sokuhyo

Trademark Appeal Case

要部抽出と商標類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2014−24518(T2014−24518/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲のとおりの構成からなり、第3類「シャンプー,コンディショナー」を指定商品として、平成26年4月16日に登録出願されたものである。

2 引用商標

原査定において、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第5460341号商標(以下「引用商標」という。)は、「ESPRINCESS」の欧文字及び「エスプリンセス」の片仮名を上下二段に横書きしてなり、平成23年6月27日登録出願、第3類「シャンプー,せっけん類,化粧品,ボディーローション,香水類,ヘアーコンディショナー,洗顔料,ボディーシャンプー,歯磨き,香料類,つけづめ,つけまつ毛」を指定商品として、同年12月22日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断

(1)本願商標について

本願商標は、別掲のとおり、「ROLAND&」の文字と「esprincess」(その構成中の「r」と「n」との間に表示されている「1」とその上部の「宝石」と思しき図形との組合せからなる部分は、近時、文字がデザイン化されて使用されている情況からすると、「i」の文字であると容易に看取し得る。)の文字(なお、以上の文字及び図形は、黄土色で彩色されている。)を上下二段に横書きしてなるところ、「ROLAND&」と「esprincess」の各文字部分が、上段部分と下段部分に配されていること、下段の「esprincess」の文字部分は、上段の「ROLAND&」の文字部分と比して極めて大きく表されていること及び各文字部分の文字種(大文字・小文字)が相違することからすると、本願商標の係る構成にあっては、上段及び下段部分が視覚上分離して把握されるものである。

また、その構成文字全体から生じる「ローランドアンドエスプリンセス」の称呼は15音と冗長なものであり、さらに、本願商標の上段部分は「男子の名前」に使用される英語「ROLAND」及び英語の「and」を意味する記号「&」からなり、下段部分である「esprincess」の文字は、我が国において一般的に使用されている英語の辞書等に掲載されていないものであるから、特定の意味を有しない造語として認識されるものであり、本願商標は、その構成全体として特定の意味合いを看取させるものではない。

してみると、本願商標は、その構成中下段に顕著に表された「esprincess」の文字部分が看者の注意を強くひく部分ということができるものであり、簡易・迅速を旨とする取引の実際においては、該文字部分を分離、抽出し、取引に資される場合も決して少なくないと判断するのが相当である。

そうとすると、本願商標は、その構成文字全体に相応した「ローランドアンドエスプリンセス」の称呼及び上段の「ROLAND&」の文字部分に相応した「ローランドアンド」の称呼が生じるほか、下段の「esprincess」の文字部分から、該文字に相応した「エスプリンセス」の称呼をも生じるものであり、特定の観念を生じないものである。

(2)引用商標について

引用商標1は、上記2のとおり、「ESPRINCESS」の欧文字と「エスプリンセス」の片仮名を上下二段に横書きしてなるところ、その構成文字に相応して「エスプリンセス」の称呼が生じるものである。また、該文字は、辞書等に掲載されていないものであるから、特定の意味を有しない造語として認識されるものであり、特定の観念を生じないものである。

(3)本願商標と引用商標の類否について

ア 外観について

本願商標と引用商標は、外観においては、その全体の構成において相違するものの、本願商標は、その構成中の下段部分は、上記(1)のとおり、「esprincess」の文字を容易に看取し得るものであるから、本願商標の下段の「esprincess」の文字部分と引用商標の上段の「ESPRINCESS」の文字部分とは、その構成文字を同一にするといえるものであって、当該文字部分と引用商標の上段の「ESPRINCESS」の文字部分とにおいて、外観上、近似した印象を与えるものである。

イ 称呼について

上記(1)及び(2)のとおり、本願商標と引用商標は、「エスプリンセス」の称呼を共通にするものである。

ウ 観念について

上記(1)及び(2)のとおり、本願商標と引用商標は、いずれも特定の観念を生じないものである。

エ 類否判断

本願商標と引用商標とは、構成全体の外観において相違し、いずれも、特定の観念を生じないものであるから、観念において比較することはできないが、本願商標の構成中、看者の注意を強くひく「esprincess」部分と、引用商標の構成中「ESPRINCESS」部分は、その構成文字が同一であって、外観上、近似した印象を与えるものであり、「エスプリンセス」の称呼を共通にするものであるから、これらを総合して考察すれば、両者は、互いに相紛れるおそれのある類似の商標というべきである。

(4)本願商標の指定商品と引用商標の指定商品との類否について

本願商標及び引用商標の指定商品は、上記1及び2のとおりであるところ、本願商標の指定商品「シャンプー,コンディショナー」は、引用商標の指定商品中「シャンプー,せっけん類,化粧品,ボディーローション,香水類,ヘアーコンディショナー,洗顔料,ボディーシャンプー」と同一又は類似するものである。

(5)小括

以上からすれば、本願商標は、引用商標に類似する商標であり、かつ、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似する商品について使用をするものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。

4 請求人の主張について

請求人は、本願商標と引用商標の要部が同一の称呼を生ずることのみによって商標が相紛れることはなく、両商標の要部の称呼が同一であっても、本願商標は、「ROLAND&」が付されていることから、観念及び外観においても、引用商標とは区別できるものであり、称呼のみで取引に資することはないとみるのが相当である問屋等の取引者・需要者の事情などを総合的に考察すれば、本願商標と引用商標とは、類似の商標とはいえないと判断するのが相当である旨主張するほか、商標の類否判断についての過去の登録例及び審決例等を挙げ、本願商標も登録されるべきである旨主張する。

しかしながら、本願商標と引用商標は、その要部が同一の称呼を生じることのみならず、本願商標の下段の「esprincess」の文字部分と引用商標の上段の「ESPRINCESS」の文字部分とにおいて、外観上、近似した印象を与えるものであることなどの外観、称呼及び観念について総合的に判断すると、互いに類似する商標であることは、上記3で述べたとおりである。そして、商標の類否は、対比する商標の具体的な構成態様及びその指定商品との関係から個別かつ具体的に判断をすべきものであるから、他の登録例、審決例等に本件の判断が拘束されるものではない。

よって、上記の請求人の主張は採用することができない。

5 結語

以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。

したがって、本願商標が同号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取り消すことができず、本願商標は、登録することができない。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。