Trademark Appeal Case
称呼類似性と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成9年審判第17340号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本出願に係る商標(以下、「本願商標」という。)は、後掲したとおりの構成よりなり、第5類「薬剤,衛生マスク,ガーゼ,眼帯,耳帯,生理帯,脱脂綿,ばんそうこう,包帯」を指定商品として、平成7年5月15日登録出願されたものである。
2 引用商標
原査定が本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するものとして、その拒絶の理由に引用した登録第2117309号商標(以下、「引用商標」という。)は、昭和58年8月5日登録出願、「SPACE」の欧文字よりなり、第1類「薬剤、その他本類に属する商品」を指定商品として、平成1年2月21日に設定の登録がされ、該登録に係る権利は、同10年11月4日に存続期間の更新登録がされているものである。
3 当審の判断
本願商標は、後掲に示すとおり、鼓(つづみ)を横に並べた如き形状の図形、すなわち、邦紋章においていう「二つ立鼓(りっこ)」の図形(以下、「立鼓紋」という。)並びに同図右横に配した平行する二本の細線間隙内に「SPACE」の欧文字を表してなるものである。
しかして、該「SPACE」の文字は、「スペース」と読まれ、「空間、余白、場所」等を意味する平易な英語といえる一方、立鼓紋は、必ずしもその呼称と意味合いをもって世上一般に親しまれ馴染まれている図形とはいい難いものである。そして、これら図形と文字部分とを常に一体のものとして把握すべきような意味上の関連性はなく、かつ、その証拠も見出せない。
かかる場合、前記図形と文字の各部分はそれぞれが独立して商品識別の機能を果たし得るものというべきであるから、本願商標に接する取引者、需要者は、構成中、より親しみ易く称呼し易い「SPACE」の文字部分に着目し、該文字より生ずる「スペース」の称呼及び前記観念をもって簡便に取引に当たる場合も決して少なくないというのが取引の経験則に照らし相当である。
したがって、本願商標からは、単に「スペース」(空間、余白、場所)の称呼・観念も生ずるものといわなければならない。
他方、引用商標は、前記したとおり、「SPACE」の欧文字よりなるものであるから、該文字に相応して生ずる「スペース」(空間、余白、場所)の称呼・観念をもって取引に資される商標と認められる。
そうすると、本願商標と引用商標とは前記称呼及び観念を共通にする点で紛らわしく、また、本願商標の指定商品の取引分野において、商標より生ずる称呼(及び観念)をもって簡便に取引に当たることは普通に行われるところであって、殊更外観のみにより取引に当たるとする事情も見出せないから、結局、両者の外観の差異を考慮するとしても、なお、両者はその出所について混同を生ずるおそれのある互いに類似の商標といわなければならない。
また、本願商標の指定商品は、いずれも引用商標の指定商品中に内包されるものと認められる。
してみれば、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものといわざるを得ないから、これを理由に本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。
請求人は、請求の理由において、本願商標は特別の図形とSPACEの文字とを併用して使用されるものであって、これよりは「黒三角スペース」の如く称呼される旨述べているが、本願商標が「黒三角スペース」と称呼されるというべき合理的理由は見出し難く、また、仮にそうであっても、本願商標より前記称呼・観念を生ずるとする点は否定し得ないものであり、かつ、本件については、その指定商品の分野における取引事情を考慮するに前記認定、判断を相当とするから、その主張は採用の限りでない。
また、請求人は、他の審査事例(「XSPACE」と「SPACE」)を挙げて(甲第2号証ないし甲第3号証,甲第5号証ないし甲第6号証)、本事案も同様に判断されるべきである旨述べているが、該事案は商標の構成その他において本件とは事案を異にし、それをもって本件の類否判定の基準とすることは適切でないから、その主張は採用することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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