1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第5類、第10類、第42類及び第44類に属する日本国を指定する国際登録において指定された商品及び役務を指定商品及び指定役務として、2011年(平成23年)5月11日にFranceにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、同年11月9日に国際商標登録出願されたものである。
その後、本願の指定商品及び指定役務については、原審における平成24年10月9日付け手続補正書により補正がされた結果、第5類、第10類、第42類及び第44類に属する別掲2のとおりの商品及び役務になったものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『NanoXray』の欧文字を横書きしてなるところ、その構成中の前半の『Nano』の文字は『10億分の1、微小』を意味する接頭語であり、また、後半の『Xray』の文字は『X線、レントゲン線』の意味を有するものであるから、これを本願指定商品又は指定役務に使用するときは、『極めて小さい焦点に照射可能なX線装置及びこれを利用した役務』、『極めて短い時間照射可能なX線装置及びこれを利用した役務』、『極めて小さい対象物を撮影可能なX線装置及びこれを利用した役務』あるいは『極めて小さい焦点・対象物に極めて短い時間照射可能なX線装置及びこれを利用した役務』程度の意味合いを容易に看取、認識するものといわなければならず、商品の品質又は役務の質・内容を認識させるものであり、自他商品又は自他役務の識別標識としての機能を果たさないものといわざるを得ない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、上記商品又は役務以外の商品又は役務に使用するときは、商品の品質又は役務の質の誤認を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、別掲1のとおり、「NanoXray」の欧文字を横書きしてなるところ、その構成の各文字は、大文字と小文字が混在しているものの、同じ書体、同じ大きさをもって等間隔にまとまりよく一体的に表されているものである。
そして、本願商標の構成中、「Nano」の文字は「基本単位の10億分の1」を表す単位名の接頭語であって、通常、基本単位であるメートルや秒と組み合わせて使用されるものであり、また、「Xray」の文字は「エックス線」の意味を有する語である。
そうすると、本願商標は、上記の各文字の意味に照らしても、その指定商品及び指定役務との関係において、特定の商品の品質又は役務の質・内容を直接的かつ具体的に表示したものとして認識されるとはいい難いものである。
また、当審において職権をもって調査するも、「NanoXray」の文字が、本願の指定商品又は指定役務を取り扱う業界において、商品の品質又は役務の質・内容を表示するものとして使用されている事実も見いだせなかった。
してみれば、本願商標は、構成全体をもって特定の語義を有することのない一種の造語として認識されるとみるのが相当であるから、これを、その指定商品及び指定役務について使用しても、商品の品質又は役務の質・内容を表したものと認識されるとはいえず、自他商品又は自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものであり、かつ、商品の品質又は役務の質の誤認を生ずるおそれはないものである。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。