Trademark Appeal Case
SI単位と計器名の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成11年審判第3313号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、その構成を別掲に示すものとし、第9類「電荷量測定器,理化学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,眼鏡,加工ガラス(建築用のものを除く。),救命用具,電気通信機械器具,レコード,メトロノーム,電子応用機械器具及びその部品,オゾン発生器,電解槽,ロケット,遊園地用機械器具,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気式ワックス磨き機,電気掃除機,電気ブザー,乗物の故障の警告用の三角標識,発光式又は機械式の道路標識,鉄道用信号機,火災報知機,盗難警報器,事故防護用手袋,消火器,消火栓,消火ホース用ノズル,消防艇,消防車,自動車用シガーライター,保安用ヘルメット,防火被服,防じんマスク,防毒マスク,溶接マスク,磁心,抵抗線,電極,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,ガソリンステーション用装置,自動販売機,駐車場用硬貨作動式ゲート,金銭登録機,硬貨の計数用又は選別用の機械,作業記録機,写真複写機,手動計算機,製図用又は図案用の機械器具,タイムスタンプ,タイムレコーダー,電気計算機,パンチカードシステム機械,票数計算機,ビリングマシン,郵便切手のはり付けチェック装置,計算尺,ウエイトベルト,ウェットスーツ,浮き袋,エアタンク,水泳用浮き板,レギュレーター,潜水用機械器具,アーク溶接機,金属溶断機,電気溶接装置,犬笛,家庭用テレビゲームおもちゃ,検卵器,電動式扉自動開閉装置,動力付床洗浄機,乗物運転技能訓練用シミュレーター,運動技能訓練用シミュレーター」を指定商品として平成8年12月27日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、指定商品との関係からSI単位系の単位を表す『nano』及び『Coulomb』の欧文字並びに計量器を表す『meter』の欧文字を『NANO』『COULOMB』『METER』と三段に書してなるものであるが、『N』『C』『M』の文字をやや大きく書してなるとしても、これを指定商品中『測定機械器具,電気磁気測定器』等に使用するときは、該商品がSI単位を使用した商品であることを表示するにすぎない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨の理由で本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標の構成は前記したように、「NANO」、「COULOMB」、「METER」の各文字の第一文字目を大書し、その起筆位置を下段部を上段部より右側にして、三段に書してなるものである。
しかして、「NANO」の文字は、メートル法をもとにした国際単位系(SI)において10のマイナス9乗の単位を表す用語「nano、ナノ」に通ずるものであり、「COULOMB」の文字は、上記SI単位系において、電荷・電気・磁気の単位の一である「電荷量」を表す「coulomb、クーロン」に通じ、また、「METER」の文字は、「計器・測定器」を意味する親しまれた英語ということができるものである。
また、例えば、請求人のインターネットホームページにおける「製品情報」の頁や、九州計測器株式会社のインターネットアドレス(http//joho−fukuoka.or.jp/kigyo/kyukei/index.html)における「主要取扱製品」の頁、さらに、「進和技術研究所、電池の残量数字で クーロンメーター開発」なる見出しの1989年9月21日付日経産業新聞の記事などによれば、電荷量を測定する機器を「クーロンメータ(ー)」と称して普通に使用している事実が認められるところである。
そうとすれば、本願商標は、三段に表示されてはいるものの、これを全体として把握するときには、「ナノ単位で電荷量を測定する機械器具」であることを容易に認識・理解させるというのが相当である。
そして、本願商標は、これら各段の文字の語頭部に位置する「N」、「C」、「M」の各文字が大きく表されてなるところ、かかる構成にあっては、これら3文字は、専ら前記「NANO」、「COULOMB」及び「METER」の各語を強調する意味合いで認識されるに止まり、それ以上に頭文字自体(NCM)が単独で自他商品識別標識としての機能を発揮し得るものとは認め難く、その表示態様は普通に使用される方法の域を脱しないものとみるのが相当である。
したがって、本願商標をその指定商品中「電荷量測定器」に使用しても、「ナノ単位で測定できる機器」であることを認識させるにすぎず、商品の品質(機能)を表示するにとどまるものというべきである。
また、本願商標を「電荷量測定器」以外の商品に使用するときには、それがあたかも「電荷量測定器」であるかのごとく商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるというべきである。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同第4条第1項第16号に該当するとした原査定の認定・判断は妥当なものであって、これを取り消す限りではない。
よって、結論のとおり審決する。
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