sokuhyo

Trademark Appeal Case

要部と称呼の同一性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2014−21408(T2014−21408/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第35類「フランチャイズ方式による美容事業又は理容事業の管理並びにそれらの経営に関する助言及び指導,インターネットを利用した美容器具又は理容器具の売買契約の仲介又は取次,フランチャイズ方式による住宅事業の管理並びにその経営に関する助言及び指導,インターネットを利用した住宅設備機器の売買契約の仲介又は取次,住宅の販売及び貸与に係る事業経営の診断又は助言並びにこれらに関する情報の提供,住宅設備の販売に関する情報の提供,インターネットを利用した美容又は理容に関する広告,インターネットを利用した住宅に関する広告,販売促進のためにおこなう住宅又は店舗に関連する商品の展示,住宅の販売促進のための住宅展示場の企画・運営又は開催」及び第43類「飲食物の提供,飲食物の提供に関する助言・指導及び情報の提供」を指定役務として、平成26年1月17日に登録出願されたものである。

2 引用商標

原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして拒絶の理由に引用した登録第5121449号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、平成19年5月2日に登録出願、第35類「広告,広告に関する助言・指導,広告用具の貸与,飲食店の経営に関する助言・指導」及び第43類「飲食物の提供,飲食物の提供に関する情報の提供」を指定役務として、同20年3月21日に設定登録されたものである。

3 当審の判断

(1)本願商標

本願商標は、別掲1のとおり、「ape」の文字(その構成中の「a」の文字の上方線端部は、2本の切り込み線をもって、僅かにかすれたように表されている。)を横書きしてなり、さらに、その構成中の「e」の文字のおおむね上方に、1枚の葉を表したものと看取される図形を配してなるものである。

また、「ape」の文字は、英和辞典に「類人猿」を意味する語である旨の記載はあるものの、我が国において、該文字がそのような意味を有する既成の語として一般に広く知られているとはいい難い。

そうすると、本願商標を構成する「ape」の文字と図形部分との間に、それぞれの意味ないし観念における関連性があるとはいえず、また、その図形の構成態様及び配置も、視覚上、常に「ape」の文字と一体不可分のものとしてのみ看取されるものとはいい難いことからすれば、本願商標に接する需要者は、これを特定の意味合いを想起することのない造語である「ape」の文字を横書きし、それに付記的又は装飾的な図形を加えてなるものとして看取、理解する場合も少なくないとみるのが相当である。

してみれば、本願商標は、その構成中の「ape」の文字部分が、需要者に対して最も強い印象を与えるといえ、該文字部分が役務の出所識別にあたっての要部たり得るものであるから、該文字部分に相応する「アペ」の称呼を生ずるというのが自然であり、また、その構成全体及び「ape」の文字部分のいずれからも特定の観念を生じないものである。

(2)引用商標

引用商標は、別掲2のとおり、「Ape」の文字(その構成中の「e」の文字の上方には、アクセント記号とおぼしき短線が付記されている。)を横書きしてなるものであるところ、該文字は、辞書等に記載されている既成の語とは認められないことから、これに接する者は、特定の意味合いを想起することのない一種の造語として看取、理解するとみるのが相当である。

してみれば、引用商標は、その文字構成に相応する「アペ」の称呼を生ずるというのが自然であり、特定の観念を生じないものである。

(3)本願商標と引用商標との類否

本願商標と引用商標とは、それぞれ上記(1)及び(2)に述べたとおりの構成からなるものであって、語頭の文字が大文字で表されているか小文字で表されているかといった差異があり、付記的又は装飾的といえる細部において差異を有するものの、それぞれの要部たる文字部分のつづり字を同じくする点において共通するものであるから、両商標は、外観上、相当程度近似するものといえる。

また、本願商標と引用商標とは、いずれも「アペ」という同一の称呼を生ずるものであり、観念においては比較することのできないものである。

したがって、本願商標と引用商標とは、観念においては比較することのできないものであるものの、外観において相当程度近似するものである上、同一の称呼を生ずるものであるから、これらを総合勘案すれば、互いに紛れるおそれのある類似の商標というべきである。

そして、本願の指定役務は、引用商標の指定役務と同一又は類似の役務を含むものである。

(4)請求人の主張について

ア 請求人は、本願商標と引用商標とはつづり字において共通するところがあるものの、語頭の文字が大文字で表されているか又は小文字で表されているかという点に加え、本願商標には「葉」の形を示す図形が存在することから、その表現方法において顕著な差異があり、外観上、相紛れるおそれはない旨主張する。

確かに、本願商標は、その構成上、「ape」の文字のほかに、1枚の葉を表したものと看取される図形が存在するものの、上記(1)において述べたとおり、該図形は、「ape」の文字との関連性並びにその構成態様及び配置を鑑みれば、需要者をして、本願商標の構成にあって付記的又は装飾的なものとして看取、理解されるものである。そして、上記(3)のとおり、本願商標と引用商標とは、上記図形に係る差異のみならず、語頭の文字の表し方についての相違等を勘案してもなお、外観上、相当程度近似するものである。

したがって、本願商標と引用商標とは、外観において相紛れるおそれがないとはいい難く、よって、上記請求人の主張は、採用することができない。

イ 請求人は、インターネット上の検索エンジンを用いて調べた結果を示した上で、本願商標からは「アーペ」の称呼及び「ミツバチ」の観念を生ずる一方、引用商標からは「ハイネケンアペ」又は「アペハイネケン」の称呼及び「アペリティーボ」の観念を生ずるとみるのが相当であり、両商標は、称呼及び観念のいずれにおいても区別できる旨主張する。

しかしながら、請求人の主張に係る検索結果によれば、2013年(平成25年)11月頃の情報を内容とする請求人の業務に係るウェブサイトにおいて、本願商標と同様の構成態様からなる標章及び「ape」の文字(その構成中の「e」の文字の上方には、アクセント記号とおぼしき短線が付記されている。)からなる標章との関係で、「アーペ」の文字が用いられていること、「食べログ」と称するウェブサイトにおける「アーペ ビューティーワールド 水戸店beauty cafe」についての2011年(平成23年)10月16日付け評価記事中に、「ape」という店名が「フランス語でミツバチ」の意味であるとの説明を受けた旨の記載があること、「みんなで作るネーミング辞典」と称するウェブサイトにおいて、「蜜蜂(みつばち)」を意味するイタリア語が「ape」であり、その読みが「アーぺ」である旨の記載があること、いわゆるニュースサイト上の2007年(平成19年)7月23日付け記事において、「ハイネケン、新しいビールの楽しみ方『アペリティーボ』を提案」の見出しの下、ハイネケンジャパンがイタリアの飲酒習慣「アペリティーボ」を国内に取り入れるべく同年6月1日から都内11店舗で「ハイネケン アペ」を導入した旨の記載があることが見受けられるにすぎず、これらをもって、需要者が、本願商標と引用商標のそれぞれについて、請求人の主張する称呼及び観念を生ずるものとして認識しているとは到底いうことができない。

したがって、請求人の上記主張は、その前提において失当であり、採用することができない。

ウ 請求人は、同一又は類似の称呼を生ずる商標同士であっても、特徴ある態様を有する外観の違いから商標登録された登録例を挙げて、本願商標も同様に登録されるべきである旨主張する。

しかし、請求人が挙げる登録例は、対比する商標の具体的構成において、本件とは事案を異にするものであるから、これらをもって、本願商標と引用商標とが類似するとした上記認定、判断を覆すべき理由とはなり得ず、よって、請求人の主張は、採用することができない。

(5)まとめ

以上のとおり、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、本願の指定役務と引用商標の指定役務とは同一又は類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。