Trademark Appeal Case
H61の識別力と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2013−900353(T2013−900353/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5600888号商標(以下「本件商標」という。)は、「時を止める乳酸菌H61」の文字を標準文字で表してなり、平成25年2月8日に登録出願、第5類「乳酸菌H61株を使用したサプリメント」を指定商品として、同年7月1日に登録査定され、同年同月19日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第11号に該当し、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第17号証を提出している。
(1)商標法第3条第1項第3号について
本件商標は、その構成部分である「乳酸菌」及び「H61」は、指定商品「乳酸菌H61株を使用したサプリメント」との関係では原材料表記であり、残部の「時を止める」は、指定商品「サプリメント」との関係では効能表記に相当するため、自他商品識別標識としての機能を果たし得ない。
(2)商標法第4条第1項第11号について
ア 申立人が本号に該当するとして引用する商標は次のとおり(以下、それらをまとめて「引用商標」という。)であり、その商標権は現に有効に存続しているものである。
(ア)登録第5594604号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の態様 別掲1のとおり
指定商品 第5類「サプリメント」のほか、商標登録原簿に記載のとおりの商品
出願日 平成25年1月31日
設定登録日 平成25年6月28日
(イ)登録第5594605号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の態様 別掲2のとおり
指定商品 第5類「サプリメント」のほか、商標登録原簿に記載のとおりの商品
出願日 平成25年1月31日
設定登録日 平成25年6月28日
イ 具体的な理由
本件商標において「時を止める」の構成部分は、指定商品との関係では効能表記であり、「乳酸菌」の部分は、原材料表記である。「H61」も「乳酸菌H61株」を示す原材料表記であるが、本件商標が仮に識別力を有するとしても、「H61」の称呼「エイチロクジュウイチ」又は「エッチロクジュウイチ」は、引用商標の称呼「エイチロクジュウイチ」又は「エッチロクジュウイチ」と同一又は類似である。また、指定商品も同一又は類似である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本件商標は、上記1のとおり、「時を止める乳酸菌H61」の文字からなり、いずれの文字も同書、同大、等間隔でまとまりよく一体に表示されたものである。
そして、本件商標の構成中「乳酸菌H61」の文字は、その指定商品「乳酸菌H61株を使用したサプリメント」との関係においては、商品の原材料を表示するものといえる。
しかしながら、本件商標の構成中「時を止める」の文字については、申立人の提出した証拠によれば、サプリメントに関するウェブページ等(甲3ないし甲7)に、該文字が記述の中で記載されていることは認められるものの、その記載が商品「サプリメント」の具体的な品質、効能等を表示したものということはできない。
そうすると、まとまりよく一体に表示された本件商標「時を止める乳酸菌H61」は、商品の品質、原材料、効能等を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標ということはできない。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号に該当しない。
(2)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標の構成等
本件商標は、上記1のとおり、「時を止める乳酸菌H61」の文字からなるところ、その構成中「乳酸菌H61」の文字部分は、本件商標の指定商品の原材料である「乳酸菌H61株」を表示するものであり、また、「H61」の文字部分についても「H61株」の意味合いを表示するにすぎないから、「H61」の文字部分からは自他商品の識別標識としての称呼及び観念を生じないものといえる。
イ 引用商標の構成等
引用商標1は、別掲1のとおり、「H−61」の文字を図案化してなるものであり、また、引用商標2は、別掲2のとおり、円状線図形の内側に「H−61」の文字を図案化したものを表示してなるものである。
ウ 本件商標と引用商標の類否について
上記ア認定のとおり、本件商標の構成中「H61」の文字部分からは自他商品の識別標識としての称呼及び観念を生じないから、該文字部分は、自他商品の識別標識としての機能を発揮するものではない。
そうすると、本件商標から「H61」の文字部分のみを抽出して、これを前提に、本件商標と引用商標とが類似するとする申立人の主張は、前提において誤りがあるというべきであり、採用することができない。
その他、本件商標と引用商標とが類似するとみるべき特段の理由は見いだせない。
エ 小括
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(3)まとめ
以上のとおりであるから、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第11号のいずれにも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。