Trademark Appeal Case
地名商標の要部認定
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2013−20053(T2013−20053/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「しあわせ牛」の文字を標準文字で表してなり、第29類「牛肉,牛肉製品」を指定商品として、平成24年11月16日に登録出願されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願の拒絶の理由に引用した登録第4725349号商標(以下「引用商標」という。)は、「千葉しあわせ牛」の文字を横書きしてなり、平成14年10月4日に登録出願、第29類「牛肉」を指定商品として、同15年11月14日に設定登録されたものであり、その後、同25年11月19日に商標権の存続期間の更新登録がされているものである。
3 当審の判断
(1)本願商標
本願商標は、前記1のとおり、「しあわせ牛」の文字を標準文字で表してなるものであるから、その構成文字に相応して、「シアワセギュウ」又は「シアワセウシ」の称呼を生じるものであり、また、該文字は、「しあわせ」の語と「牛」の語とを組み合わせてなるものであるから、その構成全体から「幸せ(幸福)な牛」程の意味合いを想起させるものといえる。
(2)引用商標
引用商標は、前記2のとおり、「千葉しあわせ牛」の文字を横書きしてなるものであり、その指定商品を「牛肉」とするものである。
ところで、商品「牛肉」を取り扱う業界においては、近年、県単位あるいは地域単位でのいわゆるブランド産品としての牛肉の生産、販売が積極的に行われているところ、そのような牛肉については、その名称として、県名又は地域名の表示と「○○牛」(「○○」の部分は、任意の文字等)の表示とを組み合わせてなる「(県名又は地域名)○○牛」の表示を用いることが少なからずあり、さらに、該表示中の県名又は地域名の部分を省略する場合もあるというのが実情である(別掲1参照)。
また、引用商標の使用に係る商品「牛肉」は、平成12年頃から生産、販売が始まり、その後、主に千葉県の産品に係るイベント等への出展や、飲食店への食材提供、食肉加工品の原材料等といった取引がなされている上、千葉県が行う千葉県産牛肉の販促活動において紹介がされるなどしており、その取引等の際に、「千葉しあわせ牛」の表示が用いられるのみならず、千葉県産の「しあわせ牛」である旨の表示が用いられている事実も見受けられる(別掲2参照)。
そうすると、引用商標をその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、引用商標の構成中の「千葉」の文字部分が商品の産地、すなわち、千葉県産の商品であることを表したものとして看取、理解することも決して少なくないとみるのが相当である。
してみれば、引用商標は、その構成中の「しあわせ牛」の文字部分が、自他商品識別の際の要部となり、取引者、需要者に強く支配的な印象を与えるものといえるから、該文字部分に相応して、本願商標における場合と同様、「シアワセギュウ」又は「シアワセウシ」の称呼を生じ、「幸せ(幸福)な牛」程の意味合いを想起させるものといえる。
(3)本願商標と引用商標との類否について
本願商標と引用商標との類否について検討するに、両者は、その構成全体の比較においては、「千葉」の文字の有無という差異を有するものの、自他商品識別の際の要部たる「しあわせ牛」の文字部分についてみれば、その構成文字を共通にするものであって、「シアワセギュウ」又は「シアワセウシ」の称呼及び「幸せ(幸福)な牛」程の意味合いを生ずる点においても共通するものであるから、これらを総合勘案すれば、相紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
また、本願の指定商品は、引用商標の指定商品と類似する商品である。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(4)請求人の主張について
請求人は、既登録例を挙げつつ、引用商標は、その全体が一体的にとらえられて初めてその出所を認識でき、銘柄牛の名称としての機能を果たすものであるから、「チバシアワセギュウ」又は「チバシアワセウシ」の称呼のみを生じ、それ以外の称呼をもって取引に資されることはないと判断されるべきである旨主張する。
しかしながら、引用商標は、その使用に係る商品「牛肉」についての取引の実情に鑑みれば、その構成中の「しあわせ牛」の文字部分が自他商品識別の際の要部となり、取引者、需要者に対し、強く支配的な印象を与えるものであって、該文字部分に相応して、「シアワセギュウ」又は「シアワセウシ」の称呼を生じ、「幸せ(幸福)な牛」程の意味合いを想起させるものであること、上記(2)において認定、判断したとおりであるから、この点についての請求人の主張を採用することはできない。
(5)まとめ
以上によれば、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであり、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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