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Trademark Appeal Case

品質表示の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2013−23737(T2013−23737/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は,成り立たない。

理由テキスト

第1 本願商標

本願商標は,別掲1のとおりの構成からなり,第30類「だしつゆ」を指定商品として平成25年1月8日に登録出願されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は,「本願商標は,商品の普通名称と認められる『つゆの素』に通じる『つゆの素』(「素」の文字の側面に小さくその読みを特定した「もと」の文字を配している。)の文字を表してなり,その構成中の『つ』の文字を多少デザイン化し,さらに,『素』の文字を『くずし文字』で表しているものの,この程度の文字のデザイン化は,特異のデザイン化とは認められず,全体として普通に用いられている域を脱しているものとは認められない。そして,本願指定商品との関係において,本願商標よりは『つゆの素』又は『そのまま又は薄めて使用できるだしつゆ』程の意味合いを理解させるものといえる。そうとすると,本願商標をその指定商品に使用しても,本願商標に接する取引者・需要者は,上記意味合いを認識するに止まるから,本願商標は,単に商品の品質を表示するにすぎないものと認める。したがって,本願商標は,商標法3条1項3号に該当する。また,出願人は,使用状況を説明しているが,これによれば,本願商標の使用は『にんべん』又は他の文字と組み合わされた使用であって,本願商標のみの使用とは認められず,その他出願人の主張及び使用状況説明書を総合してみても,本願商標それ自体が自他商品の識別標識としての機能を有するに至ったものということはできない。」旨認定,判断し,本願を拒絶したものである。

第3 当審の判断

1 商標法3条1項3号該当性について

本願商標は,別掲1のとおり,「つゆ」の文字を縦書きし,「ゆ」の文字の左下にやや小さく「の」の文字を書し,その左に「素」の字を崩し書きで書し,「素」の字の右側に,極めてちいさく「もと」の文字を縦書きしてなる(いずれの文字も筆書き風に書されている。)ものであるところ,「つゆの素」の語は,別掲2に示すとおり,多数の者によって,「つゆの素」,すなわち「そのまま又は薄めて使用できるつゆ」を指称するものとして,広く一般に使用されている。

また,本願商標の構成中「素」の文字は,崩された字で表わされているが,別掲3に示すとおり,本願商標の指定商品を含む調味料の分野において,文字を崩し書きで書すことは頻繁に行われていることからすれば,本願商標は,全体としても,いまだ普通の域を脱しない方法で表示してなるものというべきである。そして,このことは,本願商標の構成中の「素」の文字が,「つゆの」の文字に続いて書されていること,「もと」の文字が「素」の文字のふりがなとして認識し得ること,さらに,別掲2に示すとおり,つゆ類の分野において,「つゆの素」の語が広く一般に使用されていることからも,本願商標に接する取引者,需要者は,本願商標が「つゆの素」の文字を書しているものと容易に認識するといえるものである。

請求人は,この点に関し,本願商標は,(1)「つ」の文字の書き出しの部分に1角の点が設けられていること,(2)「素」の文字が「もと」と読むのが困難であるほどに崩れた態様で表されていること,(3)「つゆ」「の」及び「素」の各文字が3行に分けて描かれているとも認識できる点で,極めて独特なデザインであると主張する。

しかしながら,「つ」の文字についても,別掲4の(1)ないし(4)のとおり,つゆ類の分野において,さまざまなデザインが採用されており,かつ,書き出しの部分に1角の点が設けられたデザインについても,別掲4の(5)ないし(7)のとおり採用されている。また,崩し書きの文字が,同分野において種々採用されていることはすでに示したとおりであり,全体の文字を複数行にわたって描かれているかのように表すことについても,別掲4の(8)ないし(11)のとおり採用されていることからすれば,結局,本願商標の表示の方法は,独特のデザインによるものということはできず,いまだ普通の域を脱していないというのが相当である。

そうすると,本願商標をその指定商品に使用しても,これに接する取引者,需要者は,「つゆの素」,すなわち「そのまま又は薄めて使用できるつゆ」を認識するにとどまるものであるから,本願商標は,商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものである。

したがって,本願商標は,商標法3条1項3号に該当する。

2 商標法3条2項について

請求人は,仮に,本願商標が商標法3条1項3号に該当するとしても,本願商標は,長年にわたって,請求人の業務に係る商品「だしつゆ」に使用された結果,需要者が請求人の業務に係る商品であることを認識することができるに至っているから,商標法3条2項により,登録されるべきである旨主張し,原審における平成25年1月18日付け物件提出書,当審における平成25年12月27日付け手続補足書を提出している。

これらによれば,請求人は,「だしつゆ」について,本願商標を,「鰹節にんべんの」や「にんべん」の文字と共に,長年にわたって使用していることが認められる。

しかしながら,別掲2のとおり,「つゆの素」の語は,請求人以外にも,多数の者が,「つゆの素」,すなわち「そのまま又は薄めて使用できるつゆ」を指称するものとして,広く一般に使用しているものであるから,本願商標のみでは,これに接する需要者は,請求人の業務に係る商品なのか,ほかの者の業務に係る商品なのか,把握することができないというべきであり,本願商標の使用方法のように,「鰹節にんべんの」や「にんべん」の文字があってはじめて,請求人の業務に係る商品であると認識することができるにすぎないというべきである。

したがって,本願商標は,これが使用された結果,需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるに至ってはいないというのが相当である。

3 結語

以上の次第であるから,本願商標は,商標法3条1項3号に該当するものであり,また,使用をされた結果,需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるものではないから,これを登録することはできない。

したがって,本願商標が商標法3条1項3号に該当し,かつ,自他商品の識別標識としての機能を有するに至ったものということはできないとして本願を拒絶した原査定は,取り消すことができない。

よって,結論のとおり審決する。

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