Trademark Appeal Case
「地名発」の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成11年審判第7989号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「蔵王発」の文字を横書してなり、第30類「菓子及びパン」を指定商品として、平成8年10月15日登録出願されたものである。
2 原査定の理由
原査定は、『本願商標は、「蔵王発」の文字を書してなるところ、地名に「発」の文字を続けて産地あるいは販売地を表示するものとして用いられており、さらに「蔵王」は観光地として知られ、菓子等が土産品として販売されていることから、本願指定商品に使用するときは、単に商品の販売地を表示するにすぎない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1号第3項に該当する。』と、認定して、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は「蔵王発」の文字を横書きしてなるところ、構成文字中「蔵王」の文字は、「蔵王山の略」の意味を有し、「蔵王山」は、「山形・宮城両県にまたがる火山群の総称。最高峰は標高1841メートル。古名、不忘山(わすれずのやま)・刈田嶺。山上に蔵王権現をまつる。樹氷が有名。山腹はスキー場、山麓に温泉がある。」(広辞苑)とあり、また、「発」は、「出ること、出すこと」等を意味するものとして、いずれも普通に使用されている語であるから、本願商標は、「蔵王から出ること」あるいは「蔵王から出すこと」を表すものと容易に理解されるものである。
ところで、1996年5月10日発行の日本経済新聞の北海道版に、「原料は有機栽培、北海道ブランドの菓子作り−中小35社集まり協組」の見出しで「北海道発のブランド商品として、素材にこだわった菓子の共同開発・販売を目指す道内の中小菓子メーカー約三十五社は〜」の記載が、1995年6月12日発行の日本食糧新聞に、「はこだてわいん鹿追産のイチゴワイン『○○○物語』発売」の見出しで「(株)○○○は、1日から、果実酒『十勝発・鹿追いちごわいん○○○物語』(ロゼ)を〜」の記載が、また、1999年6月7日発行の日本食糧新聞に、「健闘する北海道の地域卸(8)○○○」の見出しで、「●十勝発を全国へ」の記事中に「〜付加価値を付けた“十勝発”食材を全国に発信していく。〜」の記載がみられる。さらに、近年、「○○発」なる文字が郵便局の「ゆうパック」を利用した通信販売のカタログ、ちらし等に多数使用されている事実があり、例えば、菓子に「横濱發」なる文字が使用され、産地、販売地を表示しているものと認められるもので、食料品でも「生ラーメン」の袋に「北海道発」、「喜多方発」なる文字が使用され、その地で産地、販売地を表示する商品であることを表すものとして、使用されていることが認められるものである。
そうとすれば、「蔵王発」の文字よりなる本願商標は、これをその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者をして、蔵王の文字より樹氷が有名で山腹はスキー場、山麓に温泉がある等の上記実情から、該商品が「蔵王で製造し発売されたもの」であること、すなわち商品の品質、産地又は販売地を表示するものと認識させるに止まり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものと判断するのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであり、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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