Trademark Appeal Case
リヤースクリーンの品質表示性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成8年審判第21659号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本願商標
本願商標は、「リヤースクリーン」の片仮名文字を横書きしてなり、第12類「自動車並びにその部品及び附属品」を指定商品として、平成7年3月17日登録出願されたものである。
第2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、その指定商品との関係において、『後部の(自動車の窓用の遮幕)』の意味合いを看取させる『リヤースクリーン』の文字を表してなるから、これをその指定商品中の、当該文字に相応する商品に使用するときは、商品の品質を表示する標章のみよりなる商標と認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定し、本願を拒絶したものである。
第3 請求人の主張
1 請求の趣旨
「原査定を取り消す。本願商標は、登録すべきものである。」旨の審決
2 請求の理由
(1)本願商標は、同じ大きさの片仮名で「リヤースクリーン」と一連不可分に横書きしてなる造語的な商標であり、商品の品質を表示する標章のみよりなる商標ではない。
なぜなら、第1に、「スクリーン」なる文字は、第12類に属する商品の普通名称ではない。第12類に属する「自動車並びにその部品及び附属品」についての現実の商取引においては、流通過程のどの段階においても、「スクリーン」なる普通名称の商品は、存在しない。
第2に、「スクリーン」という文字自体には、「自動車の窓用の遮幕」の意味はない。
したがって、原査定の認定は、根拠を欠くものである。
(2)旧第12類に属する商品についての商標として、「側部の(自動車の窓用の)遮幕」の意味合いを看取させる「SIDESCREEN」は商標登録第1554524号、「(自動車の窓の半分だけに用いる)遮幕」の意味合いを看取させる「HALFSCREEN」は商標登録第1554525号、「(自動車の窓用の)青色の遮幕」の意味合いを看取させる「BLUESCREEN」は商標登録第1782170号が登録を受けている。
これらの「・・・SCREEN」という商標は、いずれも商品の品質を表示する標章のみよりなる商標ではないからこそ登録されたものである。本願商標についても、同様な取り扱いをされてしかるべきである。
商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとされる場合は、その商標が、その商品の品質などを表示するものとして、普通に使用されている事実が必要である(甲第1号証ないし甲第6号証)。
本願商標「リヤースクリーン」がその指定商品の品質を表示するものとして普通に使用されているか否かについて、請求人は調査したが、使用の事実は見出せない。
(3)むすび
以上のとおり、本願商標は、その指定商品の品質を示すものでなく、普通に使用されている事実も存在しないので、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当せず、登録を受けることができる商標である。
3 証拠方法
請求人は、審判請求書記載のとおり証拠方法として甲第1号証ないし甲第6号証を提出した。
第4 当審の判断
1 本願商標は、前記のとおり「リヤースクリーン」の片仮名文字よりなるところ、その構成中の「リヤー」の文字は「後の、後部の(rear)」を意味し、この語を用いた複合語として「リヤーウィンドー(rear window)」(自動車などの後部窓)、「リヤカー(rear car)」(自転車などの後ろにつけて荷物を運ぶ二輪車)、「リヤーエンジン(rear engine)」(自動車の車体・航空機の機体の後部に原動機・発動機がついていること)などがあり、このような複合語とともに一般によく知られた外来語である。また、「スクリーン」の文字は「映写幕、遮蔽幕(screen)」などを意味する語として親しまれたものである。そして、本願商標の指定商品は「自動車並びにその部品及び附属品」であるところ、「自動車の附属品」に属する商品として、自動車の窓から入る光線を遮るためのスクリーン(遮蔽幕)について「ウィンドスクリーン」の名称で販売されている。
そうすると、「自動車の後部窓に用いる遮蔽幕」について本願商標「リヤースクリーン」を使用するときは、これに接する取引者、需要者は、「自動車の後部窓から入る光線を遮るためのスクリーン(遮蔽幕)である」と容易に理解し、商品の用途、品質を表示したものと認識するに止まるものである。そして、前記商品以外の、例えば「自動車の側面の窓に用いるスクリーン(遮蔽幕)」に使用するときは、商品の品質について誤認を生ずるおそれがある。
2 請求人は、「『スクリーン』という文字は、『自動車の窓用の遮幕』の意味はない。第12類に属する商品の普通名称ではない。」旨主張する。
しかしながら、「スクリーン」の文字は、「遮蔽幕」の意味があることは前記したとおりであり、自動車などの後部窓を「リヤーウィンドー(rear window)」と称していることを併せ考慮すると、本願商標「リヤースクリーン」は、容易に「自動車の後部窓に用いる遮蔽幕」であることを認識し得るものであって、商品の普通名称でなくても、商品の用途、品質を表示したものである。
したがって、請求人の前記主張は理由がない。
また、請求人は、原査定を取り消した審決例(甲第1号証ないし甲第6号証)を示し、本願商標についても、商品の品質を表示するものとして普通に使用されている事実は見つからないから、登録されるべきである旨主張する。
しかしながら、過去にされた審決例は具体的、個別的な判断が示されているものであって、必ずしも確立された統一的な基準によるものとはいえず、仮にその中に矛盾があったとしても、具体的事案の判断においては、過去の審決例の一部の判断に拘束されることなく検討すべきものである。そして、本願商標を構成する文字自体が使用されている事実がないとしても、本願商標が商品の用途、品質を表示したものであることは前記説示のとおりであって、請求人が挙げる審決例をもって、前記認定を覆すに足りるものではない。したがって、請求人のこの点の主張も理由がない。
3 以上のとおりであって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号、同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、本願を拒絶した原査定は取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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