結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 無効2004−89013(T2004−89013/J3) |
|---|---|
| 審判種別 | 無効 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4739796号商標(以下「本件商標」という。)は、「SYMRISE」の欧文字を標準文字で表してなり、平成15年2月14日に登録出願、第1類「化学品」、第3類「せっけん類,植物性天然香料,動物性天然香料,合成香料,調合香料,精油からなる食品香料,薫料,化粧品,歯磨き,家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用漂白剤,洗濯用柔軟剤」、第30類「コーヒー及びココア,コーヒー豆,茶,みそ,ごま塩,食塩,すりごま,セロリーソルト,化学調味料,香辛料,食品香料(精油のものを除く。)」、第32類「ビール,清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,ビール製造用ホップエキス」、第33類「洋酒,果実酒」及び第42類「医薬品・化粧品又は食品の試験・検査又は研究,化学に関する研究,化学に関する試験・検査又は研究」を指定商品及び指定役務として、同15年12月3日に登録査定がなされ、同16年1月9日に設定登録されたものである。
請求人が本件商標の登録の無効の理由として引用する登録第4208026号商標(以下「引用商標」という。)は、「SUNRISE」の欧文字と「サンライズ」の片仮名文字とを二段に横書きしてなり、平成9年1月13日に登録出願、第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」を指定商品として、同10年11月6日に設定登録されたものであり、現に有効に存続しているものである。
請求人は、本件商標の指定商品及び指定役務中、第33類「洋酒,果実酒」についての登録を無効とする、審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし同第9号証の2(枝番を含む)を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号違反について
本件商標と引用商標とは、上記の通りのものであるところ、この両商標を比較検討するに、本件商標を構成する「SYMRISE」の欧文字と引用商標を構成する文字中、上段の「SUNRISE」の欧文字は、ともに7文字からなるうち語頭の「S」の文字と4文字目からの「R」「I」「S」「E」の文字の計5文字を同じくするものであって、僅かに2文字目と3文字目の2文字を異にするにすぎないものであるから、それぞれの外観は彼比相紛らわしいものであり、また、本件商標は「シムライズ」の呼称を生じ、引用商標は「サンラインズ」の呼称を生ずるものであることは明らかである。
しかして、前者の呼称「シムライズ」と後者の呼称「サンライズ」は、語頭に「シ」の音と「サ」の音の差異があるとしても、「シ」の音と「サ」の音はともに硬ロ蓋音の同種の音であり、第二音の「ム」の音と「ン」の音は鼻音である点を共通にし、後半の第3音ないし第5音の「ラ」「イ」「ズ」の3音を同じくするものであるから、それぞれを一気に呼称するときは彼此相紛らわしいものといわざるを得ない。
したがって、本件商標と引用商標はその外観及び呼称上、互いに類似する商標であるというべきものである。
そして、本件商標の指定商標中の第33類「洋酒,果実酒」は、引用商標の指定商品に含まれていることが明らかである。
してみると、本件商標の登録は、本件商標の指定商品中「洋酒,果実酒」については、商標法第4条第1項第11号に違反してなされたものであるから、取り消されるべきものである。
(2)商標法第4条第1項第15号違反について
請求人は、チリ国におけるワインの生産者であって、自己の生産に係るワインに「SUNRISE」の欧文字からなる商標を使用しており、この商標の登録を世界67ケ国に有している(甲第9号証)。そして、「SUNRISE」の商標を附したワインは、遅くとも西暦2000年以降に我が国に輸入されており、このことは、甲第3号証ないし同第8号証によっても明らかであって、ワインについての「SUNRISE」の文字からなる商標は、我が国の需要者の間に広く認識されるに至っているところである。
しかして、本件商標と引用商標が互いに類似する商標である理由は前述のとおりであるが、百歩譲って、本件商標と引用商標が類似しないものと仮定しても、本件商標を構成する「SYMRISE」の文字と引用商標を構成する文字中の「SUNRISE」の文字、すなわち、請求人が実際にワインに使用していて需要者間に広く認識されている商標の構成文字「SUNRISE」とは、前述のとおり、その外観が彼此相紛らわしいものといわざるを得ないものである。
したがって、本件商標は、これがその指定商品中の「ワイン」に使用された場合、これに接する需要者は、直ちに、請求人の商標「SUNRISE」を想起・連想し、請求人又は同人と組織的又は経済的に何等かの関係がある者の業務に係るものであるかのように、そのワインの出所について混同を生じさせるおそれがあるものといわざるを得ない。
してみると、本件商標の登録は、本件商標の指定商品中「洋酒,果実酒」については、商標法第4条第1項第15号に違反してなされたものであるから、取り消されるべきものである。
本件商標を構成する「SYMRISE」の欧文字と引用商標を構成する文字中の「SUNRISE」の欧文字は、ともに7文字からなるうち、語頭の「S」の文字と4文字目からの「R」「I」「S」「E」の5文字を同じくするものであるから、両者は、その外観が相紛らわしいものといわざるを得ない。また、本件商標の呼称「シムライズ」と引用商標の呼称「サンライズ」は、語頭の2音に「シム」の呼称と「サン」の呼称の差異があるとしても、後半の響きの強い3音「ライズ」を同じくするばかりでなく、両者は、ともに全体の語調を同じくするものであるから、互いの呼称も相紛らわしいものである。
したがって、本件商標と引用商標は、その外観及び呼称上類似するものであるというべきである。
また、引用商標が我が国の需要者間にも広く認識されるに至っていることは甲第6号証をはじめとして甲第3号証ないし同第5号証、甲第7号証、同第8号証によって立証されているといわざるを得ない。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べた。
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標と引用商標との外観上の類否については、文字商標が外観に比重をおいて他の商標との類否が検討されることは稀であり、本件も単に2文字を異にするといっても、「SYM」と「SUN」という前半部分に顕著な差異があり、特に、引用商標は「サンライズ」というその意味が広く知られた英単語としての印象が強く、たとえ、引用商標の欧文字部分が独立して使用されるとしても、外観上類似するものではない。
次に、両商標の称呼上の類否を検討するに、前者から「シムライズ」の称呼を生じ、後者から「サンライズ」の称呼を生ずることは否定しない。
しかしながら、「シ」と「サ」、「ム」と「ン」の比較ではなく、「シム」と「サン」が、あるいは「シムライズ」と「サンライズ」が聴別可能かどうかが問題である。
この観点から、両者が5音中後半の3音「ライズ」を共通にするとはいえ、前半部の「シム」と「サン」の差異は決定的で、しかも、引用商標は「日の出」という広く知られた観念も生ずることとも相侯って、両者を聴別することは充分可能である。
(2)商標法第4条第1項第15号について
請求人は、引用商標を付したワインは我が国の需要者の間に広く認識されているとして甲第3号証ないし甲第9号証を提出しているが、宣伝・広告費や実際に国内での販売実績等が提示されていないので、引用商標の著名性を判断することはできない。カタログやパンフレットもどの位配布されたものか不明であり、登録リストも単に当該国に登録されていることを示すにすぎず、実際に商品がそれらの国々に輸出されていることを意味しない。
したがって、甲第3号証ないし甲第9号証をもってしても、引用商標が著名であるとはいえず、上述のように、商標自体が互いに非類似であるから、本件商標と引用商標を付した商品間において出所の混同が生ずるおそれはない。
以上により、本件審判請求には理由がない。
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、「SYMRISE」の欧文字からなり、引用商標は、「SUNRISE」の欧文字と「サンライズ」の片仮名文字からなるものである。
ところで、請求人が本件商標の登録の無効を求めている商品は、指定商品中の第33類「洋酒,果実酒」であるから、その取引者・需要者は成人にして、英語(外来語)に関しても、一般的な需要者の平均的な知識を有する者として捉えることができる。
しかして、「SYMRISE」の語は、英語、仏語、独語を含めて特定の意味合いを有する成語としては見当たらないから、本件商標は造語と認められるものであり、請求人も主張しているように、「シムライズ」の称呼を生ずるものとみるのが相当である。他方、引用商標は、「日の出」の意味を有する英語(外来語)として広く知られている語であり、「サンライズ」の称呼を生ずるものである。
そして、一方が日頃見聞きしない造語であり、他方が言葉として広く知られている成語(熟語)である場合には、この語(言葉)についての認識の程度の差は、取引者・需要者が両商標の類否を判断する場合においても大きな影響を与えるものということができる。
そこで、両商標の類否について判断するに、上記したとおり、本件商標は造語と認められるものであるのに対して、引用商標は「日の出」の意味を有する英語(外来語)として広く知られている語であるから、両商標は、具体的な観念の比較はすべくもないが、語(言葉)としての認識の程度においては著しい差異があり、観念において、顕著な差異を有するものというべきである。
次に、本件商標から生ずる「シムライズ」の称呼と引用商標から生ずる「サンライズ」の称呼とを比較するに、この両称呼は、後半部分の「ライズ」の音を共通にするとはいえ、称呼における識別上重要な要素を占める語頭部分において、「シム」と「サン」の2音の差異を有するものである。しかも、上記したとおり、引用商標の「SUNRISE/サンライズ」の語は「日の出」を意味する語として知られているばかりでなく、相違音である「サン」の部分は、「太陽」を意味する語として極めて親しまれていることをも併せみれば、相違する「シム」と「サン」の音を聞き誤るおそれはないものというべきである。
また、請求人が主張しているように、「シ」と「サ」の音及び「ム」と「ン」の音を個別に対比しても、第2音目の「ム」と「ン」の音は、確かに、弱く響く鼻音ではあるが、語頭の「シ」と「サ」の音は、いずれの母音も澄んだ音として明瞭に発音・聴取される音であり、特に、「サ」の母音「a」は開放母音として、より一層明瞭に発音・聴取される音であることから、この両者には聴覚上、明らかな差異があるものというべきである。
そうとすれば、両者は、これをそれぞれ一連に称呼するも、その語調・語感を異にし、互いに紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
更に、本件商標「SYMRISE」と引用商標の欧文字部分「SUNRISE」とを比較しても、綴り字の差異を厳密にみれば、「YM」と「UN」の差異ではあるが、該差異部分を含む「SUN」の文字部分は、上記したとおり、「太陽」を意味する語として極めて親しまれている英単語であることから、これに接する者は、「YM」と「UN」の差異とみるよりは、「SYM」と「SUN」の差異として捉えるものとみるのが自然であり、そうとすれば、「SUN」の語の周知度、印象力の強さからみて、通常の注意力をもってすれば、「SYM」と「SUN」の外観を見誤ることはないものというべきであり、全体としてみても、称呼、観念の明らかな差異とも相俟って、その外観を見誤るおそれはないものというべきである。
したがって、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
本件商標と引用商標とは、上記したとおり、互いに十分に区別し得る別異の商標というべきものであるばかりでなく、請求人の提出に係る甲各号証によれば、引用商標が「ワイン」の商標として使用されていた事実は認められるとしても、著名性を裏付ける証拠として提出されているのは、メルシャン株式式会社が発行した「メルシャンワインカタログ」(甲第3号証、甲第4号証)、請求人の生産に係る果実酒の容器に貼付するラベル(甲第5号証、甲第8号証)、「世界の名酒事典2000年版」(甲第6号証)、請求人の作成に係るワインカタログ(甲第7号証)、「SUNRISE」の登録国別リスト(甲第9号証)程度であり、該商品の販売数量・販売高等の取引状況や新聞・雑誌等における宣伝広告の状況等、引用商標の著名性を具体的に裏付ける証拠は何ら提出されていない。
そうとすれば、「SUNRISE/サンライズ」の語は、言葉としては広く知られているが、甲各号証のみをもってしては、本件商標の登録出願時において、請求人の業務に係る「ワイン」の商標として、取引者・需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。
してみれば、被請求人が本件商標をその指定商品中の「洋酒,果実酒」に使用しても、これに接する取引者・需要者をして、引用商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が請求人又は同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標の指定商品・指定役務中、第33類「洋酒,果実酒」についての登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものではないから、同法第46条第1項の規定により、無効とすることはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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