Trademark Appeal Case
称呼・観念の類否と要部
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2014−1496(T2014−1496/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「ALPS」の欧文字を標準文字で表してなり、第12類「車椅子,陸上の乗物用の交流電動機又は直流電動機(その部品を除く。),船舶並びにその部品及び附属品,航空機並びにその部品及び附属品,鉄道車両並びにその部品及び附属品,自動車並びにその部品及び附属品,二輪自動車並びにそれらの部品及び附属品」を指定商品として、平成25年4月15日に登録出願されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用した登録商標は、以下のとおりであり(これらをまとめて、以下「引用商標」という場合がある。)、現に有効に存続しているものである。
(1)登録第413148号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、昭和24年2月25日に登録出願され、第20類「自転車及び其の各部」を指定商品として、同27年6月26日に設定登録されたものである。その後、5回にわたり商標権の存続期間の更新登録され、平成16年3月17日に指定商品を第12類「自転車並びにそれらの部品及び付属品,自転車のベアリング,自転車の歯車,自転車のブレーキ」とする指定商品の書換登録がされたものである。
(2)登録第511396号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、昭和31年12月11日に登録出願され、第20類「自転車及その部分品」を指定商品として、同32年12月18日に設定登録されたものである。その後、4回にわたり商標権の存続期間の更新登録され、平成20年1月30日に指定商品を第12類「自転車並びにその部品及び附属品,自転車のベアリング,自転車の歯車,自転車のブレーキ」とする指定商品の書換登録がされたものである。
3 当審の判断
(1)本願商標と引用商標との類否について
本願商標は、「ALPS」の欧文字を標準文字で表してなるものであり、他方、引用商標1は、別掲1のとおり、「ALPS」の欧文字をゴシック体で横書きしてなるものであるところ、該文字は、ヨーロッパ最大の山脈である「アルプス(山脈)」の意味を有し、「アルプス」の読みを有する英語の成語として、広く一般に親しまれているものであるから、本願商標及び引用商標1からは、「アルプス」の称呼と「アルプス(山脈)」の観念が生じるものである。
また、引用商標2は、別掲2のとおり、盾にリボンを付したような幾何図形を表し、その盾図形内に「A」、その下段のリボン風図形内に「ALPS」の欧文字を、それぞれ袋文字で表してなるところ、前記「A」と「ALPS」の欧文字は、上下に配され、文字の書体、大きさを異にするものであるから、視覚的に分離して看取されるといえるものであり、該構成中にあって、広く一般に親しまれている「ALPS」の欧文字に着目して取引されるといえるから、引用商用2からは、「アルプス」の称呼と「アルプス(山脈)」の観念が生じ得るものである。
そこで、本願商標と引用商標1及び2との類否についてみるに、本願商標は、引用商標1とは、「ALPS」の欧文字を共通にするものであり、同じく、引用商標2とは、その要部となり得る「ALPS」の欧文字部分と文字綴りを同一にするものであるから、本願商標と引用商標1及び2は、外観上近似した印象を与えるものである。
また、本願商標と引用商標1及び2とは、「アルプス」の称呼及び「アルプス(山脈)」の観念を共通にするものであるから、両商標は、称呼及び観念上相紛れるものである。
そうとすれば、本願商標と引用商標1及び2とは、外観、称呼及び観念のいずれの点を考慮しても、互いに相紛れるおそれのある類似の商標といわなければならない。
(2)本願商標に係る指定商品と引用商標に係る指定商品との類否について
ア 商品の類否を判断するに際しては、(A)生産部門が一致するかどうか、(B)販売部門が一致するかどうか、(C)原材料及び品質が一致するかどうか、(D)用途が一致するかどうか、(E)需要者の範囲が一致するかどうか、(F)完成品と部品との関係にあるかどうか、について総合的に考慮するものである。
これを本件についてみるに、本願の指定商品中「二輪自動車並びにそれらの部品及び附属品」(第12類)は、引用商標1の指定商品中「自転車並びにそれらの部品及び付属品」(第12類)及び引用商標2の指定商品中「自転車並びにその部品及び附属品」(第12類)と販売部門、用途、需要者を共通にし、生産部門や原材料を共通にする場合があり、類似するものである。
イ 上記アについて、請求人は、本願の指定商品に係る「二輪自動車」と引用商標の指定商品に係る「自転車」とは、その生産部門、需要者、用途を異にするものであり、商品同士で流通経路に競合性が全く存在せず、また、販売場所である販売店も異なっており、互いの商標が使用された場合、その商品が同一の営業主の製造又は販売に係る商品であると誤認混同されるおそれはなく、両商品は類似するものではないから、仮に、本願商標と引用商標とが類似の商標であるとしても、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない旨主張している。
(ア)しかしながら、請求人は、原査定において説示した、二輪自動車を取り扱うメーカーが電動アシスト付き自転車も生産していること、大型家電量販店が電動バイクと電動アシスト付き自転車を販売していること、二輪自動車と自転車のシャーシが主として鉄、アルミで造られていること、二輪自動車と自転車の用途は二輪での移動手段であること等については、その事実を認めた上で、二輪自動車と自転車の生産部門、販売部門、原材料・品質、用途、需要者の範囲等について、限定的あるいは特殊な相違点を証拠の提出もなく独自の見解を主張するのみであるところ、該主張を認めるに足りる客観的な証拠は見いだせない。
また、請求人は、上記の点について、これらの乗物は、需要者から見れば明確に区別しているとも主張するが、二輪自動車の需要者が自転車の需要者になることが制限されるものではなく、さらに、二輪自動車と自転車には、それぞれ多種多様な商品があり、一律に二輪自動車が長距離用、自転車が近距離用の移動手段として区別されているともいえないから、両商品の需要者が異なる、あるいは、需要者の相違によって上記商品の類否判断が異なるということはできない。
(イ)なお、原査定及び別掲3に記載のインターネット情報によれば、二輪自動車と自転車の双方を取り扱っている二輪車専門店が多数存在しており、このような実情に照らせば、二輪自動車と自転車は、販売部門(販売店)が一致するものといわなければならず、また、二輪の乗り物による移動を用途とする点でも一致することから、両商品は、需要者を共通にするものであって、さらに、生産部門や原材料を共通にする場合も少なくないものであるから、上記アの判断は首肯できるものである。
(ウ)そうとすれば、本願の指定商品に係る「二輪自動車」及び引用商標の指定商品に係る「自転車」に同一又は類似の商標が使用された場合、これに接する取引者、需要者がこれら商品を同一営業主の製造又は販売に係るものと誤認混同を生ずるおそれがあるというのが相当であるから、両者は類似の商品と判断せざるを得ないことは上記のとおりであり、請求人の主張は採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標と引用商標1及び2とは類似の商標であって、本願の指定商品中「二輪自動車並びにそれらの部品及び附属品」は、引用商標1の指定商品中「自転車並びにそれらの部品及び付属品」及び引用商標2の指定商品中「自転車並びにその部品及び附属品」と類似の商品である。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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