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Trademark Appeal Case

地名と一般名称の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2014−20527(T2014−20527/J1)
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は,登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は,「神戸コレクション」の文字を標準文字で表してなり,第16類,第35類,第41類及び第45類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として,平成24年11月14日に登録出願されたものであり,その後,当審における平成26年10月10日付けの手続補正書により,第41類「ファッションショーの企画・運営又は開催」に補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は,「本願商標の構成中『神戸』の文字は,『兵庫県の南東部,大阪湾に面する市。』を意味する『神戸』の表音をローマ字表したものであり,『コレクション』の文字は,『有名デザイナーなどの発表する,そのシーズンの一連の新作。また,その発表会。』などを意味する外来語であり,いずれの語も一般に広く使用され,理解されているものといえる。また,新聞記事情報によれば,男性向け衣装の発表会のことを『メンズコレクション』と,女性向けの衣装の発表会を『レディースコレクション』等と,使用されている実情も認められ,これらの中には,『地名』,『地域名』を表す文字との組み合わせにより普通に使用されているものもある。さらに,『コレクション』,『COLLECTION』の語は,ファッション業界において,例えば,パリで開催されるコレクションをパリコレクションと称するように,そのコレクションの開催地名を併記して使用している実情が認められる。そうとすれば,本願商標は,これをその指定役務中『興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。)』に使用するときには,『兵庫県神戸市において開催される有名デザイナーなどの発表するそのシーズンの一連の新作を発表する発表会(ファッションショー)』若しくは『兵庫県神戸市において開催される発表会(ファッションショー)において有名デザイナーなどの発表するそのシーズンの一連の新作』程の意味合いを容易に理解,認識させるにとどまるものであるから,単に役務の質を表示するにすぎないものと認める。したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当し,前記役務以外の役務に使用するときは,役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるから,同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定,判断し,本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第3号該当性について

本願商標は,「神戸コレクション」の文字を標準文字で表してなるところ,その構成中,前半の「神戸」の文字は,「兵庫県神戸市」を表すものと理解され,また,後半の「コレクション」の片仮名は,「有名デザイナーなどの発表する,そのシーズンの一連の新作。また,その発表会。」などを意味する英語の「collection」の読みを表すものとして理解されることから,本願商標は,「兵庫県神戸市で開催される発表会(ファッションショー)」程の意味合いを理解させるものというのが相当である。

また,本願商標の指定役務を取り扱う業界においては,ファッションショーの開催地の名称と「コレクション(COLLECTION)」の文字とを組み合わせて,例えば,パリで開催されるファッションショーについて「パリコレクション(Paris Collection)」と,「ミラノ」で開催されるファッションショーについて「ミラノコレクション(Milano Collection)」と,ベルリンで開催されるファッションショーについて「ベルリンコレクション(Berlin Collection)」等のように,ファッションショーの名称として使用されている実情がある。

そうとすれば,上記のとおり,「神戸市で開催される発表会(ファッションショー)」程の意味合いを表すものとして理解される本願商標を,その指定役務に使用しても,これに接する取引者,需要者は,「神戸市で開催されるファッションショーの企画・運営又は開催」であるという程の意味合いとして理解するにとどまり,本願商標は,単に役務の質(内容)を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であって,自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものと認められる。

したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当する。

(2)商標法第3条第2項について

請求人は,「本願商標を永きにわたり請求人主催の日本最大級のファッションイベント『神戸コレクション』について継続して使用した結果,自他役務の識別力を十分に具備するまで至っているものであるから,商標法第3条第2項に規定に該当する。」旨を主張し,証拠方法として,当審において第1号証ないし第91号証(原審において提出したものを含む。)を提出している。

そこで,本願商標が商標法第3条第2項の要件を具備するか否かについて検討するに,請求人が提出した証拠によれば,請求人は,2002年(平成14年)8月31日に,神戸市において,「神戸コレクション(KOBE COLLECTION)」の名称で,ファッションショー及び音楽イベントを企画,開催(主催は請求人,企画制作は請求人を含む神戸コレクション制作委員会)したものであり,かかるイベントは,その後,現在に至るまで毎年2回開催されているものである。

そして,請求人は,2004年(平成16年)からは,神戸公演と,東京公演(2012年に「東京ランウェイ」に改めるまで)を開催したほか,名古屋,横浜及び上海においても開催したことが認められる。

また,請求人は,該「神戸コレクション」の開催については,そのチケット,はがき,封筒,パンフレット,チラシ等に「KOBE COLLECTION」の文字と共に本願商標を表示しているほか,各種雑誌及び新聞に記事及び広告の掲載,インターネット情報等,多数広告,宣伝しているものである。

さらに,「神戸コレクション(KOBE COLLECTION)」の2011年ないし2014年の実施報告書によれば,その集客数は,「神戸公演」については,1万2千ないし1万3千人であり,「東京公演」(2011年)については,5千人であることが認められる。

そうとすれば,「神戸コレクション」の文字は,ファッション業界の需要者において,全国的に知られているものとみるのが相当である。

してみれば,本願商標は,本願指定役務について請求人により使用をされた結果,需要者が,請求人の業務に係る役務であることを認識するに至ったものと判断するのが相当であるから,本願商標は,商標法第3条第2項の要件を具備しているものというべきである。

(3)むすび

以上のとおり,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当するとしても,同法第3条第2項の要件を具備するものである。

その他,本願について拒絶の理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。

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