sokuhyo

Trademark Appeal Case

地域政党名の著名性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2012−18712(T2012−18712/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「東京維新の会」の文字を標準文字で表してなり、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,教育研修のための施設の提供,電子出版物の提供,書籍の製作,放送番組の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。)」を指定役務として、平成23年12月16日に登録出願されたものである。

2 当審において通知した拒絶の理由

当審において、請求人に対し、本願商標は商標法第4条第1項第6号に該当するとして平成25年4月9日付けで通知した拒絶の理由は、別掲1のとおりである。

3 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第6号によれば、「...公益に関する団体であつて営利を目的としないもの...を表示する標章であつて著名なものと同一又は類似の商標」は、商標登録を受けることはできないとされている。

(2)本願商標は、前記1のとおり、「東京維新の会」の文字を標準文字で表してなるものである。

当審において通知した拒絶の理由(別掲1)及び職権をもって調査した事項(別掲2)を踏まえると、以下の事実が認められる。

平成24年9月10日、野田数ら東京都議会議員(当時)3人が、東京都議会の新会派として「東京維新の会」を設立し、議員改革や脱原発依存などを目指すとした「東京都版維新八策」を公表した。

同月27日、同会派の野田数都議らは、地域政党「東京維新の会」(以下、単に「東京維新の会」という。)を立ち上げ、東京都選挙管理委員会に届け出るとともに、大阪維新の会とも連携し、日本維新の会の傘下に入った。

平成24年11月14日には、東京維新の会は、新代表を山田宏元東京都杉並区長(現、日本維新の会所属の衆議院議員)とし、日本維新の会と協定を締結して同党と協力関係を築くとともに、平成25年1月21日には、山田代表が日本維新の会の東京都支部長となり、東京維新の会所属の都議会議員2人が都議選における日本維新の会の候補として公認されることとなった。

また、同年3月28日には、東京維新の会所属の都議会議員数は、民主党を離党した鈴木勝博都議が東京維新の会に入会したことにより、再び3人となった。

以上の事実によれば、東京維新の会は、平成24年9月27日に設立された我が国の地域政党であることが認められる。

ところで、「政党」とは、「共通の原理・政策の実現のために、政権の獲得あるいはそれへの参与を企図する団体。」(広辞苑第六版)であり、「議会制民主主義を支える不可欠の要素であって、同時に、国民の政治意思を形成する最も有力な媒体」(最高裁昭和45年6月24日大法廷判決 昭和41年(オ)第444号 民集第24巻6号625頁参照)であるが、これらの趣旨は、「地域政党」においても当てはまるものである。

そして、これらの団体の活動に当たっては、政治資金規正法に基づく資金の収入支出の制限など様々な公的規制が課せられる。

そうとすれば、東京維新の会は、公益に関する団体であって、かつ、営利を目的としないものといえる。

また、前記事実によれば、東京維新の会は、平成24年の都議会の会派としての設立から、「東京都版維新八策」を公表するとともに、大阪維新の会とも連携し、日本維新の会と協力関係にある地域政党として、その活動が新聞にも度々取り上げられたことが認められる。

そうとすれば、東京維新の会は、少なくとも東京都及びその周辺地域に広く認識されているといえるものであり、同政党を表示する標章である「東京維新の会」の文字についても、少なくとも東京都及びその周辺地域に広く認識されているといえるものである。

そして、商標法第4条第1項第6号の趣旨は、同号に掲げる団体の公共性に鑑み、その権威、信用を尊重するとともに、出所の混同を防いで需要者の利益を保護するものであるから(知財高裁 平成20年(行ケ)第10351号判決、平成24年(行ケ)第10125号判決)、同号における「著名」とは、必ずしも全国的に認識されていることまでは要しないものと解されるものであり、例えば東京都及びその周辺地域に広く認識されていれば、同号における「著名」なものと判断するのが相当である。

してみると、標章「東京維新の会」は、公益に関する団体であって営利を目的としないものを表示する標章であって著名なものといえる。

そして、本願商標は「東京維新の会」の文字からなるものであるから、前記著名な標章「東京維新の会」と同一又は類似の商標である。

したがって、本願商標は、公益に関する団体であって営利を目的としないものを表示する標章であって著名なものと同一又は類似の商標といわなければならず、商標法第4条第1項第6号に該当する。

(3)請求人の主張について

請求人は、日本維新の会が著名であることは認めるが、東京維新の会は東京近辺では少しは名前が知られているといえても、全国規模では知られていないと主張している。

しかしながら、前記(2)のとおり、商標法第4条第1項第6号における「著名」とは、必ずしも全国的に認識されていることまでは要しないものであり、また、東京維新の会は、少なくとも東京都及びその周辺地域に広く認識されているといえるものである。

また、請求人は、東京維新の会は、査定時には存在しなかったと主張するが、商標法第4条第1項第6号の判断時期は、拒絶査定に対する審判が請求された場合には、査定時の事情にかかわらず、審決時を基準として判断されるべきである。

そうとすれば、請求人の主張はいずれも採用できない。

(4)むすび

したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第6号に該当するものであるから、これを登録することはできない。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。