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Trademark Appeal Case

フィルター機能表示の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2014−501(T2014−501/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「とおさないフィルター」の文字を標準文字で表してなり、第11類「暖冷房装置用エアフィルター,空気清浄装置用エアフィルター,空気調和装置用エアフィルター,換気装置用エアフィルター,自動車室内用エアフィルター,換気フード用のエアフィルター」を指定商品として、平成24年7月12日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、『とおさないフィルター』の文字を標準文字で表してなるところ、構成中の『とおさない』は、『あるところを通過させる』という意味を有する『通す』の否定を表した語であり、その指定商品との関係において、『ほこり、花粉等の空気中の物質を通さない』ことを意味するものとして一般的に使用されている。また、構成中の『フィルター』は『ろ過器。ろ過装置』を意味する語であるから、本願商標は、これをその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者は、『空気中の物質を通さないフィルター』であると理解し、商品の機能・品質を表示するものと認識するにとどまり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものとはいい難い。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審においてした審尋

平成26年9月2日付け審尋により、請求人に対し、本願の指定商品に係る業界においては、別掲のとおり、「通さないフィルター」の文字が具体的に取り除かれる物質を表す語を伴って商品の機能・性能を表す際に広く使用されている事実を示すとともに、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当する旨開示した。

4 審尋に対する請求人の回答の要点

請求人は、前記3の審尋に対して、平成26年10月15日受付の回答書において、要旨以下のように述べている。

(1)前記3の審尋に示された使用例は、クリーンルーム、車のエアコン、病室、空気清浄機及び玄関ドアの説明であり、いずれも本願の指定商品と一致しない。また、これら使用例に係る商品・サービスの取り扱い業者は、エアフィルターそのものを自己の商品として取り扱っていない。

(2)前記3の審尋に示された使用例には、「通さない」と「フィルター」の間に別の文字が介在するものがあるほか、全て「通さないフィルター」の文字に関するものであって、「とおさないフィルター」の使用例はない。さらに、インターネットの検索では、「通さないフィルター」の語句は多数ヒットするのに対し、「とおさないフィルター」は僅か150件しかヒットしないものであり、「通さないフィルター」と「とおさないフィルター」を同視した認定には誤りがある。

5 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第6号該当性について

本願商標は、「とおさないフィルター」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「とおさない」は「とおす」の否定を表す語であり、「とおす」の文字は、「あるところを通過させる。あるものをくぐらせて濾す。」の意味を有する広く親しまれた「通す」の文字を平仮名で表したものと容易に理解されるものである。また、その構成中の「フィルター」は、「ろ過器。ろ過装置」の意味を有する語であり、本願の指定商品との関係においては、商品の一般名称を表したものといえる。

また、本願の指定商品である「エアフィルター」は、空気中から粉じんなどを取り除き空気を清浄にする目的で使用される商品であって、使用場所や取り除く対象物に合わせて製造、販売されているものであり、本願の指定商品に係る業界においては、別掲のとおり、「通さないフィルター」の文字が、具体的に取り除かれる対象物を表す語を伴い、「(〇〇を・も)通さないフィルター」のように、商品の機能、性能を表す語句として広く使用されている事実が認められるものである。

そうすると、本願商標は、構成文字から理解される意味に上記の実情を併せみれば、全体として「空気中の何らかの物質を通さないフィルター」程の意味合いを容易に認識するものというのが相当である。

してみれば、本願商標をその指定商品に使用したときは、これに接する取引者、需要者は、その商品の機能、性能を表す語句を表したものとして理解するにとどまり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものとみるのが相当であるから、本願商標は、取引者、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものであるといわざるを得ず、ほかに、これを左右する特段の事情は見当たらないものである。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。

(2)請求人の主張について

ア 請求人は、前記3の審尋において示された別掲の使用例は、クリーンルーム、車のエアコン、病室、空気清浄機及び玄関ドアの説明であって、いずれも本願の指定商品と一致しないものであり、また、フィルターを使用した商品・サービスの取り扱い業者は、エアフィルターそのものを自己の商品として取り扱っていない旨主張する。

しかしながら、該使用例は、いずれも各商品等に取り付けられたエアフィルターの機能、性能について記載されているものであり、各商品等に取り付けられたエアフィルターは、本願の指定商品に含まれる商品であるというのが相当である。

イ 請求人は、同じく別掲の使用例には、「とおさないフィルター」の使用例はない、また、インターネットの検索において「とおさないフィルター」の文字が使用されている例は僅かであり、「通さないフィルター」と同視した認定には誤りがある旨主張する。

しかしながら、「とおさない」の文字は、その商品の目的に照らせば、「通さない」の語を平仮名で記載したものと容易に認識されるというのが相当であり、また、「通さないフィルター」の文字が多数使用されている取引の実情を併せみれば、本願商標は、これに接する取引者、需要者をして、その商品の機能、性能を表す語句を表したものとして理解されるものであって、自他商品の識別標識としての機能を果たすものということはできないこと、上記(1)のとおりである。

ウ したがって、上記ア及びイの請求人の主張はいずれも採用することができない。

(3)まとめ

以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するものであるから、登録することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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