Trademark Appeal Case
品質表示の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2013−18220(T2013−18220/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第3類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として、平成24年9月7日に登録出願、その後、本願の指定商品については、原審における同25年3月5日付け手続補正書により、第3類「洗濯用漂白剤,洗濯用蛍光増白剤,洗濯用柔軟剤,しみ抜き剤,工業用香料(食品香料を除く。),香料,薫料,洗濯用洗剤,洗浄剤(煙突用化学洗浄剤を除く。),つや出し剤,クレンザー,研磨剤,せっけん類」と補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、上段に『Sawayaka Soap & Floral no kaori』、下段に『さわやかソープ&フローラルの香り』の文字を併記してなるものであるところ、下段部分は『さわやか』が『すがすがしく快いさま、気分のはればれしいさま』、『ソープ』が『石鹸』、『フローラル』が『花の、花のような』の意を表し、いずれもよく知られる語であって、そのつながりから全体として『さわやかな石鹸と花の香り』程の意味合いが容易に認識され、その指定商品との関係では商品の品質(香調)を表す語として看取されるにとどまるものであり、また、上段部分はこれを一部原語を交えてローマ字表記したとみられるものであるから、本願商標をその指定商品に使用しても、単に商品の品質(香調)を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審においてした証拠調べ
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、別掲2に示す事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対して、平成26年4月15日付け証拠調べ通知書によってこれを開示し、期間を指定して、意見を述べる機会を与えた。
4 証拠調べ通知に対する請求人の意見の要旨
請求人は、前記3の証拠調べ通知に対して、平成26年7月18日付け意見書において、要旨以下のように述べ、証拠として甲第32号証ないし甲第35号証を提出した。
(1)本願商標は、外観上一体性の高い構成であり、かつ、観念上も特定の語のみが強く認識されることのないように軽重の差なく結合されたものであって、商標全体で一体不可分の造語商標として取引者、需要者に認識されるべきものであるから、上記3の証拠調べの事実が本願商標の自他商品識別力を否定する理由にはならない。
(2)本願商標の構成を「さわやか」「ソープ」「&」「フローラル」「香り」の各語に分解すれば、それぞれの語が本願の指定商品の分野で複数の事業者に使用されていることは認めるが、これらの語が他の語と結合して、全体として漠然とした香りのイメージを強調することが盛んに行われている本願の指定商品における最近の取引の実情を鑑みれば、本願商標も暗示的な商標の一種であると認識するのが自然であり、本願商標は全体として自他商品識別力を発揮するものと考えるのが妥当である(甲第32号証ないし甲第35号証)。
(3)以上を踏まえれば、本願商標は、その指定商品に使用された場合、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものであり、登録されるべきものである。
5 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、別掲1のとおり、上段に「Sawayaka Soap & Floral no kaori」の文字を、下段に「さわやかソープ&フローラルの香り」の文字を書してなるところ、該構成文字中の「ソープ/Soap」は「石けん」、「フローラル/Floral」は「花の」の意味を有するいずれも広く親しまれた語であり、また、「&」の記号は、「・・・と・・・」の意味を表し複数の語を結合する際に広く用いられているものである。
そうすると、本願商標は、構成文字全体として「さわやかな石けんと花の香り」の意味合いを容易に理解、認識されるものである。
さらに、上記3の証拠調べ通知において示した事実のとおり、本願商標の構成中の「フローラル」は香りの種類を示す香調の一である。また、「さわやかな香り」、「ソープ(せっけん)の香り」及び「フローラル(花)の香り」の文字は、本願の指定商品中、「洗濯用柔軟剤,香料,薫料,洗濯用洗剤,洗浄剤,せっけん類」等の香りを有する商品を取り扱う業界において、商品の香りを表す際に広く用いられており、「&」の記号は、香りを複合した商品について一般的に用いられているものである。
してみれば、本願商標は、これをその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「さわやかな石けんと花の香りを有する商品」であること、すなわち、商品の品質を表示したものと理解、認識するにとどまり、自他商品の識別標識としては認識し得ないものである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標は全体で一体不可分の造語商標として認識されるべきものであるから、前記3の証拠調べ通知で示した事実が本願商標の自他商品識別力を否定する理由にはならない旨主張する。
しかしながら、商標法第3条第1項第3号の商品の品質に該当するというには、我が国の取引者、需要者が商品の品質を表示するものとして認識するものであれば足りるといえるものであり、実際に商品の品質を表示するものとして使用されていることまでは必要としないと解されるところ、本願商標については、その構成中の各文字等の意味及び該文字の使用に係る実情を踏まえれば、これに接する取引者、需要者をして、全体として商品の品質(香り)を表示するものとして認識されること、上記(1)のとおりである。
イ 請求人は、甲第32号証ないし甲第35号証に示すとおり、本願商標の指定商品の分野においては、複数の語が結合して、全体として漠然とした香りのイメージを強調することが盛んに行われているから、本願商標も全体として漠然としたイメージを暗示するにすぎず、自他商品識別力を発揮するものである旨主張する。
しかしながら、複数の語を結合した「・・・の香り」の文字が、本願商標の指定商品との関係において単に商品の香りを表示するものと理解、認識される場合には、これに接する取引者、需要者は、該表示を商品の品質と表したものと理解するといえるところ、本願商標は、上記(1)のとおり、商品の品質(香り)を表したものというのが相当であるから、自他商品の識別標識として機能し得るものとはいえない。
ウ 請求人は、インターネットの検索において、請求人の使用する「さわやかソープ&はじけるフローラルの香り」の語が上位を占めているから、これに近似する「さわやかソープ&フローラルの香り」からなる本願商標に接する需要者は、本願商標を請求人の出所にかかる商品を表すものであると充分に識別することができる旨主張する。
しかしながら、本願商標については、上記(1)のとおり、商品の品質(香り)を表したものと理解、認識されるものというのが相当であり、インターネットの検索において、本願商標と異なる請求人の商品名が多数見受けられることをもって、本願商標についてした上記判断が左右されるものではない。
エ したがって、上記アないしウの請求人の主張はいずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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