Trademark Appeal Case
品質表示と識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成8年審判第18986号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「Object Manager」の文字を書してなりなり、第9類「配電用又は制御用の機械器具、回転変流機、調相機、電池、電気磁気測定器、電線及びケーブル、電気アイロン、電気式ヘアカーラー、電気式ワックス磨き機、電気掃除機、電気ブザー、電気通信機械器具、電子応用機械器具及びその部品、磁心、抵抗線、電極、レコード、録画済みビデオディスク及びビデオテープ、金銭登録機、家庭用テレビゲームおもちゃ」を指定商品として、平成6年7月26日に登録出願されたものである。
2 原査定の理由
原査定は、「本願商標は、プログラムを作成する際に、ソース(プログラム)をコンパイルして生成されるもの、あるいはデータとデータに対する処理手続をまとめたもの等の意を有する「Object」の文字と管理プログラムを指称するための語として一般に用いられる「Manager」の文字とで、「ObjectManager」と書してなるものであるから、これを本願指定商品中、例えば電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク等の商品に使用するときには、それが時間を管理するプログアムを内容とする商品であることを認識させるものであり、単に商品の品質を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」と認定し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記したとおりの構成よりなり、その構成中「Object」の文字は、情報処理との関係では、「データとデータに対する処理手続をまとめたもの(オブジェクト指向プログラミングモデルの構成単位。オブジェクト指向プログラミングモデルでは、情報処理はオブジェクトとオブジェクトのメッセイジ交換によって構成される。したがって、データや処理の抽象化がはかれるため、特定の機能を持つオブジェクトを組み合わせることで目的とする機能のプログラムを作ることが容易にできる。)」を意味し(アスキーパソコン用語ハンドブック...発行所株式会社アスキー)、同じく「Manager」の文字は、「管理プログラム」を意味するものである(英和コンピュータ用語大辞典第2版...日外アソシエーツ株式会社発行 )。
そして、上記の英和コンピュータ用語大辞典によれば、「object」の文字を有する複合語が「object architecture」ないし「object variable」と61語も記載されていて、「オブジェクト管理権」を「object management rights」と記載しているものであるから、本願商標「Object Manager」は、全体として「オブジェクト管理」の意味合いを容易に認識させるとみるのが相当であり、また、商品「クライアント/サーバシステムにおける業務アプリケーション開発ツール」のコンポーネント名称として「ソースコード管理やクラス管理を行うこと」を意味する語として「オブジェクトマネジャー」が使用されている例(日本センチュラ株式会社〈東京都渋谷区神宮前6−19−20〉)もある。
そうとすると、本願商標は、その指定商品中、情報処理用の機械器具である「オブジェクト管理の電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク」に使用しても、商品の品質、機能を表示するにすぎず、自他商品の識別標識として機能を有しないものといわざるを得ない。また、前記商品以外の電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク及び電子計算機に使用するときは、オブジェクト管理の電子計算機用プログラムを搭載したものであるかの如く、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。
なお、請求人は、本願商標は、全体として特定の観念を想起させるものでなく、実際に使用されているものであり(甲第3号証)、現に商標として機能しているものである旨主張しているが、「分散オブジェクト環境ソフトウェア」(甲第3号証)を徴しても、各「ObjectManager」の文字部分が商標として自他商品の識別標識として十分機能しているものとはいい難く、本願商標については、前記のとおり判断するのが相当であるから、請求人の主張は採用できない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものとしてその出願を拒絶した原査定は、妥当であり、取り消す限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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