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Trademark Appeal Case

料理名の普通名称性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2014−900158(T2014−900158/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5651443号商標の指定商品中、「加工野菜,カレー・シチュー又はスープのもと」についての商標登録を取り消す。
本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての商標登録を維持する。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第5651443商標(以下「本件商標」という。)は、「CACCATORE」と「カッチャトーレ」の文字を二段に書してなり、平成24年12月7日に登録出願、第29類「加工野菜及び加工果実,カレー・シチュー又はスープのもと,お茶漬けのり,ふりかけ,豆乳」を指定商品として、同26年1月7日に登録査定され、同年2月21日に設定登録されたものである。

第2 登録異議の申立ての理由(要点)

本件商標は、「CACCATORE」と「カッチャトーレ」の文字を表示したものであるから、その指定商品中「トマト・ローズマリー・にんにく・ヴィネガー・ワイン等を煮込んだ加工野菜,トマト・ローズマリー・にんにく・ヴィネガー・ワイン等を煮込んだカレー・シチュー又はスープのもと」に使用しても、取引者・需要者は、「トマト・ローズマリー・にんにく・ヴィネガー・ワイン等を煮込んだもの」という意味合いを認識するにすぎず、該商品以外の「加工野菜,カレー・シチュー又はスープのもと」に使用するときは、需要者が「トマト・ローズマリー・にんにく・ヴィネガー・ワイン等を煮込んだもの」であるかの如く、商品の品質を誤認するおそれがあるものである。

したがって、本件商標は、登録異議申立に係る商品「加工野菜及び加工果実,カレー・シチュー又はスープのもと」について、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するから、商標法第43条の2第1号により、取り消されるべきである。

第3 本件商標の取消理由

審判長は、平成26年9月26日付けで商標権者に対し、理由を示して本件商標を取り消すべき旨の通知をした。その理由は、次のとおりである。

1 「カッチャトーレ」について

(1)登録異議申立人提出の甲各号証によれば、次のとおりである。

ア 甲第1号証の2は、2014年6月23日にプリントアウトされた「猟師料理のカッチャトーレ」と題するウェブページであり、そこには「カッチャトーレとは漁師料理という意味で、主に鶏肉やたまねぎ、きのこ、マッシュルーム、トマトなどを食材として煮込んだものを言います。」「カッチャトーレの作り方は・・・たまねぎ、ピーマンを炒めてワインを入れて煮込みます。」の記載がある。

イ 甲第1号証の4は、「あしのあしあと」と題するウェブページであり、2010年(平成22年)9月7日に掲載されたと認められる記述の「前菜/主菜」の項に、「カッチャトーレ ⇒“猟師風”という意味。肉類を、トマト、香草、ワインで煮込んだお料理」の記載がある。

ウ 甲第4号証の2は、「イタリア食文化 こぼれ話」と題するウェブページであり、2007年(平成19年)4月3日に掲載されたと認められる記述に、「・・・コトレッタ・アッラ・ミラネーゼ(ミラノ風カツレツ)かポッロ・アッラ・カッチャトーレ(猟師風鶏肉料理)のどちらかを選べるセコンド(第二の皿)・・・」の記載がある。

エ 甲第4号証の3は、2014年6月23日にプリントアウトされた「ハーレクイン図書館 グルメ館」と題するウェブページであり、そこには「チキンのカッチャトーレ 『許しの天使』」の項に、「・・・カッチャトーレというのは狩人・猟師風という意味。・・・カッチャトーレはお肉料理の代表。鶏肉など淡泊な肉をニンニクとハーブ、トマト、ワインビネガーかワインで煮込んだイタリア料理です。」の記載がある。

オ 甲第4号証の4は、「BUON’ITALIA」と題するウェブページであり、2004年(平成16年)5月28日に掲載されたと認められる「カッチャトーレ」を表題とする記述に、「カッチャトーレというのは猟師風という意味でいろいろな肉をニンニクとローズマリー、ワインビネガーかワインで煮込んだ物のことをいう。」の記載がある。

カ 甲第4号証の8は、「COOKPAD」と題するウェブページであり、2013年年(平成25年)1月15日を公開日とする「チキンカッチャトーレ・ペンネ添え」のレシピが掲載され、そこには「鶏胸肉をトマトソースでしっとりと煮込みました・ペンネなどお好みのパスタと一緒にどうぞ」の記載がある。

(2)上記(1)からすれば、次の事実を認めることができる。

ア 「カッチャトーレ」とは、概して「鶏肉などの各種の肉をトマト、ニンニク、香草、ワイン(又はワインビネガー)などで煮込んだもの」をいい、料理名の一つであること。

イ 上記アの事実は、本件商標の登録査定日以前からのものであること(上記(1)イ、ウ、オ、カ)。

2 商標法第3条第1項第3号について

(1)本件商標は、「CACCATORE」と「カッチャトーレ」の文字からなるものである。

そして、その構成中「カッチャトーレ」の文字は、上記1(2)のとおり料理名の一つである「カッチャトーレ」と同一の文字であるから、該文字は上記料理「鶏肉などの各種の肉をトマト、ニンニク、香草、ワイン(又はワインビネガー)などで煮込んだもの」の料理名を表したものということができる。

また、「CACCATORE」の文字は、本件商標の指定商品を含む各種商品について、その商品名などに欧文字を用いること、欧文字と日本語を併用すること、及び日本語を欧文字表記することが一般に行われていることを考慮すると、該文字は我が国で親しまれた語ではないことと相まって、「CACCATORE」と「カッチャトーレ」の文字からなる本件商標に接した取引者・需要者をして、「カッチャトーレ」の文字を欧文字表記したものと認識されると判断するのが相当である。

そうすると、本件商標は、その構成全体としても、これに接する取引者・需要者をして、「カッチャトーレ」という料理名を表示したものと認識させるにすぎないものというべきである。

そして、上記1(2)イの事実からすれば、かかる取引者・需要者の認識は、本件商標の登録査定日以前においても同様であったということができる。

(2)してみれば、本件商標は、その登録査定時において、これをその指定商品中「加工野菜」について使用するときは、これに接する取引者・需要者をして、その商品の用途を表示したものと認識させるにすぎないものといわざるを得ない。

また、本件商標を「カレー・シチュー又はスープのもと」に使用するときは、当該商品を含む各種食品業界においては、レトルト商品や各種の料理のもとが多数取引されていることから、これに接する取引者・需要者をして、本件商標を「カッチャトーレ(という料理)のもと」であることを表示したもの、すなわち商品の品質を表示したものと認識させるにすぎないものといわざるを得ない。

したがって、本件商標は、その登録査定時において、これをその指定商品中「加工野菜」について使用するときは商品の用途を、「カレー・シチュー又はスープのもと」に使用するときは商品の品質を普通に用いられる方法で表示したものと認識させるにすぎないものであって、自他商品識別標識としての機能を果たし得ないものであるから、商標法第3条第1項第3号に該当するものである。

(3)以上のとおり、本件商標は、その指定商品中「加工野菜,カレー・シチュー又はスープのもと」についての登録は、商標法第3条第1項第3号に違反してされたものといわなければならない。

第4 商標権者の意見

審判長は、上記第3の取消理由に対して、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、商標権者は、何ら意見を述べていない。

第5 当審の判断

上記第3のとおり、本件商標は、これをその指定商品中「加工野菜」について使用するときは商品の用途を、「カレー・シチュー又はスープのもと」に使用するときは商品の品質を普通に用いられる方法で表示したものと認識させるにすぎないものというべきであるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。

したがって、本件商標は、その指定商品中「加工野菜,カレー・シチュー又はスープのもと」についての登録は、商標法第3条第1項第3号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の3第2項の規定により、取り消すべきものである。

しかし、その余の指定商品についての登録は,取り消すべき理由はないから、商標法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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