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Trademark Appeal Case

「すずらん」の識別性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2014−900334(T2014−900334/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5701127号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第5701127号商標(以下「本件商標」という。)は、平仮名の「すずらん」及び片仮名の「スズラン」の各文字を上下二段に書してなり、平成26年4月21日に登録出願、第44類「歯科医業」を指定役務として同年7月31日に登録査定、同年9月12日に設定登録されたものである。

第2 登録異議の申立ての理由

登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、申立の理由の要旨を以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。

1 本件商標は、「すずらん」という花の名前として広く知られるありふれた名称を、「すずらん スズラン」とひらがなとカタカナを単純に並べただけで、特にデザイン性も有さずに普通に用いているものであり、役務の識別には全く役に立たない。それは、商標法第3条第1項第4号の「ありふれた名称を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標」に該当する。

2 また、歯科医業では「すずらん」「スズラン」という歯科医名が既に多数使用されている。そして、そのことは、インターネット検索の結果からも明らかである(甲2)。よって、本件商標が仮に商標法第3条第1項第4号に該当しないとされたとしても、識別性のない商標を認めないための総括的規定である商標法第3条第1項第6号に該当することは明らかである。

3 したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第4号もしくは商標法第3条第1項第6号に該当し商標登録を受けることができないものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきものである。

第3 当審の判断

1 商標法第3条第1項第4号該当性について

商標法第3条第1項第4号は、商標登録を受けることができる商標から除かれるものとして、「ありふれた氏又は名称を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標」を規定している。

ここで、同号が対象とするありふれた「名称」とは、個人又は団体がその名称として相当多数の者が採択し、使用している表示(標章)をいい、単に事物の普通名称であることのみをもって、ありふれた「名称」として、本号に該当するものではない。

これを本件商標についてみると、本件商標は、「すずらん」及び「スズラン」の各文字を上下二段に書してなるところ、これらの語は、例えば、岩波書店発行「広辞苑第6版」によれば、「【鈴蘭】ユリ科の多年草。」として紹介されている花の名称として広く知られているものである。

しかし、「すずらん」又は「スズラン」の文字が、個人の氏又は名称、団体等の名称として相当多数の者が採択し、使用している事実は確認できず、また、その事実について、申立人からの立証もない。

そうとすれば、本件商標は、「ありふれた氏又は名称を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標」ということはできず、商標法第3条第1項第4号に該当しない。

2 商標法第3条第1項第6号該当性について

商標法第3条第1項第6号は、同第1号ないし同第5号までの総括条項であり、商標登録を受けることができる商標から除かれるものとして、同第1号ないし同第5号までに該当しないものであっても、「需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができない商標」を規定している。

そして、申立人が述べるように、商標法第3条第1項第4号には該当しないが、特定の役務について多数使用されている店名等も同第6号にあたる場合があるといえる。

そこで、本件商標を構成する「すずらん」又は「スズラン」の文字が、その指定役務である「歯科医業」について、その歯科医院の名称として、多数使用されているかについて、申立人提出の甲第2号証をみても、該各文字が、需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができない商標といえるほどに多数使用されているものとは認められない。

そうとすれば、本件商標は、「歯科医業」の役務について、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標ということはできないものである。

したがって,本件商標は,商標法第3条第1項第6号に該当しない。

3 以上のとおり、本件商標は、その構成文字である「すずらん」及び「スズラン」の文字が花の名称としての普通名称であるとしても、商標法第3条第1項第4号における「ありふれた名称」とは認められず、また、「歯科医業」について多数使用されている「名称」とも認められないから、これをその指定役務に使用したときは、自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものというべきである。

したがって、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第4号及び同第6号のいずれにも違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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