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Trademark Appeal Case

簡単欧文字の識別力と使用

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2013−23289(T2013−23289/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲のとおりの構成からなり、第3類「せっけん類,化粧品」を指定商品として、平成24年12月11日に登録出願されたものであり、その後、本願の指定商品については、原審における同23年5月29日付け手続補正書により、第3類「頭髪用化粧品」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、商品の品番、規格等を表示するための記号、符号として採択、使用されている欧文字の2字の類型の一つである『HB』の文字を書してなるものであるから、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標と認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第5号に該当する。また、出願人は指定商品を『頭髪用化粧品』と補正し、本願商標が商標法第3条第2項により登録されるべきである旨主張するが、提出された証拠における使用商標は、出願に係る商標と同一であるとは認められないから、本願商標は、『頭髪用化粧品』に使用をされた結果、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるものとは認められない。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第5号該当性について

本願商標は、前記1のとおり、「HB」の欧文字を表してなるところ、本願の指定商品を取り扱う業界において、ローマ字の1字若しくは2字からなるときは、商品の型番、規格等を表示するための記号、符号として取引上一般に使用されているものであり、このことは別掲2に示す使用の実例からも明らかである。

そうすると、本願商標は、商品の型番等を表示するための記号、符号の一類型を表したものとみるべきであって、これに接する取引者、需要者をして、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標と認識されるにとどまり、自他商品の出所識別標識としての機能を果たし得ないものといわなければならない。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第5号に該当する。

(2)商標法第3条第2項の該当性について

請求人は、甲第1号証ないし甲第44号証(枝番号を含む。)を提出し、本願商標は「頭髪用化粧品」について継続して使用をされた結果、需要者が請求人の業務に係る商品であることを認識できる旨主張する。

しかしながら、当該使用に係る標章の構成態様は、2段に表示されているものの、同色で「HB」「CARETECT COLOR」(甲2の1)、2段構成の上段に小さく「ACCEESS FREE HB」(甲2の2)、2段構成の下段に「HAIR COLOR HB」(甲2の3)、3段構成の下段に小さく「HB SHAMPOO&TREATMENT」(甲2の4)、3段構成の上段に「CARETECT HB」(甲2の5)などであって、これらの多くが「HB」と他の標章を結合した一体的なものと看取されるものである。

そうすると、本来的に識別力がないか、極めて弱いといえる欧文字2字の「HB」部分のみをもって殊更に強く印象し記憶される商標の使用ということはできないから、たとえその構成中に「HB」の欧文字を含んでいるとしても、商品の出所識別を表示するものとして機能しているとはいえないというのが相当である。

また、美容関連の事業者等の証明書(甲31、甲36、甲37、甲43)が提出されているものの、本願商標の指定商品の需要者が美容関連業者に限定されるものでない上、当該証明は、商標「HB」について、「上掲の商標は、・・・、上掲の商標が周知になっているものであることを、ご証明下さるようお願い申し上げます。」とする、請求人が予め用意した定型文について、「上記の通り相違ないことを証明します。」という予め印字された文面に、署名押印をした体裁のものであるところ、当該署名者らが如何なる具体的な資料のもとで、上記証明内容について「相違ない」ことを証することができたのか定かではないといわざるを得ないものである。そうすると、美容関連事業者による証明書は、客観的な根拠に基づく本願商標の周知性を証明したものとはいえない。

加えて、商品の取引書類においても、「HB」の文字のみの使用は見当たらないものであり、また、商品の販売数量については、その具体的な商品が特定できず、その商品に係る市場占有率も明らかではない。

してみれば、商品名の一部に「HB」を含む「染毛剤」が、10年以上にわたり製造、販売され、2013年頃には全国の美容サロンと取引が行われていることがうかがえるものの、該商品の表示に接する取引者、需要者は、本願商標のみを商品の出所識別標識として認識するとはいい難いものであるから、本願商標は、使用された結果、取引者、需要者が出願人の製造、販売に係る商品を表すものとして認識しているということはできない。

したがって、本願商標は、商標法第3条第2項の要件を具備するということはできない。

(3)請求人の主張について

ア 請求人は、出願人の使用にかかる標章は、本願商標と同一と認められるものである。使用にかかる標章は、「HB」の文字部分を他の文字列と比べて字体や大きさ等を変更するなど他の文字列とは異なる態様で明確に区別しており、また、商品パンフレット等においても「アクセスフリーHBグレイシスカラー」のように片仮名と欧文字とを混在して表しているから、該文字部分が独立して認識され、該文字部分のみでも自他商品の識別力を発揮している。したがって、請求人の提出する証拠書類は、本願商標と同一と認められる商標を、出願人が製造、販売している商品について、識別力を有する商標として、独立して使用していることを証明するものである旨主張する。

しかしながら、使用にかかる標章において「HB」の文字が、他の文字とは異なる大きさで表されている、又は、片仮名と混在して表されているとしても、欧文字2字は、元来自他商品の識別機能を果たさないものであり、かつ、その使用は、「CARETECT(ケアテクト)」、「ACCESS FREE(アクセスフリー)」等の他の標章と結合した一体的なものとして看取、理解されるというべきであり、出願人が製造、販売している商品についての使用商標を、本願商標と同一のものと認めることはできない。

イ 請求人は、本願商標の指定商品の需要者は、主として美容サロンの経営者、あるいは従業者であり、出願人が主に取り扱う医薬部外品指定の商品は、基本的にサロンの従業者あるいは経営者が取り扱うものであるから、需要者による周知性の認定に当たっては、上記の者の認識をもって足りるとし、全国の美容サロン店舗数を示した上で、全国の約4割のサロンの経営者、従業者は、日常的に商標「HB」が付された商品に接している旨主張する。

しかしながら、本願商標の指定商品は「頭髪用化粧品」であり、該商品には、「染毛剤」のほか、「ヘアクリーム」や「ヘアトリートメント」等の商品も含まれるところ、これらの需要者には一般の消費者が含まれることは明らかである。また、請求人の主張する全国の約4割のサロン経営者等が本件商品に接しているとの主張は、これを裏付ける証拠の提出はないものであって、さらに、使用商標が本願商標と同一のものとは認められないこと上述のとおりであるから、本願商標の使用による識別性が証明されるとはいい難いものである。

したがって、請求人のア及びイの主張は採用できない。

(4)まとめ

以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第5号に該当し、かつ、同法第3条第2項の要件を具備するものではないから、登録することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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