Trademark Appeal Case
「デジタルリズムマシーン」の品質表示性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成10年審判第18854号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第15類「楽器,演奏補助品,音さ,調律機」を指定商品として、平成7年2月23日に登録出願されたものである。
2 原査定の理由
原審において、商標登録異議の申立てがあった結果、「登録異議申立人の提出した甲各号証によれば、『リズムマシーン』(rhythm machine)とは、電子発信音またはデジタル化された実際の打楽器の音によって、自動的にさまざまなパターンのリズムをさまざまな速度で刻む装置であり、楽器の一種であることが認められる。そして、『デジタルリズムマシーン』(digital rhythm machine)とは、デジタル音源を持ったリズムマシーンの総称であり、楽器等を取り扱う業界においては、商品の品質等を表すものとして、該文字が取引上普通に用いられていることも認められる。しかして、本願商標は前記構成のとおり「DIGITAL RHYTHM MACHINE」「デジタルリズムマシーン」の文字を普通に用いられる方法で上下二段に表示してなるにすぎないものである。してみれば、本願商標をその指定商品中の前記の楽器について使用するときは、前記事情より、これに接する取引者、需要者は、これは商品の品質を表示するにすぎないものであって、自他商品を識別するための標識とは認識しないものとみるのが相当であり、これを前記以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものと判断するのが相当である。したがって、本願商標は商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。」との理由によって、本願について拒絶の査定がなされたものである。
3 当審の判断
本願商標は、別掲のとおり、「DIGITAL RHYTHM MACHINE」と「デジタルリズムマシーン」の文字を2段に書してなるものである。そして、登録異議申立人の提出した甲第2号証「例文で読むカタカナ語の辞典(株式会社小学館発行)」の「リズムマシーン(rhythm machine)」の項に、「電子発信音またはデジタル化された実際の打楽器の音によって、自動的にさまざまなパターンのリズムをさまざまな速度で刻む装置」の記載が認められ、また、甲第5号証「キーボード&シンセサイザー基本用語700(株式会社デルボオーガニゼイション発行)」の「デジタル・リズム(digital rhythm machine)」の項に、「デジタル音源を持ったリズムマシーンの総称」の記載が認められ、さらに、他の甲各号証には、これらの語が、前記の各装置を称する語として普通に使用されていることが認められるものである。
そうとすると、本願商標は、その指定商品中、前記の装置に相応する商品に使用をしても、これに接する取引者、需要者は、その商品の品質を表示する文字とのみ認識し、自他商品の識別をするための商標として認識できないものといわざるを得ない。
なお、請求人は、請求人所有の「Digital Rhythm Machine」と「デジタル・リズム・マシーン」の文字を2段に書した登録商標が、本願商標と同一の商品「楽器、演奏補助品、音さ、調律機」を含む商品を指定商品として、過去10年間存続していたこと、また、甲各号証における「リズムマシーン」に関する説明や紹介は、いずれも該登録商標の存続期間中かそれ以前の使用であって、「DIGITAL RHYTHM MACHINE」「デジタルリズムマシーン」が、「リズムマシーン」の品質表示として一般的に使用されている事実がないことを根拠に、本願商標も同様に識別力を果たすものと認められるべきである旨主張している。
しかしながら、たとえ、本願商標と同一の文字からなる登録商標が存在していたとしても、「デジタルリズムマシン」の文字が、「デジタル音源を持ったリズムマシーン」を称する語として普通に使用されていることは、前記のとおり、甲第3号証、甲第5号証、甲第6号証から認め得るところであり、さらに、本願商標についての前記の認定は、例えば、現代用語の基礎知識(自由国民社1999年版)の「リズム・マシーン」の項に、「リズムを自動演奏する装置」、知恵蔵(朝日新聞社1999年版)の「リズム・マシン」の項に、「ドラム・セットを構成する各種打楽器の音を電子音またはサンプリング音を使い、パターン化された打楽器音をつくる装置」と記載されていること、また、日本経済新聞夕刊6頁(2000年3月7日)、同新聞朝刊25頁(2000年1月9日)、日経産業新聞27頁(1999年10月29日)、インターネットのホームページ(http://www.cam.hi-ho.ne.jp/tata/mytool.htm)の「わが家のデジタルツール紹介」の項において、「リズムマシン」の語が上記の装置を称する語として普通に使用されていること等からも十分に裏付けられるところであるから、この点についての請求人の主張は採用できない。
そうしてみると、本願商標をその指定商品中、前記の装置に相応する商品に使用をするときは、商品の品質を表示した文字と理解されるにすぎず、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわざるを得ない。。
したがって、本願商標を商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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