Trademark Appeal Case
キャッチフレーズの識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2013−20736(T2013−20736/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「香りでごまかさない本当の消臭」の文字を標準文字で表してなり、第3類「足の臭いその他の体臭消臭剤,その他の身体用消臭剤,ペット用消臭剤,その他の動物用消臭剤,トイレ用消臭芳香剤,ペット用消臭芳香剤,屋内用消臭芳香剤,自動車用消臭芳香剤,室内用消臭芳香剤,冷蔵庫用消臭芳香剤,靴用消臭芳香剤,その他の消臭芳香剤」及び第5類「トイレ用消臭剤,屋内用消臭剤,自動車用消臭剤,室内用消臭剤,冷蔵庫用消臭剤,靴用消臭剤,その他の消臭剤(工業用・身体用及び動物用消臭剤並びに口臭用消臭剤を除く。)」を指定商品として、平成25年1月28日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「『香りでごまかさない本当の消臭』の文字を標準文字で表してなるところ、該文字は、『香りでごまかすのではなく、本当に臭いを消す』程の意味合いを容易に理解させるものであり、その指定商品との関係からは、商品の特徴を端的に表現したものと認識されるものとみるのが相当である。そうすると、本願商標は、これをその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者が、自他商品の識別標識として認識することはなく、単に顧客獲得のために考えられた商品の特徴を表したキャッチフレーズの一種として認識するに止まり、何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審においてした証拠調べ
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、別掲に示す事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対して、平成26年6月6日付け証拠調べ通知書によってこれを開示し、期間を指定して、意見を述べる機会を与えた。
4 証拠調べ通知に対する請求人の意見の要旨
請求人は、前記3の証拠調べ通知に対して、平成26年7月18日付け意見書において、要旨以下のように述べている。
(1)前記3の証拠調べ通知に示された使用例は、本願商標と同一文字からなるものではなく、また、一部の使用例にはキャッチフレーズとして使用されていないものが含まれているから、本願商標の文字がキャッチフレーズとして普通に使用されていることを証明する証拠にはならない。
(2)本願商標は、その構成文字全体及び「香りでごまかさない」「本当」「消臭」の文字からみても、これをその指定商品に使用した場合、取引者、需要者に対して、何らかの消臭メカニズムがあるだろうと暗示させることはあっても、それを直接的かつ具体的に想起させるものではない。したがって、本願商標は、商品の特徴を表したキャッチフレーズの一種ではなく、構成全体として一種の造語というべきであり、自他商品の識別標識としての機能を果たすものである。
5 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第6号該当性について
本願商標は、前記1のとおり、「香りでごまかさない本当の消臭」の文字を標準文字で表してなるところ、「香りで」「ごまかさない」「本当の」「消臭」の各語は、日常で平易に使用される親しまれた語であって、特に、「本当」の語は、「偽りや見せかけでなく、真実・実際であること。」の意味を有するものであり、構成文字全体として「香りでごまかすのではなく、実際に(不快な)臭いを消すこと」程の意味合いを容易に理解、認識させるものといえる。
そして、本願の指定商品は、いずれも不快な臭いを消すことを目的とした商品であり、該商品を取り扱う業界においては、別の香りで不快な臭いを和らげるのではなく、臭いに直接作用して実際に不快な臭いを消す効果をうたった宣伝文句又はキャッチフレーズとして、本願商標又は「香りでごまかさない」「ごまかさない本当(本物)の消臭」の文字が広く使用されていることが、前記3の証拠調べ通知において示した事実のとおり、認められるものである。
そうすると、本願商標をその指定商品に使用したときは、これに接する取引者、需要者は、「香りでごまかすのではなく実際に(不快な)臭いを消す商品」程の意味合いを容易に理解するものであって、商品の消臭効果についての宣伝文句を表したものとして理解、認識するというのが相当であるから、本願商標は、取引者、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものであるといわざるを得ず、ほかに、これを左右する特段の事情は見当たらない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、前記3の証拠調べ通知に示された使用例は、本願商標と同一文字からなるものではなく、またその使用例にはキャッチフレーズでないものも含まれているから、本願商標の文字がキャッチフレーズとして普通に使用されているとはいえない旨主張する。また、過去の審決において、キャッチフレーズではないとされた例、又はキャッチフレーズであっても自他商品の識別標識として機能を果たすものと認められた例を挙げて、本願商標が自他商品の識別標識として機能するものと認められる旨主張する。
しかしながら、本願商標は、その構成文字に照らせば、平易な語を用いて商品の効果を分かり易く表したものといえ、これに、前記3の証拠調べ通知において示した、「香りでごまかさない」等の文字が商品の消臭効果をうたう宣伝文句又はキャッチフレーズとして用いられている取引の実情を踏まえれば、本願商標は、取引者、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものというのが相当である。
また、登録出願に係る商標が自他商品の識別標識として機能し得るか否かは、該登録出願の査定時または審決時において、個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げる登録例は、商標の構成文字又は指定商品において本願とは事案を異にするものであり、本願商標についての判断は、上記(1)のとおりであるから、該登録例をもってその判断が左右されるものではない。
イ 請求人は、本願商標は、何らかの消臭メカニズムを暗示させることはあっても、それを直接的かつ具体的に想起させるものではないから、自他商品の識別標識としての機能を果たすものである旨主張する。
しかしながら、本願商標は、これに接する取引者、需要者をして、商品の消臭効果についての宣伝文句を表したものと理解、認識されるにすぎないというのが相当であり、自他商品の識別標識としての機能を果たすものということはできないこと、上記(1)のとおりである。
ウ 請求人は、本願商標は、請求人の登録第5594583号商標の構成文字である「本当の消臭」と同一の文字を含むものであるから、構成全体として自他商品の識別力を有する旨主張するが、本願商標については、その構成文字全体から「香りでごまかすのではなく実際に(不快な)臭いを消すこと」程の意味合いを理解、認識させるものであり、自他商品の識別機能を果たすものということはできないものであるから、該登録をもってその判断が左右されるものではない。
エ したがって、上記アないしウの請求人の主張はいずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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