Trademark Appeal Case
記述的結合商標の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成10年審判第7984号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「エコラップ」の文字を書してなり、第16類「家庭用食品包装フィルム」を指定商品として、平成6年12月16日に登録出願されたものである。
2 当審において通知した拒絶の理由
本願商標は、「エコラップ」の文字を普通に用いられる方法で書してなるものであるところ、昨今の環境問題が注目されていることを背景として、「エコ」の語はエコロジー商品であることを表す語として広く一般に使用されており、また、「ラップ」の語は食品保存用のポリエチレン製の包装紙を意味する語として知られているものである。そうすると、本願商標を請求人(出願人)が、その指定商品について使用するときは、単に商品がエコロジー商品であることを認識させるにすぎず、商品の品質を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
3 請求人の主張の要旨
拒絶理由通知書で認定している「エコロジー商品」という概念自体、商品の特定の品質を表示するというほどに明確なものではなく、漠然と環境保護指向の商品を暗示する場合があるに過ぎないものと解される。たしかに、「ラップ」は、「包む」を意味する英語「wrap」に由来するものであり、指定商品との関係においては識別力が弱いものと考えられる語である。しかしながら、家庭用食品包装フィルムについては、「ラップ」を語尾とする商標が広く一般に使用されておりその商標の不可分の一部を形成し、これが分離されたり省略されたりすることはない。本願商標も、一個の造語商標として把握されると見るのが自然であり、充分に自他商品識別標識として機能しうるものである。
4 当審の判断
本願商標は、「エコラップ」の文字よりなるものである。
そして、本願商標の指定商品は、「家庭用食品包装フィルム」であり、これを「ラップ」と称していることから、本願商標は「エコ」と「ラップ」の2語を結合した商標と認められる。
ところで、近年の環境問題に対する意識の高まりから、環境保全に役立つと認められる商品であることを表示するマークとして、「エコマーク」が選定され(財団法人日本環境協会の運営する制度)、その認定を受けたものの名称には「エコ」の語を冒頭に有するものが多数存在するのが実情である。
こうしたことから、当審において、上記2のとおりの拒絶の理由を通知したところ、請求人からは上記3に記載した要旨の意見書が提出された。
そして、「エコ」の文字が環境負荷の少ない商品であることを表すものとして商品名又は商標の冒頭に採択されている実例は、請求人が意見書に添付した参考資料8 滋賀県機関で採用した環境対応製品推奨リストによっても認められる。すなわち、消しゴムについて「ラビット」が「エコイレーザー」(「イレーザー」は、「消しゴム」の意の英語「eraser」の発音を片仮名文字で表したものと同じ。)、鉛筆について「サンスター」が「エコ鉛筆リサイクル」と掲載されているほか、多数の者が名称に「エコ」の文字を冒頭に表していることが認められる。そして、本願商標の「エコラップ」については、焼却時に有毒ガスを出さない製品のうちの食品ラップとしてリストに掲載されているものである。
請求人は、本願商標は一個の造語商標として把握されると見るのが自然である旨主張するが、前記の実情からすれば、本願商標は環境問題に対応した商品であることを表す「エコ」の文字と食品保存用のポリエチレン製の包装紙を意味する「ラップ」の文字からなるものと理解されるものといわざるを得ない。
そうすると、本願商標は、「エコラップ」の文字を普通に用いられる方法で表示したにすぎないものであるから、本願商標をその指定商品に使用しても、取引者、需要者は、単に商品が何らかの環境破壊等環境問題に対応した食品包装フィルムであることを表示したものと理解するにとどまると言うのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるとした拒絶理由は妥当なものと認められるから、登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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