sokuhyo

Trademark Appeal Case

製法名の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2014−16864(T2014−16864/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「新含気製法(食品)」の文字を標準文字で表してなり、第29類及び第30類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として、平成25年4月22日に登録出願されたものである。

その後、指定商品については、原審における同年9月17日付け及び当審における平成26年8月26日付けの手続補正書により、別掲1のとおり補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、『新含気製法(食品)』の文字を標準文字で表してなるところ、インターネット情報等によれば、その構成中『新含気製法』について、『新含気製法とは、袋を鍋釜と考えて、前処理を施した素材と適量の調味液を入れ、さらに不活性ガスを充填したうえで、多段階加熱し、殺菌のための過加熱を防ぎ、食材に最適な温度で調理・殺菌するシステムであって、風味・食感を損なわず常温流通・保管することができる。』旨の説明がされており、商品の加工方法を表示するものとして普通に使用されている実情が認められる。また、その構成中『(食品)』の文字部分は、『新含気製法』が食品についてのものであることを表示したものと認められる。そうとすると、本願商標は、全体として、その指定商品との関係においては、商品の加工方法を表示したものとみるのが相当であって、本願商標をその指定商品中、『新含気製法により加工された商品』に使用するときは、単に商品の品質・製法を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、上記『新含気製法により加工された商品』以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について

本願商標は、上記1のとおり、「新含気製法(食品)」の文字からなり、その構成は「新含気製法」の文字及び括弧書きの「食品」の文字からなるものであるところ、その構成中の「食品」の文字は、「人が日常的に食物として摂取する物の総称。飲食物。食料品。」(広辞苑 第六版)の意味を有する語として一般に使用されているものである。

そして、本願商標の構成中「新含気製法」の文字についてみると、「新含気」の文字部分は、食品を取り扱う業界において、別掲2(原審の拒絶理由通知書で示したインターネット情報)及び別掲3のとおり、「新含気調理食品」「新含気製法」「新含気調理法」「新含気調理システム」などと表示されて使用されているものであり、例えば、「新含気調理食品」について、「新含気調理食品とは、袋内に具材を入れ、袋中の空気を窒素ガスに置換した後、それぞれの製品の定める高温帯にて熱処理・殺菌・調理する食品です。素材の味をそのまま生かせる製法です。」(別掲3(11))、「新含気製法」について、「独自の調理方法である新含気調理は、不活性ガス(窒素ガス)を充填することで酸化による色の劣化を防ぎ、段階的な昇温で調理と殺菌をすることで過加熱による食品の劣化を抑えることができるので、素材の風味、色、形、食感を楽しめます。(中略)カモ井のおせちは、冷凍、および、冷蔵保存が不要の常温保存(未開封時)ができるため、保管場所を気にすることがありません。」(別掲3(8))、「新含気調理法」について「パウチ(袋)に詰めるときに空気を抜いて窒素ガスを充填(じゅうてん)し、酸化を防止する『新含気調理法』を採用。加熱時間が短いため素材の風味が損なわれず、常温で長期保存も可能だ。」(別掲3(2))の記載からすると、「新含気」の文字は、「食品の素材の風味、色などを損なわず常温で保存を可能とするために食品を入れた容器内に不活性ガスなどを封入して、加熱、殺菌すること」ほどの意味合いを表すものとして使用されているということができる。また、「製法」の文字は、「製造の方法。こしらえかた。」(広辞苑 第六版)の意味を有する語であって、食品を取り扱う業界において、別掲4のとおり、例えば「フリーズドライ製法」「レトルト製法」「クックフリーズ製法」「ロングライフ製法」など、語末に「製法」の文字を用いて特定の製造の方法を表すものとして使用されている事実がある。

そうとすると、本願商標の構成中「新含気製法」の文字は、食品を取り扱う業界における各語の使用の実情からすれば、「食品の素材の風味、色などを損なわず常温で保存を可能とするために食品を入れた容器内に不活性ガスなどを封入して、加熱、殺菌することを内容とした製造の方法」(以下、単に「当該製造方法」という。)であることを認識させるものである。

してみると、本願商標は、上記のとおり、「当該製造方法」の意味合いを理解させる「新含気製法」の文字と、「他との区別を明らかにするための記号」(広辞苑 第六版)である括弧が付いた、「食料品」等の意味を表すものとして広く使用されている「食品」の文字からなるものであるから、これに接する取引者、需要者が、本願商標全体として「当該製造方法によりつくられた食品」であることを理解、認識するというのが相当である。

してみれば、本願商標は、本願の指定商品中「常温で長期保存可能な食用魚介類・加工水産物・加工した野菜・加工した果実,調味料を使用した常温で長期保存可能な穀物加工品」等の常温保存加工された食品との関係において、商品の品質、製造方法を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というべきであり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものといわなければならない。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、本願商標をその指定商品中「当該製造方法によりつくられた食品」以外の商品に使用するときは、その商品があたかも上記の製造方法によりつくられた食品であるかのように、商品の品質の誤認を生じるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。

(2)請求人の主張について

ア 請求人は、本願商標の構成中「新含気製法」の文字は、辞書等に何ら記載がなく、一般によく知られた親しみのある語とはいえず、また、「新含気製法(食品)」の文字についても、原審で示す新聞記事情報或いはインターネット情報からは、取引上、普通に採択、使用されている事実は発見できないことから、本願商標をその指定商品について使用しても、これに接する取引者、需要者は、商品についての品質等を直接かつ具体的に表示したもの理解するものとは言い難く、構成全体をもって一種の造語として認識するとみるのが相当であって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものではない旨主張する。

しかしながら、上記(1)のとおり、食品を取り扱う業界における「新含気(調理)食品」(別掲3(1))の意味、「新含気」の語の使用の実情、「製法」及び「食品」の語意からすると、本願商標に接する取引者、需要者が、本願商標の構成全体から「当該製造方法によりつくられた食品」の意味を認識するものであることは、上記(1)で述べたとおりであるから、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。

イ なお、請求人は、平成26年8月26日付け審判請求書の理由において、同日付の手続補正書により、本願商標の指定商品中「菓子及びパン」を削除した旨述べるが、上記手続補正書において、本願商標の指定商品中「第30類 菓子及びパン」は削除されていない。

ウ よって、請求人の上記主張は、採用できない。

(3)まとめ

以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し、登録することができない。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。