Trademark Appeal Case
防護標章と書体の同一性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成10年審判第17072号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1.本願標章
本願標章は、別記(1)に表示したとおりの構成からなり、第36類「預金の受け入れ(債券の発行により代える場合を含む。)及び定期積金の受入れ,資金の貸付及び手形の割引,内国為替取引,債務の保証及び手形の引受け,有価証券の貸付け,金銭債権の取得及び譲渡,有価証券・貴金属その他の物品の保護預かり,両替,金融先物取引の受託,金銭・有価証券・金銭債権・動産・土地若しくはその定著物又は地上権若しくは土地の賃借権の信託の引受け,債権の募集の受託,外国為替取引,信用状に関する業務,割賦購入あっせん,前払式証票の発行,ガス料金又は電気料金の徴収の代行,有価証券の売買,有価証券指数等先物取引,有価証券オプション取引及び外国市場証券先物取引,有価証券の売買・有価証券指数等先物取引・有価証券オプション取引及び外国市場証券先物取引の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券市場における有価証券の売買取引・有価証券指数等先物取引及び有価証券オプション取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,外国有価証券市場における有価証券の売買取引及び外国市場証券先物取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券の引受け,有価証券の売出し,有価証券の募集又は売出しの取扱い,株式市況に関する情報の提供,商品市場における先物取引の受託,生命保険契約の締結の媒介,生命保険の引受け,損害保険契約の締結の代理,損害保険に係る損害の査定,損害保険の引受け,保険料率の算出,建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介,建物又は土地の情報の提供,骨董品の評価,美術品の評価,宝玉の評価,企業の信用に関する調査,税務相談,税務代理,慈善のための募金」を指定役務とし、登録第628170号商標の防護標章として、平成9年2月10日に登録出願されたものである。
そして、前記登録第628170号商標(以下「本件登録商標」という。)は、別記(2)に表示したとおりの構成からなり、昭和37年10月29日に登録出願、第3類「染料、顔料、塗料及び印刷インキ、その他本類に属する商品」を指定商品として昭和38年10月31日に設定登録され、その後、同49年6月20日、同59年1月27日及び平成5年10月28日の3回に亘り商標権存続期間の更新登録がされ、現に有効に存続しているものである。
2.原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願標章は、本件登録商標と同一の標章とは認められない。したがって、この防護標章登録出願に係る標章は、商標法第64条の要件を具備しない。」旨認定判断して、本願を拒絶したものである。
3.当審の判断
防護標章の登録制度は、商品(役務)混同を生ずるおそれがあることを要件として、登録商標の禁止的効力をその指定商品(指定役務)の非類似商品(役務)にまで拡大させるものであるから、防護標章に係る標章が登録商標と同一の標章、すなわち登録商標そのものでない限り防護標章登録を受け得ないことは、制度の前記趣旨からして当然というべきであるから、防護標章に係る標章の構成要素のうち「文字、図形若しくは記号若しくはこれらの結合」については、それがいかに登録商標に酷似する標章であっても、登録商標の標章と同一でない限り防護標章登録を受け得ないことは疑いの余地がないのである(東京高等裁判所平成元年7月27日言渡、平成元年(行ケ)第77号及び同第78号判決参照)。
これを本件についてみるに、本願標章は、別記(1)に表示したとおり、やや細目のゴシック体で「大日本インキ化学工業株式会社」の文字を書してなるのに対し、本件登録商標は、別記(2)に表示したとおり、「大日本インキ化学工業株式会社」の文字を角ばって肉太にややデザイン化された書体で書してなり、本願標章と本件登録商標は、上記のとおりの書体であって、顕著な差異を有するから、商標法第64条第1項にいう「同一の標章」とはいえないものである。
したがって、本願標章が商標法第64条に規定する要件を具備しないものとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すべき限りでない。
なお、請求人は、登録商標と相違するその防護標章の登録例を挙げて、主張するところあるも、本件と事案を異にするものである。また、当庁における審査例として、本件登録商標の防護標章登録を挙げて種々主張するも、過去にされた審査例等は具体的、個別的な判断が示されているのであって、必ずしも確立された統一的な基準によっているものとはいえず、仮にその中に矛盾や誤りがあるとしても、具体的事案の判断においては、過去の審査例等の一部の判断に拘束されることなく検討されるべきものであるから、この点に関する請求人の主張も採用することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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