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Trademark Appeal Case

結合商標の称呼と全体類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成10年審判第14081号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲の(1)に表示したとおりの構成よりなり、第25類「ワイシャツ,スーツ,その他の被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、平成8年2月27日に登録出願されたものである。

2 引用商標

原査定において拒絶の理由に引用した登録第1146550号商標(以下「引用A商標」という。)は、別掲の(2)に表示したとおりの構成よりなり、昭和47年6月9日に登録出願、第17類「被服(運動用特殊被服を除く)布製身回品(他の類に属するものを除く)」を指定商品として、昭和50年8月25日に登録され、その後、2度にわたり商標権の存続期間登録がされており、同じく登録第2468673号商標(以下「引用B商標」という。)は、別掲の(3)に表示したとおりの構成よりなり、平成1年7月31日に登録出願、第24類「運動具、その他本類に属する商品」を指定商品として、平成4年10月30日に登録されている。

そして、その前記引用各商標は、現に有効に存続しているものである。

3 原査定の理由

原査定は、「本願商標は、引用各商標と同一又は類似であって、引用各商標に係る指定商品と同一又は類似の商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。」旨、認定判断して、本願を拒絶したものである。

そして、出願人(請求人)の意見に対して「本願商標は、上段に欧文字『Y』を大きくデザイン化した図形を有し中段に欧文字『youngor』の文字を有しさらにその下段に中国語と思しき文字を書してなるところ、該商標はそれぞれの図形及び文字の大きさを異にするうえ、それらを全体として捉えなければならない特段の事情も有せず、これを常に一体不可分のものとしては認められないから、その称呼は『youngor』の文字部分から生じると考えるのが相当であり、『ヤンガー』の称呼を生じるというのが相当である。他方、引用各商標は、その構成から『ヤンガー』の称呼を生じるものである。したがって、本願商標と前記引用各商標は、『ヤンガー』の称呼を同一にする商標であり、その指定商品も抵触しているから、先の認定を覆すに足らない。」としている。

3 請求人の主張

請求人は「本願商標は、上段に欧文字『Y』を大きくデザイン化した図形を描き、中段にブロック体の欧文字『youngor』と下段に中国語を書して構成されている。一方、引用A商標は、やや形を崩した欧文字『younger』と片仮名『ヤンガー』の二段書の構成であり、また、引用B商標は、筆記体の欧文字『younger』と片仮名『ヤンガー』の二段書で構成されている。そして、本願商標は、上段に欧文字『Y』を大きくデザイン化した図形が描かれていること及び下段に中国語を書して構成されていることから、引用各商標とは、外観に於いて全く異なる。また、本願商標の欧文字『youngor』は造語であるため格別の観念は生じない。一方、引用各商標は、『より若い』『より若々しい』『年下の者』『若者たち』という観念を生じさせ『美しい』『ファッションに富んだ』というイメージもあり、両者は観念においても全く異なる。さらに、本願商標は、欧文字『youngor』より、『ヤンゴー』又は『ヤンゴアー』の自然的称呼が生ずる。下方の中国語は日本人には読むことが不可能なため特に称呼は生じない。一方、引用各商標は、二段併記の欧文字『younger』及び片仮名『ヤンガー』より『ヤンガー』の自然的称呼が生ずる。よって、第3音に於いて『ゴー』(又は『ゴアー』)対『ガー』の差異があり、『ゴ』と『ガ』は同行に属する音ではあるが、母音が異なることにより明確に区別できる。この差異があることにより、両商標は語韻語調が全く異なる。特に、本願の如く3音構成という短い称呼にあって一音の差は大きく、両者は明確に聴別される。本願商標と引用各商標とが称呼上類似していると仮定した場合でも、本願商標は、上段に欧文字『Y』を大きくデザインした図形を描き、下段に中国語を書して構成されているため、引用各商標とは、外観が全く異なることから、全体として非類似である。」旨及び「商標の類否は、外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象・記憶・連想等を総合して全体的に考慮すべきである。また、限られた時間内に、自己商品の特徴を取引者・需要者に訴え、顧客の購買力を喚起しなければならない広告媒体・商品表示等においては、従来から、一見して認識可能な図形の持つ情報伝達力が重視されてきており、図形と文字の結合商標にあっては、文字部分のみをいたずらに重視して図形部分の持つ情報伝達力を軽んずることは、特段の理由のない限り許されないことであると、東京高裁は判示している(東京高裁平成7年3月29日判決 平成6年(行ケ)150号 甲第6号証)。このような観点から、本願商標と引用各商標とは非類似である。また、東京高裁平成7年3月29日判決 平成6年(行ケ)第150号審決取消請求事件及び東京高裁平成8年4月17日判決 平成7年(行ケ)第52号審決取消請求事件の判決にあるように、取引の実情に照らし、両者に出所の誤認混同が生じない以上、外観と観念において全く異なる限り、称呼が類似することのみをもって両者が類似するということはできない。従って、本願商標と引用各商標は、外観・称呼及び観念のいずれも類似しないものであるから、本願商標は商標法第4条第1項第11号に該当しない。」旨主張しているものである。

4 当審の判断

請求人は「本願商標は、欧文字『youngor』より、『ヤンゴー』又は『ヤンゴアー』の自然的称呼が生ずる。」ものと主張している。

しかしながら、本願商標中の前記欧文字「youngor」は、特定の読みをもって親しまれた外国語ではなく、造語と認められるものである。

そして、欧文字よりなる造語は、我が国において親しまれている英語読みをもって称呼することが多いものであるから、本願商標中の前記欧文字「youngor」は、例えば、親しまれている英語において、「young」(若い)、「vigor」(活力,元気)、「rigor」(厳格,苛酷)をそれぞれ「ヤング」、「ビガー」、「リガー」と発音する例にならい、「ヤンガー」と称呼されるものとみるのが相当である。

他方、引用各商標は、請求人も主張するとおり「ヤンガー」と称呼されるものと認められる。

そうすると、本願商標と引用各商標は、同一の「ヤンガー」の称呼を生ずるものである。

ところで、請求人は、「取引の実情に照らし、両者に出所の誤認混同が生じない以上、外観と観念において全く異なる限り、称呼が類似することのみをもって両者が類似するということはできない。」旨主張する。

しかしながら、本願商標は、「youngor」の欧文字以外の構成部分を有するとしても、読みやすい「youngor」の文字部分を「ヤンガー」と称呼して取引に資される場合が少なくないと認められる。

そして、本願商標は、引用各商標と「ヤンガー」の称呼を同一にすること、また、本願商標の「youngor」の文字部分は、引用各商標の「younger」の欧文字の綴りと第6文字において「o」と「e」の差があるのみで外観が類似していることからすると、両商標を同一又は類似の商品に使用するときは、取引者、需要者が商品の出所の誤認混同を生ずるおそれがあるものと認められる。

したがって、前記の請求人の主張は採用できない。

また、本願商標の指定商品「ワイシャツ,スーツ,その他の被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」は、引用A商標の指定商品「被服(運動用特殊被服を除く)布製身回品(他の類に属するものを除く)」及び引用B商標の指定商品「運動具、その他本類に属する商品」と同一又は類似する商品が含まれているものと認められるから、本願商標は商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、妥当であって取り消すことができない。

よって、結論のとおり審決する。

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