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Trademark Appeal Case

不使用取消と使用立証

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2014−300373(T2014−300373/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4923840号商標(以下「本件商標」という。)は、「サコティス」の片仮名を上段に「SAKOTIS」の欧文字を下段に横書きしてなり、平成17年5月24日に登録出願、第30類「菓子及びパン」を指定商品として、同18年1月27日に設定登録されたものである。

なお、本件審判請求の登録は、平成26年6月10日にされている。

2 請求人の主張

請求人は、本件商標の登録は取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由として、本件商標は、その指定商品について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しない旨述べ、証拠方法として甲第1号証を提出している。

なお、請求人は、後記3の被請求人の答弁に対し何ら弁駁していない。

3 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第13号証を提出している。

(1)本件商標の使用

被請求人(商標権者)は、その審判請求の予告登録日である平成26年6月10日の前3年以内(以下「要証期間内」という。)に、日本国内において、その請求に係る指定商品のうち少なくとも「菓子」(以下「本件菓子」という。)について本件商標を使用している。

(2)本件商標の使用の事実

商標権者である株式会社ユーハイムは、「高島屋 横浜店(横浜市西区南幸1丁目6番31号)」にて、本件菓子を平成26年5月28日より販売している(乙3ないし乙13)。

ア 商標権者は、平成26年より本件菓子を販売する企画をたてた。

イ 平成26年1月8日、商標権者の従業員が社内企画書を作成した(乙3)。

ウ 同年1月16日、本件商標の商標権は、ミンダウガス ザバリウナスから株式会社ペルティエに移転された。

エ 同年1月31日、商標権者は、高島屋の店舗において本件菓子を販売する企画書を株式会社高島屋に提案した(乙4)。これを補足する証拠として、本件菓子の販売マニュアルの写し(乙5)を提示する。なお、乙第5号証において、商標権者が同年5月28日より高島屋横浜店で本件菓子を販売していたことを示すべく、株式会社高島屋 横浜店 販売第7部 マネージャー 福田則子が、当該販売マニュアルの下段に「2014年5月28日より高島屋横浜店で販売しております。」と記載、及び福田則子の署名及び捺印をした。また、福田則子が株式会社高島屋の従業員であることを示すべく、福田則子の名刺の写し(乙6)を提示する。

オ 同年5月28日、本件菓子は、高島屋横浜店において販売が開始された(乙7ないし乙9)。乙第7号証は、商標権者の従業員が、同日に、高島屋横浜店において撮影した写真の写しである。右下に撮影日である平成26年5月28日を示す「2014.05.28」が表示されている。乙第8号証は、商標権者の従業員が、同日に、高島屋横浜店において撮影した乙第7号証以外の写真の写しである。これらの写真には、高島屋横浜店の開店前9時40分頃から9時50分頃までの間に撮影されたものと、開店後11時頃に撮影されたものとがある(乙9)。

乙第10号証は、株式会社高島屋 横浜店 販売第6部 マネージャー 斎藤信也氏が、同年7月14日に署名及び捺印した、標章「SakotiS」を使用した商品の販売等証明書の写しである。乙第11号証は、同年5月29日に商標権者が自身のフェイスブックページにおいて、高島屋横浜店で販売している本件菓子を宣伝するページの写しである。乙第12号証は、同年5月26日から6月8日までの、商標権者が本件菓子を高島屋横浜店に納品した納品書の写しである。乙第13号証は、商標権者の本件菓子が紹介されているサイトのページの写しである。

カ なお、本審判事件答弁書の提出日において、本件菓子は、高島屋横浜店で継続して販売されており、銀座三越でも販売されている。

(3)本件商標の使用態様

ア 商標権者が使用する本件商標の使用態様について

(ア)本件商品の包装に「SakotiS」を使用している(乙5、乙8及び乙13)。

(イ)橙色正方形のポップに標章「SakotiS」(以下、(ア)及び(イ)の標章を「本件使用商標1」という。)を使用している(乙7及び乙8)。

(ウ)橙色長方形のポップに標章「SakotiS/サコティス」(以下、(ウ)の標章を「本件使用商標2」という。)を使用している(乙7及び乙8)。

(エ)白色正方形の価格表示に標章「サコティス」を使用している(乙7及び乙8)。

(オ)商標権者のフェイスブックのページにおいて、標章「サコティス」(以下、(エ)及び(オ)の標章を「本件使用商標3」という。)を使用している(乙11)。

上記(ア)は、商標法第2条第3項第1号及び第2号の使用に該当する。

上記(イ)ないし(オ)は、同法第2条第3項第8号の使用に該当する。

イ 本件商標と本件使用商標1ないし3について

(ア)本件使用商標1は、上記ア(ア)及び(イ)のとおり、最初の文字と最後の文字が大文字で中間の文字が小文字の欧文字で横一連に構成されたものであり、本件商標とは片仮名「サコティス」が併記されていない点において相違するが、本件商標を構成する「SAKOTIS」及び「サコティス」の各語が我が国において特定の意味合いを持って広く知られた語ではないこと及び「SAKOTIS」の語が「サコティス」と称呼されるものであることを併せ考慮すると、本件商標と本件使用商標1とは社会通念上同一である。

(イ)本件使用商標2は、上記ア(ウ)のとおり、上段に最初の文字と最後の文字が大文字で中間の文字が小文字の欧文字「SakotiS」と、下段に片仮名「サコティス」を横二段に書してなるものであり、本件商標とは、上下段を入れ替え、欧文字の大文字小文字を変更したものであるため、本件商標と本件使用商標2とは社会通念上同一である。

(ウ)本件使用商標3は、上記ア(エ)及び(オ)のとおり、片仮名で横一連に構成されたものであり、本件商標とは欧文字「SAKOTIS」が併記されていない点において相違するが、本件商標を構成する「SAKOTIS」及び「サコティス」の各語が我が国において特定の意味合いを持って広く知られた語ではないこと及び「SAKOTIS」の語が「サコティス」と称呼されるものであることを併せ考慮すると、本件商標と本件使用商標3とは社会通念上同一である。

ウ 以上にとおり、本件使用商標1ないし3は、いずれも本件商標と社会通念上同一であるので、これらの使用は本件商標の使用に該当する。

(4)むすび

以上のとおり、被請求人は、要証期間内に、日本国内において、その請求に係る指定商品のうち少なくとも「菓子」について、本件商標を使用している。

したがって、請求人の主張はいずれも理由のないものである。

よって、本件商標は商標法第50条第1項の規定に該当するものでないため、答弁の趣旨のとおりの審決を求める。

4 当審の判断

(1)被請求人の主張及び提出された証拠によれば、以下の事実が認められる。

ア 乙第2号証は、2014年7月28日付けの株式会社ユーハイムの会社概要であるところ、左上部に「まっすぐなおいしさ。100年以上愛され続けるバウムクーヘンのユーハイムグループ。」、「JUCHHEIM」並びに「GROUP」の記載及び商号「株式会社ユーハイム」、本社所在地として「神戸市中央区港島中町7丁目7−4」の記載がある。

イ 乙第3号証は,平成26年1月8日付け本社企画室藤木氏による「ディー・マイスター セカンドステージ バウムクーヘン開発について」と題する社内企画書であるところ、企画概要の欄には「【スペシャルバウムクーヘンについて】バウムクーヘンの見え方を圧倒的に変え、PSならではの価値を提供する A.サコティス B.混ぜ込みバウム」の記載、ターゲットの欄には「40〜60代 女性を中心。横浜高島屋で日常的に買い物をする層。」の記載及び展開時期の欄には「平成26年4月下旬(予定)」等の記載がある。

ウ 乙第4号証は、「DIE MEISTER JUCHHEIM 2nd−Stage」と題する、株式会社高島屋に対する2014年1月30日付けの企画書であるところ、4葉目には「1 Baumkuchen−Sakotis バウムクーヘンサコティス」の見出しの下、「内側は、ディー・マイスター定番のしっとりした口当たり、外側はしっかりビスケットのように仕上げた、ディー・マイスターオリジナルの新しいサコティス。・・・」の記載とともに、パッケージイメージとして「SakotiS」(本件使用商標1)の文字が表示された包装箱の写真が掲載されている。

エ 乙第5号証は、「ディー・マイスター サコテイス 商品詳細」と題する販売マニュアルであるところ、「自然な焼き上がりを特徴としていますので商品特性上、ツノの多少のかけはご容赦いただくようにセールストークをお願いします。・・・」の記載、「PS.サコティス2,000円」及び「PS.サコティス3,000円」の各商品の写真(商品写真には赤いリボンの下に本件使用商標1が表示されている。)及び【サコティスとは】として、「販売する際は、お客様へは『サコティスという名のユーハイム・ディー・マイスターの新しいバウムクーヘン」という旨の説明をお願いします。【商標登録上の観点より】」の記載がある。

また、最下段には、「2014年5月28日より高島屋横浜店で販売しております。」と手書きされ、その末尾に福田則子の署名及び押印がされている。なお、福田氏は高島屋横浜店販売第7部(食料品・食堂)の課長である(乙6)。

オ 乙第7号証は、2014年5月28日の日付のある写真であり、その写真には、商品「バウムクーヘン」(以下「使用商品」という。)と「SakotiS」の文字が表示された橙色の広告用のポップが認められる。

カ 乙第8号証は、高島屋横浜店における「JUCHHEIM」の看板を掲示した販売ブースの写真6葉であるところ、3葉目の写真には、ショーケースの中に使用商品と橙色の広告用のポップが認められ、そのポップには本件使用商標2が表示されている。

キ 乙第9号証は、乙第8号証の1葉目、2葉目及び6葉目の画像データの撮影日が平成26年5月28日であることを示すその画像データとプロパティを表示したものであるところ、1葉目の画像データのプロパティ画面の「撮影日時」の欄には「2014/05/28 9:43」の記載、2葉目の画像データのプロパティ画面の「撮影日時」の欄には「2014/05/28 11:09」の記載及び6葉目の画像データのプロパティ画面の「DateTime」の欄には「2014:05:28 09:46:32」の記載がある。

ク 乙第10号証は、平成26年7月14日に高島屋横浜店販売第6部洋菓子売場担当の斎藤信也氏が署名押印をして作成した「標章『SakotiS』を使用した商品の販売等証明書」であり、その書面には、(ア)標章「SakotiS」を使用した使用商品は、商標権者が高島屋横浜店において、平成26年5月28日より販売を開始したものであること、(イ)標章「SakotiS」を使用した使用商品を宣伝するための橙色正方形の小型のポップは、商標権者が高島屋横浜店において、平成26年5月28日より使用を開始したものであること、(ウ)上下二段で構成された標章「SakotiS/サコティス」を使用した使用商品を宣伝するための橙色正方形の大型のポップは、商標権者が高島屋横浜店において、平成26年5月28日より使用を開始したものであること及び(エ)標章「サコティス」を使用した使用商品の価格を表示するための白色正方形の価格表示は、商標権者が高島屋横浜店において、平成26年5月28日より使用を開始したものであることが記載されている。

ケ 乙第11号証は、5月29日編集済みとする、ユーハイム(JUCHHEIM)のfacebookの画面であるところ、「新しいバウムクーヘンのご案内」として、「ユーハイム・ディー・マイスター横浜高島屋店限定で5月28日(水)より、#バウムクーヘン『サコティス』が発売になりました!」の記載及び使用商品の写真等が掲載されている。

コ 乙第12号証は、株式会社ユーハイムから高島屋横浜店にあてたH26年5月26日付け、同月28日ないし30日付け、同年6月4日付け、同月6日付け及び同月8日付けの納品書であるところ、いずれの納品書にも商品名の欄に「PS.サコティス20」及び「PS.サコティス30」の商品が記載されている。

(2)上記(1)によれば、次のことが認められる。

ア 株式会社ユーハイムは、「バウムクーヘン」(使用商品)を製造、販売する会社であり、平成26年1月30日に高島屋横浜店に対して、バウムクーヘンの新商品「ディ・マイスター サコティス」の企画を提案したこと(上記(1)アないしウ)、使用商品は、2014年5月28日から高島屋横浜店において販売されたこと(上記(1)エ)が認められる。

イ 高島屋横浜店のJUCHHEIMの販売ブースにおいて、使用商品と橙色の広告用のポップが展示されたこと(上記(1)オ及びカ)、その広告用のポップには「SakotiS」の文字の標章(本件使用商標1)、又は「SakotiS」と「サコティス」の文字を併記した標章(本件使用商標2)の表示が認められる。

ウ 高島屋横浜店の販売第7部課長、福田氏が使用商品を2014年5月28日から販売をしていること(上記(1)エ)及び同店販売第6部洋菓子売場の斎藤氏が、標章「SakotiS」を使用した商品の販売を平成26年5月28日から開始したこと(上記(1)ク)を証明している。

(3)判断

ア 商標使用者について

高島屋横浜店において、JUCHHEIMの販売ブースで使用商品を販売する者は、会社概要に記載された「JUCHHEIM GROUP」と同一の欧文字表記をしていること、会社概要の商号及び本社所在地が本件商標の商標権者のそれと一致することから、商標権者と同一人と認められる。

イ 使用商標について

高島屋横浜店の販売ブースにおいて展示された、広告用ポップに表示された「SakotiS」の欧文字を横書きしてなる本件使用商標1及び「サコティス」の片仮名と「SAKOTIS」の欧文字を2段に横書きしてなる本件使用商標2と、「サコティス」の片仮名と「SAKOTIS」の欧文字を2段に横書きしてなる本件商標とは、一部の欧文字に大文字と小文字の違いはあるものの、構成文字を共通にするから、本件使用商標1及び2は本件商標と社会通念上同一と認められる商標といえる。

ウ 使用商品について

使用商品「バウムクーヘン」は、請求に係る指定商品中の「菓子」の範ちゅうに属するものと認められる。

エ 使用時期について

使用商品が高島屋横浜店で販売開始された平成26年5月28日は、本件審判の請求の登録(登録日は平成26年6月10日)前3年以内である。

オ 小括

以上のことからすれば、商標権者である株式会社ユーハイムは、本件審判の請求の登録前3年以内に、我が国において、その請求に係る指定商品中「菓子」の範ちゅうに属する商品「バウムクーヘン」について、その広告用ポップに本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)を付して展示した(商標法第2条第3項第8号)というべきである。

(4)まとめ

以上のとおりであるから、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者が本件審判の請求に係る指定商品中「菓子」の範ちゅうに属する商品「バウムクーヘン」について本件商標の使用をしていることを証明したといわなければならない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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