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Trademark Appeal Case

地名と産地表示の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2014−7867(T2014−7867/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「リマ」の片仮名を標準文字で表してなり、第3類を指定商品として、平成25年7月18日に登録出願され、その後、指定商品については、原審における同年12月25日付けの手続補正書により、第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,香料,薫料」に補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、主要な工業が集中し、経済・文化の中心であるペルーの首都であって、商品の産地・販売地を認識させる『リマ』の文字を標準文字で表してなるものであるから、これをその指定商品に使用しても、取引者・需要者に「(ペルーの首都である)リマで生産あるいは販売される商品」であることを認識させるにとどるものであり、自他商品を区別するための識別標識としての機能を有せず、単に商品の産地・販売地を普通にい用いられる方法で表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第3号及び商標法第4条第1項第16号該当性について

ア 本願商標は、前記1のとおり、「リマ」の片仮名を標準文字で表してなるものである。

そして、「リマ」の文字(語)は、株式会社岩波書店「広辞苑 第六版」における「リマ Lima」の項には、「南米、ペルー共和国の首都。1535年ピサロの創建した植民地都市。太平洋岸に位置し、外港はカヤオ。人口707万5千(2003)。」とあり、株式会社三省堂「コンサイス外国地名事典」における「リマ Lima」の項には、「同国の首都、リマ県の県都。リマック川沿岸の標高155メートルに位置。西約11キロメートルにホルヘ−チャベス国際空港あり。人口570.6万(’93)。同国における経済・文化の中心。商工業の大部分が集中し、繊維・食品・雑貨などの軽工業や、自動車・石油化学工業などが発達。交通の大動脈をなすパン−アメリカン−ハイウェイが貫通。中央道やセントラル鉄道が市を起点としてアンデス山脈を越え、アマゾン川の低地にまでのびる。西には外港カヤオが隣接。植民地時代の建築物が多く残り、1988年歴史地区がユネスコ世界文化遺産に登録。1551年創設の南アメリカ最古のサン−マルコス大学や国立人類学博物館・黄金博物館・天野博物館の所在地。」とあり、また、株式会社三省堂「コンサイスカタカナ語辞典」における「リマ Lima」の項には、「南米、ペルー共和国の首都。1535年、征服者ピサロによっって建設された都市で、スペインの南米侵略の拠点にあった。南米最古のサン−マルコス大学をはじめとし、植民地時代からの古い建物が多く残っている。近くにはインカ帝国の遺跡も多い。」と、それぞれ記載されているものである。

そうすると、「リマ」は、ペルー共和国の首都で、各種工業が発達した同国の商工業の中心地で、かつ、交通の要衝地であり、また、世界文化遺産に登録された地を擁する観光地として、我が国においても相当知られた土地であるということができる。

イ 加えて、同国と我が国の指定商品の分野における関係についてみるに、以下の(ア)ないし(エ)のインターネット情報が示すとおり、本願商標の指定商品に含まれるせっけん及び化粧品が、ペルー共和国で生産され、販売され、日本国内にも輸入されている実情がある。

(ア)「Bionaturista」のウェブサイト中、「ペルー原産の高品質な健康食品や化粧品を皆様のお手元まで、責任を持ってお届けいたします。」との記載とせっけんの写真の掲載がある。

(http://bionaturista.shop-pro.jp/)

(イ)「カラメル」のウェブサイト中、「ペルー原産天然100%にこだわったビオ・ナトリスタ社の健康食品や化粧品を皆様のお手元まで責任を持ってお届けいたします。」との記載とカタツムリ粘液クリームの写真の掲載がある。

(http://calamel.jp/go/shop/PA01180715)

(ウ)「XINHUA.JP」のウェブサイト中、「ペルー、化粧品・衛生製品の売上高が14億ドルに」の見出しの下、「【新華社リマ22日=賈安平】 南米・ペルー最大の商工業者団体、リマ商工会議所によると、今年、ペルー国内の化粧品と衛生関連製品の売上高は前年同期比15%増の14億米ドルとなる見込みだ。」との記載がある。

(http://www.xinhua.jp/socioeconomy/economic_exchange/260173/)

(エ)「WOMAN nikkei Online」のウェブサイト中、「ペルー版ガマの油ならぬ“かたつむりのよだれ”」の項に、「ペルー独自のいい化粧品はないかと聞いてみたところ、教えられたのが「Baba de Caracol(ババ・デ・カラコル)」。ペルーでは昔から使われている天然素材のクリームで、お肌の再生を助けニキビや傷跡を消し、シミやシワをも取るという夢のような化粧品なのだとか。しかし、その天然成分は何かと聞くと、皆揃って苦笑する。それもそのはず、「Caracol」は「カタツムリ」、「Baba」は「唾液、よだれ」、その名の通り、これはカタツムリの粘液を使ったクリームなのだ。」との記載がある。

(http://wol.nikkeibp.co.jp/article/column/20090901/103940/)

ウ 以上のとおりであるから、「リマ」の片仮名からなる本願商標は、我が国においてもペルー共和国の首都を表すものとして容易に認識されるものとみるのが相当であり、これをその指定商品に使用したときは、上記イのような事情をも勘案するならば、それに接する取引者、需要者は、商品の産地又は販売地を表したものであると認識することが決して少なくないものと判断するのが相当である。

してみれば、本願商標は、その指定商品の産地又は販売地を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であって、商標法第3条第1項第3号に該当するものであり、加えて、その指定商品中、「リマ」以外で生産、販売された商品に使用するときは、その商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるものといわなければならないから、同法第4条第1項第16号にも該当する。

(2)まとめ

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであって、登録することができないものであるから、同号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当なものであり、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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