Trademark Appeal Case
不自然な称呼の認定
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成9年審判第13156号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本出願に係る商標(以下、「本願商標」という。)は、後掲したとおりの構成よりなり、第9類「自動調節機械器具,配電用又は制御用の機械器具,遠隔測定制御機械器具,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む。)」を指定商品として、平成5年5月20日に登録出願されたものである。
2 引用商標
原審において登録異議の申立てがあった結果、原査定が本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するものとして、その拒絶の理由に引用した登録第3191236号商標(以下、「引用商標」という。)は、平成4年10月8日登録出願、商標の構成を後掲に示すものとし、指定商品を第9類「写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」として、平成8年8月30日に設定の登録がされたものである。
3 当審の判断
本願商標は、後掲に示すとおり、「蔵楽」の文字(漢字)を横書きに表し、同文字上部に小さく「くら〜く」の仮名文字を配してなるものであるところ、構成中の「蔵楽」の文字(漢字)部分は、それ自体顕著に表されていて、視覚上看者の印象に強く残る部分といえるものである。
そして、前記「蔵楽」の漢字は、それ自体特定の意味合いの熟語的文字とはいえないものとしても、前半の「蔵」の漢字は、その字義・読み仮名において、一般に「物品を収めておくところ」(「くら」または「ぞう」と読まれる。)として、また、後半の「楽」の漢字は、一般に「音楽、楽しみ」(「らく」、「がく」または「たの(しい)」と読まれる。)として、ともに一般に親しまれ馴染まれている平易な漢字といえるものであるから、これら両文字(語)の全体に相応して「ぞうらく」、「ぞうがく」もしくは「くららく」または「くらがく」の如く読まれるとみるのが相当であって、これを殊更「くら〜く」(クラーク)の如く読まなければならないような特段の事情は見出し難く、また、その証拠もないから、この点において、本願商標を構成する漢字と仮名文字との関連性は、極めて不規則かつ不自然なものといわなければならない。
すなわち、この種邦語に接する需要者一般の注意力の程度等諸般の事情を考慮して取引の実情に照らして判断するに、たとえ、前記漢字の上段に「くら〜く」の仮名文字が振り仮名風に併記されてなるとしても、これを直ちに前記漢字の読み仮名(振り仮名)とみるのは些か無理があり、したがって、該仮名文字を前記漢字の一般的な読み仮名として認識し得ない以上、該仮名文字をもって本願商標の自然的称呼とするのは困難といわなければならない。
かかる場合、本願商標にあって、「くら〜く」、「蔵楽」の各文字部分を常に一体不可分のものとして把握しなければならないような合理的理由はなく、それぞれは独立して商品識別の機能を果たし得るものとみるのが相当である。
してみれば、本願商標にあって、「蔵楽」の文字部分は、それ自体視覚印象において顕著であり、かつ、単独に商品識別の標識として機能し得るものというべきであるから、これに接する需要者は、該文字の外観またはこれより生ずる「ぞうらく」または「ぞうがく」等の称呼をもって取引に資する場合も決して少なくないといわなければならない。
他方、引用商標についてみると、その構成は後掲に示すとおり、「蔵楽」の文字(漢字)を横書きに表し、同文字上部に小さく「くらら」の仮名文字を配してなるものであって、構成中の「蔵楽」の文字(漢字)部分は、それ自体顕著に表されていて、視覚上看者の印象に強く残る部分といえるものである。
しかして、「蔵楽」の漢字は、本願商標の場合と全く同様に、特定の意味合いの熟語的文字とはいえないまでも、全体として「ぞうらく」、「ぞうがく」もしくは「くららく」または「くらがく」の如く読まれるとみるのが相当であって、これを殊更「くらら」(クララ)の読みを当てて読まなければならないような特段の事情は見出し難く、また、その証拠もないから、この点において、引用商標を構成する漢字と仮名文字とは、必ずしも密接でなく、極めて不規則かつ不自然なものというべきであり、かつ、仮名文字を前記漢字の一般的な読み仮名として認識し得ない以上、該仮名文字をもって本願商標の自然的称呼とするのは困難といわなければならない。
そして、たとえ、前記漢字の上段に「くらら」の仮名文字が振り仮名風に併記されてなるとしても、該仮名文字を前記漢字の読み仮名(振り仮名)とみるのは些か無理があり、かかる場合、引用商標を構成する「くらら」、「蔵楽」の各文字部分は、それぞれが独立して商品識別の機能を果たし得るとみるのが相当であり、また、「蔵楽」の文字部分は、それ自体視覚印象において顕著であり、かつ、単独に商品識別の標識として機能し得るものというべきであるから、これに接する需要者は、該文字の外観またはこれより生ずる「ぞうらく」または「ぞうがく」等の称呼をもって取引に資する場合も決して少なくないといわなければならない。
してみれば、本願商標と引用商標とは、「蔵楽」の文字の外観またはこれより生ずる「ぞうらく」または「ぞうがく」等の称呼において互いに紛らわしく、また、その仮名文字の違いを考慮するとしても、いずれも仮名文字部分が漢字部分に比して印象力の弱い部分というべきものであるから、それぞれを時と処を異にして離隔的に観察した場合、両者はなおその出所について混同を生ずるおそれのある互いに類似の商標と判断するのが相当である。
そして、本願商標は、その指定商品においても引用商標の指定商品と同一または類似の商品を含むものと認められる。
したがって、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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