Trademark Appeal Case
複合語の品質表示性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2014−11768(T2014−11768/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「MULTI HOME COOKER」の欧文字と「マルチホームクッカー」の片仮名を上下二段に表してなり、第7類及び第11類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として、平成25年8月12日に登録出願され、その後、指定商品については、原審における同年12月26日受付の手続補正書により、第7類「家庭用電気式加熱調理器具と複合された多用途の食料加工用又は飲料加工用機械器具」及び第11類「多用途の家庭用電気式発酵食品製造器具,多用途の家庭用電気式製パン機,その他の多用途の家庭用電気式加熱調理器具」と補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『MULTI HOME COOKER』及び『マルチホームクッカー』の文字を二段に普通に用いられる方法で表してなるところ、その構成中の『MULTI』及び『マルチ』の語は、『多い。多多数[量]の的の。』程の意味を有し、また、その構成中の『HOME COOKER』及び『ホームクッカー』の文字は、『家庭用炊事道具(オーブン・レンジなど)』程の意味を有するので、その全体よりは、『多面的な家庭用炊事道具(オーブン・レンジ)』程の意味合いを理解させるものである。そうとすれば、本願商標を、例えば、その指定商品中、『電子レンジ,家庭用オーブンレンジ』等、前記文字に相応する商品に使用しても、これに接する取引者、需要者等は、該商品が『多面的に使用可能なもの。』程の意味合いを認識、理解するというのが相当であり、本願商標は、単に商品の品質、用途を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨、認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記1のとおり、「MULTI HOME COOKER」の欧文字と、その表音と認められる「マルチホームクッカー」の片仮名を上下二段に表してなるところ、その構成中の「MULTI」の文字及び「マルチ」の文字は、「多い、多数[量]の、多種の」の意味を、「HOME」の文字及び「ホーム」の文字は、「わが家の、自宅の、家庭の」の意味を、「COOKER」の文字及び「クッカー」の文字は、「料理用の加熱器具[装置](オーブン・レンジ・鍋など)」の意味(いづれも「新英和大辞典第六版」、株式会社研究社)を有するものである。
そして、別掲1の新聞記事情報及びインターネット情報によれば、本願の指定商品を扱う分野では、「マルチクッカー」の文字が、「煮る・焼く・蒸す」、「生地から焼き上げる」など、多数の機能を有する「調理器具」を表す語として用いられていることが認められる。
また、別掲2のインターネット情報によれば、家庭用電気式製パン機を「ホームベーカリー」、家庭用洗濯乾燥機を「ホームランドリー」、家庭用のいわゆるAV機器を「ホームシアター」のように、「ホーム」の文字を商品名などの文字に冠して、家庭用の商品であることを表す語として普通に用いられていることが認められる。
そうとすると、「マルチホームクッカー」の文字は、上記「マルチクッカー」の文字のうちの商品名に相当する「クッカー」の文字の前に「ホーム」の文字を配してなるものであるから、これを構成する各語の意味や取引実情を勘案するならば、これに接する取引者、需要者は、「多数の機能を有する家庭用の加熱調理器具」程の意味合いを表したものと容易に認識するとみるのが相当である。
したがって、「MULTI HOME COOKER」及び「マルチホームクッカー」の文字を普通に表示してなる本願商標は、これを補正後の指定商品、第7類「家庭用電気式加熱調理器具と複合された多用途の食料加工用又は飲料加工用機械器具」及び第11類「多用途の家庭用電気式発酵食品製造器具,多用途の家庭用電気式製パン機,その他の多用途の家庭用電気式加熱調理器具」に使用した場合、商品の品質を表示したものと理解するにとどまるものであるから、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものといえるものである。
なお、請求人は、本願商標がその補正後の指定商品の品質等を表示するものとして製品の一般名称として使用されている事実は見出せないから、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものではない旨主張する。しかしながら、商標登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号の品質表示に該当するというためには、取引者、需要者が品質を表示するものとして認識するものであれば足りるといえるのであって、実際に商品の品質を表示するものとして使用されていることまでは必ずしも必要としない(平成13年(行ケ)第207号 東京高裁平成13年12月26日判決言渡参照)ものであるから、採用することはできない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、登録することができないものであるから、同号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであり、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
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