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Trademark Appeal Case

オーダーメイドとエンジニアリングの識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成10年審判第20482号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「ORDER−MADE」と「ENGINEERING」の各欧文字を上下2段に書してなり、第42類「建築物の設計,測量,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」を指定役務として、平成8年11月27日に登録出願されたものである。

2 原査定の理由

原査定は、「この商標登録出願に係る商標は、顧客の要望を設計段階からきめ細かく取り入れるの意で、服飾関係ばかりでなく、他の商品の製造及び役務について使用されている『ORDER−MADE』の語(オーダーメイドのコールセンターシステム、日経産業新聞H8.8.29等)を含み、全体として「顧客の要求に併せて提供するエンジニアリング」の意味合いを認識させる『ORDER−MADE』と『ENGINEERING』の両文字を2段に書してなるものであるから、これをその指定役務に使用する場合、単に役務の提供の質、方法をを表示するにすぎないものと認める。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」と認定して、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は前記に示したとおり、「ORDER−MADE」と「ENGINEERING」の各欧文字を上下2段に書してなるものであるところ、その構成中の「ORDER−MADE」の文字部分は、「注文によって作ること。また、その品。」を意味する和製英語(岩波書店発行「広辞苑第5版」)として、一般によく知られているものと認められる。

また、「ENGINEERING」の文字部分は、「工学。工学技術」を意味する語(「広辞苑」)であり、工学(ENGINEERING)は、「基礎科学を工業生産に応用して生産力を向上させるための応用的科学技術の総称。・・・土木工学を、さらに現在では物質・エネルギー・情報などにかかわる広い分野を含む。」(「広辞苑」)ものであり、我が国における今日の産業界においては、「エンジニアリング産業」と称し、「工場プラントや、社会公共施設の構築プロジェクトを一つのシステムとしてとらえ、基礎設計から機材・設備の調達、施工まで、あるいは完成後の運用管理まで含めたプロセスを一貫して請け負い、経済性、科学合理性を踏まえた最適の形で実現する典型的な知識集約型産業」(株式会社集英社発行「lmidas’98」)を意味する語として使用されているところである。

そして、近年、より高い技術開発力、商品開発力などが求められる産業界にあって、工場などの設備等において、独自の技術開発、商品開発などを高めようとする需要者の要望に、より細かく対応することを目的として、個別注文(オーダーメイド)方式を採用している事例も少なくない。例えば、1996年4月11日付建設通信新聞の「新商品、中小向け販売管理システム開発ツールを発売/富士通」と題する記事中に「新製品は、多種多様の業種や業態で想定される業務処理の特徴を、あらかじめシステムの部品ライブラリーとして収納しているため、各種の部品を合成するだけで、異なった企業システムをオーダーメイドできるのが特徴だ。」の記載、1996年8月29日付日経産業新聞の「NEC、コールセンターシステム CTI機能付き販売」と題する記事中に「コールセンターシステムを発売した。これまで同様の製品は、顧客からのオーダーメイドで販売していた」の記載、また、1990年3月9日付化学工業日報には「FA・CIM 日揮(企画記事)」と題する記事中に「日揮は、プラントエンジニアリングの総合メーカーとしての技術と伝統をベースに、・・・各産業分野に広く評価が定着している。・・・メカトロニクス技術開発センターを中心に、ユーザーとの共同開発、実証テストを通じて固有のニーズを100%実現するオーダーメイドのFAシステムを構築している・・」の記載などがあり、これらの業務中には、電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守に関する業務も含まれるものである。

また、建築等の分野においても,例えば、1996年4月11日付建設通信新聞には、オーダーメイドによる住宅建築が増える傾向にあって、その手引書が発刊されたことに関する記事などが認められる。

上記実情よりすれば、前記構成よりなる本願商標をその指定役務について使用した場合は、これに接する需要者は、全体として、「個別注文(オーダーメイド)方式を採用している工事」なる意味合いを表したと理解するにとどまり、自他役務を識別する標識たる商標とは認識し得ないとみるのが相当である。

そうとすると、本願商標は、その指定役務について役務の質(内容)を表示するにすぎないものといわなければならない。

また、請求人は、本願商標は、使用による顕著性があり、商標法第3条第2項の適用を受けることができるものである旨主張し、甲第1号証を提出しているが、本願商標が需要者間に広く認識されている事実を立証するものとして提出された証拠は、請求人のカタログのみであり、該カタログのみをもってしては、本願商標をその指定商品に使用した結果、需要者間において商品の出所の識別機能を有するに至ったものと認めることはできない。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、登録することはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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