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Trademark Appeal Case

アミュレットの記述性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2014−900065(T2014−900065/J7)
審判種別異議
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第5634175号商標の商標登録を取り消す。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5634175号商標(以下「本件商標」という。)は、「Amulette」の欧文字を標準文字で表してなり、平成25年7月12日に登録出願、第14類「身飾品(「カフスボタン」を除く。)」を指定商品として、同年10月22日に登録査定、同年11月29日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立ての理由(要旨)

登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標について、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、その登録は、同法第43条の2第1号により取り消されるべきものである旨申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第14号証を提出した。

(1)本件商標について

本件商標は、「Amulette」の欧文字を普通に用いられる方法で横書きしてなるところ、該語は、フランス語で「(身につける)お守り、護符」を意味する名詞であり、英語では「Amulet」、イタリア語では「Amuleto」と表記される(甲2ないし甲5)。これは、魔除けの効果や幸運を招くと信じられているシンボルを、宝石や貴金属でかたどったもので、ペンダントやブレスレットとして肌身に付けられている装身具である。そして、寺社仏閣で授与・発行されるお守りやお札とは違い、欧米の「Amulette」は、身飾品として宝飾品店や身飾品店で購入される商品である。

代表的なインターネット通販サイト「Amazon」の日本版では、商品カテゴリー「ジュエリー」で綴りが英語の「Amulet」の該当が197件となる(甲9)。また「楽天市場」を検索すると、商品カテゴリー「ジュエリー・アクセサリー」でキーワード「Amulette」の該当が76件、「Amulet」の該当が2,398件となる(甲10)。これらの検索結果の上位をみると、該当する商品はペンダント、ブレスレット、ネックレス及び指輪などの身飾品である。

このように、英語で「(身につける)お守り、護符」の意味を有する「Amulet」が多くの宝飾品・身飾品の取引者によって使用されていること、同じ意味を有するフランス語「Amulette」についても、宝飾品の分野ではフランス語が多用されている事実に鑑みると、やはり本件商標に接した取引者・需要者をして「(身につける)お守り、護符」の意味を容易に想起させるものである。

(2)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号について

本件商標は、その指定商品中「魔除けの効果や幸運を招くと信じられているシンボルを宝石や貴金属でかたどった身飾品」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、単に商品の品質を表示した語と認識するに止まるから、該文字は自他商品識別標識としての機能を果たし得ないものというべきであり、かつ、上記以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生ずるおそれがある。

(3)むすび

したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し、商標登録を受けることができないものであるから、その登録は、同法第43条の3第1号により取り消しを免れない。

3 本件商標に対する取消理由

当審において、本件商標の登録が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反してされたものであるとして、商標権者に対して平成26年8月18日付けで通知した取消理由は、要旨次のとおりである。

(1)申立人の提出に係る証拠及び職権調査によれば、以下の事実が認められる。

ア 「amulette」の語の意味について

(ア)甲第2号証は、ロワイヤル仏和中辞典(株式会社旺文社)であり、「amulette」について、「[身につける]お守り,護符」の意味を有することが記載されている。

(イ)甲第3号証は、クラウン仏和辞典第6版(株式会社三省堂)であり、「amulette」について、「お守り,護符」の意味を有することが記載されている。

(ウ)甲第4号証は、研究社新英和大辞典第6版(株式会社研究社)であり、「amulet」について、「お守り,魔除け.amuletは通例宝石類で、布袋に入った日本のお守りとはイメージが違う.」と記載されている。

(エ)甲第5号証は、プリーモ伊和辞典 和伊付(株式会社白水社)であり、「amuleto」について、「お守り,魔よけ」の意味を有することが記載されている。

(オ)新・田中千代服飾事典(株式会社同文書院)によれば、アミュレット(Amulet)の項において「<お守り><護符>の意味。装飾として用いられる石、骨、金属などのかけらのことで、むかしは魔よけとして用いられていたものである。現代ではほとんど行われていないが、アメリカのごく一部で装飾に用いられている。フランス語ではアミュレットゥ(amulette)とつづる。」と記載されている。

イ インターネット情報等において、「amulette」、「amulet」又は「アミュレット」等の見出しの下、宝飾品、身飾品等が紹介されていることについて

(ア)インターネット通販サイトの「Amazon」のウェブサイト(日本版)において、「ジュエリー Amulet」の見出しの下、「ペンタグラム・アミュレット」、「Amuletブレスレット」、「Amuletペンダント」「AMULET K18CHG ハートモチーフダイヤモンドネックレス」等の商品が掲載されている(甲9)。

(イ)インターネット通販サイトの「楽天市場」のウェブサイトにおいて、「ジュエリー アクセサリー Amulette」の見出しの下、「Amulette Cadenas Kelly(カデナ付ネックレス)」、「AMULETTEイニシャルネックレスピンクゴールド・イエローゴールド)」、「Mon Amuletteペンダント」、「AMULETTE ハートネックレス」等の商品が掲載されている(甲10)。

(ウ)「GINZA TANAKA ジュエリー」のウェブサイトにおいて、「アミュレット」の見出しの下、「フランス語で『お守り』を意味するアミュレットは、幸運の7色を宝石で表現したジュエリー。古くから欧米では7つの色を身につけていると、災厄を防いで幸せになれるといわれています。」の記載とともに、ペンダント、ブレスレット、ネックレス、指輪、ピアス等の商品が掲載されている(甲11)。

(エ)「GINZA DIAMOND SHIRAISHI」のウェブサイトにおいて、「結婚指輪 amulet アミュレット」の見出しの下、「『お守り』という意味を持つマリッジリング『アミュレット』。着け易いデザインと、着け心地の良いリング幅や厚みを追求した長く愛せる人気の高いシリーズです。」の記載とともに、結婚指輪が掲載されている(甲12)。

(オ)カルティエ(Cartier)のウェブサイトにおいて、「アミュレット ドゥ カルティエ」の見出しの下、「ネックレス」、「ブレスレット」等の商品が掲載されている(http://www.cartier.jp/%E3%82%B3%E3%83%AC%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3/%E3%82%B8%E3%83%A5%E3%82%A8%E3%83%AA%E3%83%BC/%E3%82%B3%E3%83%AC%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3/%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%A5%E3%83%AC%E3%83%83%E3%83%88-%E3%83%89%E3%82%A5-%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%A8)。

(カ)「アクセサリーPePe」のウェブサイトにおいて、「幸せをもたらしてくれるアミュレット」の見出しの下、「アミュレットとは『お守り』と言う意味です。7色のものを身に着けると厄をはらい、幸せをもたらしてくれると伝えられ、『開運』のお守りとして身に着けると良いとも言われてます。・・・アクセサリーPePeでは、ネックレス、リング、ピアス、ブレスレットなど、さまざまなアミュレットを取り揃えております。」の記載と共に、各商品が掲載されている(http://item.rakuten.co.jp/pepe/c/0000000815/)。

ウ 上記ア及びイによれば、「Amulette」、「Amulet」及び「アミュレット」の文字は、「お守り」、「護符」や「魔よけ」を意味する語であり、本件指定商品に係る業界においては、商品「ペンダント、ブレスレット、ネックレス」等について、お守りや魔よけとして身につける宝飾品、身飾品を表すものとして使用されている実情があるといえるものである。

(2)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について

本件商標は、「Amulette」の欧文字を標準文字で表してなるところ、該文字は、「(身につける)お守り、護符、魔よけ」等の意味を有する語であって、上記(1)のとおり、本件指定商品との関係においては、お守りや魔よけとして身につける宝飾品や身飾品を表すものとして使用されている実情があることから、この種商品の取引者、需要者の間においては、「Amulette」の文字(語)は、お守りや魔よけとして身につける宝飾品、身飾品などの商品であることを表すものとして理解、把握されていたものということができる。

そうとすれば、本件商標は、これをその指定商品について使用するときは、「お守りや魔よけとして身につける商品(身飾品)」であることを容易に理解、認識させるにすぎず、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標と認められる。

したがって、本件商標は、これをその指定商品中の「お守りや魔よけとして身につける身飾品(「カフスボタン」を除く。)」について使用するときは、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記以外の「身飾品(「カフスボタン」を除く。)」に使用するときは、その商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。

4 商標権者の意見

商標権者は、本件商標についてした前記3の取消理由に対し、意見を要旨以下のとおり述べている。

(1)本件商標は、フランス語で表記されたものであるところ、日本人にとってフランス語は決してなじみのある言語ではないから、本件商標から「『身につける』お守り。護符」といった意味を直ちに想起し得ない。

(2)フランス語表記である本件商標が、本件の指定商品との関係において、お守りや魔よけとして身につける宝飾品や身飾品を表すものとして使用されているとまではいえず、この種商品の取引者、需要者の間においては、「Amulette」の文字(語)は、上記のような商品であることを表すものとして理解、把握されていたものとは到底いえない。

本件商標をその指定商品について使用したとしても、「お守りや魔よけとして身につける商品(身飾品)」であることを容易に理解、認識させるものではなく、自他商品識別機能を十分に発揮しうるものである。

(3)先登録第5663914号商標については、その構成中に「アミュレット」の文字を有するものであるところ、その指定商品中「身飾品」については「お守りや魔よけとして身につける身飾品」と限定されてしかるべきであるところ、限定はされていないのであるから、「アミュレット」が「お守りや魔よけとして身につける身飾品」の意味として認識されていないことを裏付けている。

5 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について

本件商標は、「Amulette」の欧文字を標準文字で表してなるところ、前記3の取消理由のとおり、該文字は、「『身につける』お守り。護符、魔よけ」といった意味を有するフランス語の成語であり、指定商品との関係においては、お守りや魔よけとして身につける宝飾品や身飾品を表すものとして使用されている実情があることから、この種商品の取引者、需要者の間においては、「Amulette」の文字(語)は、お守りや魔よけとして身につける宝飾品、身飾品などの商品であることを表すものとして理解、把握されていたものということができる。

そうとすれば、本件商標をその指定商品中「お守りや魔よけとして身につける商品(身飾品)」に使用した場合、単に、商品の品質、用途を表示してなるものというべきであり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものであり、また、それ以外の「身飾品」に使用した場合には、商品の品質の誤認を生じるおそれがあるものというべきである。

したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。

(2)商標権者の主張について

ア 商標権者は、本件商標は、フランス語で表記されたものであり、日本人にとってフランス語は決してなじみのある言語ではないから、本件商標から「『身につける』お守り。護符」といった意味を直ちに想起し得ないものであり、本件の指定商品との関係において、お守りや魔よけとして身につける宝飾品や身飾品を表すものとして使用されているとまではいえない旨主張する。

しかしながら、お守りや魔よけとして身につける宝飾品や身飾品が、「アミュレット」の片仮名、又は英語の「Amulet」と表示される場合が多いとしても、上記3(1)ア(オ)のとおり、新・田中千代服飾事典(株式会社同文書院)によれば、アミュレット(Amulet)の項において「<お守り><護符>の意味。・・・フランス語ではアミュレットゥ(amulette)とつづる。」との記載があること、インターネット情報等において、「アミュレット」の見出しの下、「フランス語で『お守り』を意味するアミュレットは、幸運の7色を宝石で表現したジュエリー。」等のほかにも、別掲のとおりの記載があることからすれば、たとえ、日本人にとってフランス語になじみがないとしても、本件商標の指定商品に係る取引者、需要者は、「『身につける』お守り。護符」といった意味合いを容易に認識することができるものである。

イ 商標権者は、先登録について、その構成中に「アミュレット」の文字を有するものであるにもかかわらず、その指定商品中「身飾品」については「お守りや魔よけとして身につける身飾品」に限定されていないのであるから、「アミュレット」が「お守りや魔よけとして身につける身飾品」の意味として認識されていない旨主張する。

しかしながら、先登録の商標と本件商標は、その構成態様が相違し、本件商標は、「『身につける』お守り。護符」の意味を有する「Amulette」の文字のみからなるものであり、しかも、商標権者主張に係る商標登録例が存在するからといって、本件商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当しないとしなければならないものではなく、また、本件商標についての上記各号該当性の判断が、これらの各商標登録例によって左右されるものでもない。

したがって、商標権者の上記各主張は採用することができない。

(3)むすび

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反してされたものであるから、同法第43条の3第2項により、取り消すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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