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結論

勝訴(請求認容)

商標「くる丸」:称呼の類否と接尾語「君」(第4条第1項第11号|審判不服2015−3374(T2015−3374/J1))

審判番号
不服2015−3374(T2015−3374/J1)
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標「くる丸」
争点(論点)
称呼の類否と接尾語「君」
適用条文
第4条第1項第11号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
拒絶査定取消・登録(勝訴(請求認容))

この審決(審判不服2015−3374(T2015−3374/J1)・不服)は、本件商標「くる丸」について、商標法第4条第1項第11号への該当性が争われた事例です。主な争点は「称呼の類否と接尾語「君」」です。特許庁は「原査定を取り消す」と判断しました(拒絶査定取消・登録)。類似する商標を出願する際は、本件の判断枠組みを踏まえて称呼・外観・観念や指定商品の重なりを事前に確認することが重要です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「くるまる君」の文字を横書きしてなり、平成25年11月18日に登録出願された商願2013−90048に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願(分割出願)として、第36類「損害保険契約及び自動車保険契約の締結の代理,損害保険及び自動車保険に関する情報の提供,プリペイドカード・クレジットカード・ICカードの発行の取次ぎ,プリペイドカード・クレジットカード・ICカードの利用者に代わってする支払代金の清算」を指定役務として、同26年4月15日に登録出願されたものである。

2 引用商標

原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下の(1)及び(2)のとおりであり、それぞれ、現に有効に存続しているものである。

(1)登録第5264191号商標(以下「引用商標1」という。)は、「くる丸」の文字を標準文字で表してなり、平成21年1月29日に登録出願、第36類「生命保険契約の締結の媒介,生命保険の引受け,損害保険契約の締結の代理,損害保険に係る損害の査定,損害保険の引受け,保険料率の算出」を指定役務として、同年9月11日に設定登録されたものである。

(2)登録第5314446号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成21年10月6日に登録出願、第36類「自動車保険契約の締結の代理,自動車保険に係る損害の査定,自動車保険の引受け,自動車保険料率の算出,自動車保険情報の提供」を指定役務として、同22年4月9日に設定登録されたものである。

以下、上記(1)及び(2)をあわせて「引用商標」という。

3 当審の判断

(1)本願商標について

本願商標は、「くるまる君」の文字を横書きしてなるところ、その構成文字は、同書、同大、同間隔で、外観上まとまりよく一体に表されており、これから生じる「クルマルクン」の称呼も、無理なく一連に称呼できるものである。

そして、本願商標構成中の「君」の文字は、同輩や同輩以下の人の氏名の下に添える語であるところ、しばしば人以外のものに付して愛称的にも用いられるものであるから、本願商標は、全体として、一つの愛称を表したものと認識し把握されるとみるのが自然である。

してみれば、本願商標は、その構成文字に相応して「クルマルクン」の一連の称呼を生ずるものであって、愛称を表した一種の造語として看取されるものであるから、特定の観念は生じないものである。

(2)引用商標について

引用商標1は、前記2(1)のとおり、「くる丸」の文字を標準文字で表してなり、当該文字は辞書類に掲載の認められない一種の造語といえるものであるから、その構成文字に相応して「クルマル」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。

また、引用商標2は、別掲のとおり、オレンジ色の「くるまる」の文字を灰色及び白色で縁取りし、その左上に薄いオレンジ色の「KAP」の文字を小さく配し、また、右上には灰色の「総合自動車保険」の文字を小さく配し、さらに、「くるまる」の文字の右半分及び「総合自動車保険」の文字を囲うように薄いオレンジ色の曲線を配した構成よりなるところ、その構成中の文字部分と図形部分は、視覚上分離して看取され、文字部分を図形部分から分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分に結合しているものといえないものである。

そうすると、引用商標2は、その構成中の文字部分のみをもって取引に資する場合も決して少なくないと判断するのが相当である。

また、引用商標2の構成中の「くるまる」の文字部分は、「KAP」及び「総合自動車保険」の文字部分より、大きく、かつ、縁取りにより顕著に表されているから、外観上、取引者、需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものであるといえる。

してみれば、引用商標2の構成中の「くるまる」の文字部分が出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものであるから、当該文字部分のみを抽出し、他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することが許されるというべきである。

以上よりすると、引用商標2は、その構成中の「くるまる」の文字に相応して「クルマル」の称呼を生じ、「すっぽりと身を包む」(株式会社岩波書店「広辞苑第六版」)の観念を生じるものというのが相当である。

(3)本願商標と引用商標の類否について

本願商標と引用商標とは、それぞれの構成態様に照らし、明らかな差異を有するものであるから、外観上、明確に区別できるものである。

そして、本願商標から生じる「クルマルクン」の称呼と、引用商標中の「くるまる」の文字から生じる「クルマル」の称呼とは、その音数及び音構成が明らかに相違するものであるから、明確に聴別し得るものである。

さらに、本願商標と引用商標とは、本願商標が前記(1)のとおり特定の観念を有しないものであるから、観念については比較することができず、観念上、類似するとはいえないものである。

(4)まとめ

以上よりすると、本願商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても非類似の商標である。

したがって、本願商標と引用商標とが類似するものとして、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、取消しを免れない。

その他、本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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