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Trademark Appeal Case

キャッチフレーズの識別力と周知性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2013−900105(T2013−900105/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5550247号商標の指定商品中、第32類「飲料用青汁,粉末状の飲料用青汁のもと,清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,乳清飲料」についての商標登録を取り消す。
本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5550247号商標(以下「本件商標」という。)は、「スーッとしみこむ」の文字を標準文字で表してなり、平成24年8月6日に登録出願、第5類「薬剤(農薬に当たるものを除く。),サプリメント,食餌療法用食品,食餌療法用飲料」及び第32類「飲料用青汁,粉末状の飲料用青汁のもと,清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,乳清飲料」を指定商品として、同年12月10日に登録査定、同25年1月18日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由

登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は商標法第3条第1項第6号、同法第4条第1項第15号及び同第10号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1号により取り消されるべきものである旨申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第49号証(枝番号を含む。)を提出した。

(1)商標法第3条第1項第6号について

本件商標は、「スーッとしみこむ」の文字を標準文字で表してなるものであり、商品の内容を端的に表現するキャッチフレーズとして認識されるものであるから、これに接する取引者、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものである。

(2)商標法第4条第1項第15号について

本件商標は、申立人の周知・著名な商標「スーッとしみこむ」と同一の商標であり、その指定商品は、いずれも申立人の業務に係る商品「清涼飲料」と関連性の高いものであるから、本件商標をその指定商品に使用した場合、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。

(3)商標法第4条第1項第10号について

本件商標は、申立人の周知・著名な商標「スーッとしみこむ」と同一の商標であり、かつ、その指定商品中、第32類「飲料用青汁,粉末状の飲料用青汁のもと,清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース」は、申立人の使用に係る商品「清涼飲料」と同一又は類似するものである。

3 本件商標に対する取消理由

当審において、商標権者に対して平成25年9月27日付けで通知した取消理由は、別掲のとおりである。

4 商標権者の意見

本件商標について、上記3の取消理由を通知し、相当の期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、商標権者は、何ら意見を述べていない。

6 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第6号について

本件商標についてした上記3の取消理由は、妥当なものと認められる。

したがって、本件商標は、その指定商品中、第32類「飲料用青汁,粉末状の飲料用青汁のもと,清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,乳清飲料」については、商標法第3条第1項第6号に違反して登録されたものである。

しかしながら、申立てに係るその余の指定商品については、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標とはいえないから、同号に該当しない。

(2)その他の申立ての理由について

ア 引用商標の著名性について

申立人は、「スーッとしみこむ」等の商標(以下「引用商標」という。)は、2000年頃から商品のキャッチフレーズとして採択し、使用を開始したもので、その後、長年継続して使用された結果、本来的には自他商品識別力を有しないものであったが、現在では、申立人の周知・著名商標となっていると主張し、甲第19号証ないし甲第41号を提出しているので、その周知、著名性について検討する。

申立人は、2006年に、武田食品工業株式会社(以下「武田食品」という。)の飲料・食品事業部門が、ハウス食品株式会社と業務提携し創立された企業である(甲19、甲20)。

申立人の主力商品の一つである清涼飲料「レモンウォーター」について、少なくとも2003年には「すーっとしみこむ」の文字が、また、2008年及び2009年には「スーッとしみこむ」の文字が使用されている(甲22〜甲31)。そして、当該清涼飲料について、キャンペーンや、新聞、交通広告等による広告が行われ、その広告費は、2007年から2009年にかけて年間6億〜11億円程度、それ以降も1〜3億円程度となっている(甲32〜甲38、甲41〜甲46)。また、申立人は、2009年度〜2011年度の当該清涼飲料の年間売上高は70億円前後となっており、年間販売数量は7000万本を超えている旨主張している。

しかしながら、当該清涼飲料には、いずれも「スーッとしみこむ」等の文字に続いて「Cと水分」又は「Cの水」の文字が併記されているものであり、これらの文字からは、当該商品が「(ビタミン)Cと水分又は(ビタミン)Cの水が滑らかにしみとおるもの(飲料)」であることを容易に認識させるものである。また、「スーッとしみこむ」等の文字が、「清涼飲料、野菜ジュース」等の飲料の業界において、「その飲料が、(体や、のどに)滑らかにしみとおる」の意を表す宣伝文句として一般に使用されていること、別掲のとおりである。

そうとすれば、引用商標は、飲料との関係において、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標といえるものであって、出所識別標識として認識されるものではない。

したがって、清涼飲料を含む本件指定商品との関係において、引用商標が、我が国において、申立人に係る商標として、需要者に広く認識されていたものということはできない。

イ 商標法第4条第1項第10号及び同第15号について

前記アのとおり、引用商標は、他人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されていたものではないから、他の要件について検討するまでもなく本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当しない。

また、引用商標は、需要者の間に広く認識されていたものではないから、本件商標を、その指定商品に使用した場合に、申立人又は申立人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとく、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるとは認められないから、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。

(3)まとめ

以上のとおり、本件商標は、その指定商品中、第32類「飲料用青汁,粉末状の飲料用青汁のもと,清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,乳清飲料」については、商標法第3条第1項第6号に違反して登録されたものといわざるを得ないから、同法第43条の3第2項により、その登録を取り消すべきものである。

また、本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品については、商標法第3条第1項第6号、同法第4条第1項第10号及び同第15号に違反して登録されたものではなく、取り消すべき理由がないものと認められるから、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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