Trademark Appeal Case
要部抽出と称呼観念の類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2014−7519(T2014−7519/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第30類「コーヒー,ココア,菓子,パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ,はちみつ,弁当,ラビオリ,ぎょうざ,しゅうまい,すし,たこ焼き」及び第43類「飲食物の提供」を指定商品及び指定役務として、平成25年1月22日に登録出願されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願の拒絶の理由に引用した登録第4665734号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、平成14年3月22日に登録出願、第43類「飲食物の提供」を指定役務として同15年4月25日に設定登録されたものであり、現に有効に存続しているものである。
3 当審の判断
(1)本願商標
本願商標は、別掲1のとおり、灰色に彩色してなる6つの正六角形と滴状の図形(以下「図形部分」という。)と、その図形部分の下に、「bistro」の欧文字、「BEE」の欧文字及び「ビストロビー」の片仮名を3段に書したもの(以下「文字部分」という場合がある。)によって構成されるものであるところ、図形部分と文字部分は、それぞれの構成及び態様に照らすならば、これらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものとはいえないから、それぞれが分離して看取されるといえるものである。
そして、文字部分の構成中、上段の「bistro」の欧文字は、「小さな居酒屋、ビストロ、酒場(簡単な食事もできる)」の意味を有するフランス語であり、中段の「BEE」の欧文字は「ハチ、ミツバチ」の意味を有する英語であり、下段の「ビストロビー」の片仮名は、上2段の欧文字の表音と認められるものである。
ところで、文字部分の構成中、上段の「bistro」の欧文字及びその表音である下段中の「ビストロ」の片仮名は、本願の指定役務を提供する業界においては、例えば、「bistro○○」や「ビストロ○○」のように、上記意味に相応する飲食店であることを表すために、店名の一部に用いることが一般に広く行われていることに加え、そのような店名を採用している飲食店にあっては、別掲3に示すように、店の紹介に当たり、店名に含まれる「ビストロ」又は「bistro」の文字部分を省略した表示を用いることが少なからずあるというのが実情であることから、本願商標をその指定役務に使用した場合、これに接する需要者は、該「bistro」の欧文字部分について、それが「小さな居酒屋」ほどの意味を表したもの、すなわち、役務の内容や提供の場所を表したものとして認識する場合も決して少なくないとみるのが相当である。
さらに、本願商標の構成中の「BEE」の文字部分は、上下の文字部分に比して2倍程度の大きさで顕著に表されている態様からなるものであるから、該文字部分が出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものということができる。
そうとすれば、本願商標は、その構成中「BEE」の欧文字部分が出所識別に当たっての要部といえるものであるから、該欧文字及びその表音である下段中の「ビー」の片仮名に相応して、「ビー」の称呼を生じ、「ハチ、ミツバチ」の観念を生じるものである。
(2)引用商標
引用商標は、別掲2のとおりの構成からなるところ、その書体は、筆記体風にレタリングされたものであっても、「Bee」の欧文字を表したものと容易に認識することができることからすれば、引用商標は、該「Bee」の欧文字に相応して、「ビー」の称呼を生じ、「ハチ、ミツバチ」の観念を生じるものである。
(3)本願商標と引用商標との類否について
本願商標は、その構成中にあって出所識別標識としての要部たる「BEE」の欧文字部分及び該欧文字部分の表音と認められる片仮名の「ビー」の文字部分に相応する「ビー」の称呼及び「ハチ、ミツバチ」の観念を生じるものであるのに対し、引用商標は、その構成文字に相応する「ビー」の称呼及び「ハチ、ミツバチ」の観念を生じるものであるから、両商標は、その称呼及び観念を共通にするものである。
また、本願商標と引用商標とは、その構成全体をもって比較するときは、外観上、相違するものの、本願商標の構成中にあって出所識別標識としての要部たる「BEE」の欧文字部分と引用商標の構成文字である「Bee」の欧文字とを比較するときは、大文字の「E」と小文字の「e」との差異を除けば、綴りを同じくするものであり、互いに近似する印象を与えるものといえる。
以上を総合勘案すれば、本願商標と引用商標とは、互いに紛れるおそれのある類似の商標というべきであり、また、本願の指定役務は、引用商標に係る指定役務と同一のものである。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(4)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標の文字部分は、「bistro」の文字と「BEE」の文字が小文字と大文字、フォントサイズに違いがあるとしても、両者とも太字の同じ書体で、左右両端がそろうように表され、視覚上、違和感なく一体的なものとして捉えられるものであり、この一体性は、その下に全体称呼としての「ビストロビー」の文字が存在することによってより確固たるものとなっていることから、本願商標に接する取引者、需要者は「ビストロビー」の称呼のもと、当然に「bistroBEE」の文字部分を一体的に認識するものである旨主張する。
しかしながら、本願商標は、その指定役務に係る取引の実情に照らせば、その構成中の「BEE」の文字部分が出所識別に当たっての要部たり得るものであって、需要者に対し、強く支配的な印象を与えるものであること、上記(1)のとおりであるから、請求人による上記主張は採用することができない。
イ 請求人は、ハチミツを使用した料理を提供することを特徴とするレストラン「ビストロビー」と、ダーツ等のゲームをしながら飲食も可能というエンターテイメント要素が強い「ダイニングダーツバーBee」とでは、お店のコンセプト、雰囲気、客層があまりにも大きく異なり、これらを利用する取引者、需要者の間で、両商標の出所の混同が生じ得ないことはあまりにも明らかであるから、本願商標と引用商標とは、相紛れるおそれのない非類似の商標である旨主張する。
しかしながら、本願商標と引用商標とが類似するものであり、しかも、本願の指定役務と引用商標の指定役務が同一であることも、上記(3)のとおりであるから、請求人による上記主張も採用することはできない。
(5)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであって、登録することはできない。
したがって、本願商標が同号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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