手入れ(ヘアケア)」に重きを置いた美容や理容の役務の提供を行う店であることを謳ったり紹介したりする文言と一緒に使用されており,また,同時に,店名と共に表示される等,複数の事業者により使用されている実情を窺い知ることができるものである。

かかる実情からすれば,「髪の病院」の文字からは,その指定役務である美容や理容との関係において,「髪の手入れ(ヘアケア)に重きを置いて傷んだ髪を治療する施設(美容院や理容院)」という程の意味合いを理解,認識させるものであって,美容や理容の役務の提供の特徴やコンセプトを表したものと理解,認識させるにすぎず,該文字からなる本願商標は,これをその指定役務に使用しても,需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができないものと認められる。

したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第6号に該当する。

(2)請求人の主張について

請求人は,「『髪の病院』の語の意味合いは,ほのめかすとか暗示させるとかの記載はあり得ても,具体的に,かつ,特定できるようには,何処にも記載がない。『髪の病院』からは,『髪の治療や手入れをコンセプトとする美容院や理容院』の意味合いを暗示させたとしても,ただちに想起するものとはいい難い」旨,及び「本願商標は,その指定役務との関係において,役務の説明,宣伝,広告等を直接的,具体的に表したものとはいい難く,役務の提供促進を図る一種の宣伝文句として需要者に認識されるということはできない」旨の主張をしている。

しかしながら,別掲のとおり,本願指定役務の提供者である美容院が,「髪の病院」との表示を一般に採択し,使用しているものであり,これらの情報の記載内容を勘案すれば,「髪の手入れ(ヘアケア)に重きを置いて傷んだ髪を治療する施設(美容院や理容院)」という程の意味合いを表すものと理解,認識させるといい得るものである。

そして,「髪の病院」の文字は,複数の事業者により,その「店名」と共に表示されることからすれば,役務の出所を表示する部分は,「店名」であって,該文字部分は,その役務の特徴やコンセプトを表すものと理解,認識させるものということができる。

よって,請求人の主張は,採用することができない。

(3)まとめ

以上のとおり,本願商標は,商標法第3条第1項第6号に該当するものであるから,これを登録することはできない。

よって,結論のとおり審決する。

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