Trademark Appeal Case
ホームアンテナの記述性と識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成10年審判第10922号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「ホームアンテナ」の文字を書してなり、平成7年12月27日に登録出願され、指定商品については平成10年8月31日付手続補正書により第9類「簡易型携帯電話用無線中継器」と補正されているものである。
2 原査定の理由
原査定は、「この商標登録出願に係る商標は、家庭用のアンテナといった意味合いを認識させる『ホームアンテナ』の片仮名文字を書してなるところ、これをその指定商品中、『アンテナ』に使用するときは、単に、商品の品質(用途)を表示するにすぎない。
したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」と認定判断して、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記のとおり「ホームアンテナ」の文字を書してなるところ、その構成中の「ホーム」の文字は、「家庭、自宅」等を意味する語として、「アンテナ」の文字は「無線通信やラジオ・テレビジョン等の送受信を行うため、電磁波エネルギーを空間に発射し、または空間より受けとる装置」(以上、「広辞苑」)を意味する語として、いずれもよく知られているものである。
そして、「ホーム」の文字は、商品名と結合し「ホーム○○」の如く表示して、家庭向けの商品を表すものとして普通に使用されている語であることは、ホームベーカリー、ホームランドリー、ホームエレベーター、ホームビデオ、ホームフリーザー、ホームエアコン等の例からも認められるところである。
また、PHS(簡易携帯電話)では、屋内等で電波が届かない場合に窓際に置き電波を中継するためのアンテナ(中継器)が使用されていることは、平成10年10月23日付日経産業新聞の「室内用PHSアンテナ、関西ポケットが貸与」と題する記事中における「DDI関西ポケット電話はPHSの電波が屋内まで届くようになる小型アンテナの貸し出しを二十二日から始めた。・・・同様の室内用小型アンテナは、NTT関西パーソナル通信網が九十六年七月からオープン価格で販売している。昨年十月から月に百円でレンタルしていたアステル関西は、今年四月から無料で貸し出している。」の記述、アステル九州のホームページに「パワーアンテナとは、室内アンテナのことで現在ご自宅の窓際まで電波が届くような状態で窓際にPAをおけば、部屋の中でもPHSが使えます。・・・ご家庭はもちろんオフィスの使用でも便利です。」とあることからも認められる。
以上の実情を勘案すると、「ホームアンテナ」の文字を本願指定商品に使用するときは、これに接する需要者は、「家庭向けのアンテナ(中継器)」の意味合いを理解するにとどまり、自他商品を識別する標識とは認識しないというべきである。
なお、請求人は、本願商標を簡易型携帯電話用無線中継器に使用し、その累積出荷台数は1年半で約158万台あり、その大半が販売されていることから、需要者は、請求人が提供するPHS通話サービスを利用するために使用される無線中継器であることを容易に認識できる状況になっているから、たとえ、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当する商標であったとしても同法第3条第2項に該当し、登録されるべきものであると主張し、甲第3号証及び甲第4号証を提出している。
しかしながら、請求人が「本願商標が掲載されている簡易型携帯電話用無線中継器についてのパンフレット」であるとしている甲第3号証は、「ホームアンテナ」の文字を使用していることは認められるが、請求人のPHSの商標である「パルディオ」の文字とともに使用されているものが多く、また、説明中に使用されているものも例えば「ホームアンテナを屋内に設置することによって・・・」のように記述され、必ずしも商標として認識される使用といえないものである。さらに、甲第4号証は、前記中継器の製造者が請求人会社のサービス開発部長にホームアンテナの出荷実績について報告したものであるが、これについても、そこに機種名として表示されている「ホームアンテナHA−1S」「ホームアンテナHA−2S」「ホームアンテナHA−3S」の文字は、前記のとおり、「家庭向けのアンテナ(中継器)」を意味する文字及び商品記号が記載されたものと認められるものである。
してみれば、請求人提出の証拠によっては、本願商標は、使用された結果、需要者が何人かの業務に係る商標であることを認識できるものということができないから、本願商標は、商標法第3条第2項の規定に該当するものと認めることができない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり決定する。
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