結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2014−300016(T2014−300016/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第4894803号商標(以下「本件商標」という。)は、「スマートサーボ」の文字を標準文字により表してなり、平成17年1月25日に登録出願、第7類「機械要素(陸上の乗物用のものを除く),動力伝導装置」及び第9類「制御用の機械器具」を指定商品として、同年9月16日に設定登録され、その後、その指定商品中、第7類「制動装置」について一部放棄による商標権の登録の抹消の申請が同26年11月17日に受付けられ、その登録の一部抹消がされているものである。
そして、本件審判の請求の予告登録は、平成26年1月27日にされたものである。
当合議体は、被請求人に請求人提出の弁駁書を送付した上で、本件の審理を口頭審理によるものとし、審理事項通知書により両当事者に合議体の暫定的見解を示し意見を求めた。
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べた。
(1)請求の理由
本件商標は、その指定商品中、第7類「機械要素(陸上の乗物用のものを除く)」のうちの「制動装置」について、継続して3年以上日本国内において使用した事実が存しないから、商標法第50条の規定によりその登録は取り消されるべきである。
(2)答弁に対する弁駁
ア 被請求人の提出した乙第3号証によれば、「スマートサーボRC−1」及び「BMスマートサーボ」が商品名として取引伝票に記載されており、本件審判の請求の登録前3年以内において、本件商標が乙第1号証及び乙第2号証に記載の模型飛行機用の電気的なアクチュエータについて、1度の使用があったかに認められる。
イ しかし、本件商標が第7類の「機械要素(陸上の乗物用のものを除く)」のうちの「制動装置」について使用されたという事実は、被請求人の主張に拘わらず、提出した証拠には見あたらない。
乙第1号証及び乙第2号証に記載の模型飛行機用の電気的なアクチュエータは、「制動装置」に属する商品ではなく、それとは非類似の商品である、第9類の制御用の機械器具、例えば、理化学器具(模型及び標本)に属する商品であると考えられる。
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第3号証(枝番を含む。)を提出した。
(1)答弁の理由
ア 本件商標の使用の状態
被請求人は、平成17年8月より「スマートサーボRC−1」として、ウェブサイトにて販売を開始している。同ウェブサイトにて、現在まで継続して情報を掲載、販売を継続している(乙1及び乙2)。
このように、同技術を用いた製品群を「スマートサーボ」シリーズとして使用している。
イ 使用の事実
過去3年間において、「スマートサーボRC−1」及び同ウェブサイトにて販売されている「BMスマートサーボ」は、継続して販売しており、2011年2月16日にも販売を行っている(乙3)。
ウ 指定商品について
「スマートサーボRC−1」及び「BMスマートサーボ」は、ウェブサイト上で記載しているように、アクチュエータと記して販売を行っている。特に、用途を限られるものではなく、様々な器具に応用可能な製品・技術として単独で販売を行っている。そのため、指定商品・役務については、主たる製品を指定しない「機械要素(陸上の乗物用のものを除く)」として登録を行った。
もちろん、制動装置についても利用可能な技術であり、特にラジオコントロール用模型飛行機の空力制動装置としても認知されている。ラジオコントロール用に特化したパッケージである「スマートサーボRC−1」は、ウェブサイトにて模型飛行機の可動翼を動作させるデモ動画を掲載している。ウェブサイトの動画では、尾翼垂直翼と補助翼(エルロン)に「スマートサーボRC−1」を組み込んだものを掲載している。飛行中エルロンを大きく動作させることにより、空力抵抗を増加し、制動をかけることは空力制動技術として広く知られており、すなわち、「スマートサーボRC−1」も制動装置として用いられている。
(2)弁駁に対する反論などについて
被請求人は、前記3の請求人の弁駁に対して何ら反論もせず、また、審理事項通知に対し、「口頭審理に出頭しないし、口頭審理陳述要領書の提出をしない。また、本件の取消し請求に係る商品についての放棄を考えている。」旨の電話応対した。
(1)被請求人の提出した証拠によれば、以下の事実が認められる
ア 乙第1号証は、商標権者のウェブサイトであって、「スマートサーボ RC−1」の商品紹介には、「全く新しい原理の左右対称動作が可能な差動型サーボアクチュエータです。」、「R/C(ラジコン)用デジタルプロポのサーボモーターと同じ信号や電源で動きます。」と記載されており、また、乙第2号証は、前記「スマートサーボ RC−1」の取り扱い説明書であるところ、これらの記載から、ものを動かすための装置といえ、「制動装置」とはいい難い。
イ 乙第3号証は、出荷日付を平成23年2月16日のご注文先を「玉川大学工学部」とする「BM納品書(控)」であるところ、商品名の欄に「SmartServoRC−1」、「スマートサーボRC−1評価キット」及び「BMスマートサーボTK−B10」の記載が認められるものの、該納品書には、商標権者の表示がなく、商標権者が発行した納品書であるか確認できない。また、商標権者と納品者との関係も確認できない。
ウ 以上からすると、本件審判の請求の登録前3年以内に、商品「制動装置」について本件商標の使用をしていることが確認できない。
そうすると、被請求人の提出した証拠のみをもってしては、要証期間に日本国内において、商標権者、専用使用権者及び通常使用権者が請求に係る指定商品の「制動装置」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用したものとは認めることができない。
他に、本件商標を要証期間に日本国内において「制動装置」について使用した事実を客観的に裏付ける証拠の提出はない。
(2)むすび
以上のとおりであるから、被請求人は、要証期間に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその取消請求に係る指定商品について、本件商標の使用をしていることを証明したものと認めることはできない。また、被請求人は、本件商標の使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしていない。
そして、本件審判の請求に係る指定商品「制動装置」について、一部放棄による登録の抹消がされているが、本件審判の請求の予告登録日(平成26年1月27日)後にされた一部放棄(同年11月17日受付)の効力は、該受付から将来に向けて発生するものであり、本件審判の請求時には存在していたと認められるから、本件審判の請求について上記のとおり判断した。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。