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Trademark Appeal Case

記述的語と型式表示の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2014−17586(T2014−17586/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第9類「測定機械器具,配電用または制御用の機械器具,検出器,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,火災報知機,煙感知器,盗難警報器,温度計,圧力計,液面計,湿度計,熱量計,濃度計,流量計,自動調節機械器具,ICカード,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む。),画像処理装置,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,写真機械器具,光学機械器具,映画機械器具」を指定商品として、平成25年10月18日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定において、「本願商標は、『ほっそりしたさま』を意味する『スリム』の文字と『2型』の意で商品の規格・形式を表す記号として一般に使用されている文字をハイフンを介して表してなるものであるところ、本願商標をその指定商品中、『測定機械器具』等に使用しても、前記商品が『ほっそりした形の商品の規格・形式が2型のもの』であることを理解するにとどまり、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標と認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審における証拠調べ通知

当審において、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するか否かについて、職権による証拠調べをした結果、別掲2のとおり、本願の指定商品を取り扱う分野において、「スリムII(「II」は、ローマ数字。以下同じ)」、「スリム2」及び「Slim2」の文字が使用されている事実、「スリムタイプ」の文字が「薄型」を意味する語として使用されている事実、並びに、「II」のローマ数字又は「2」の算用数字が従来品の改良型、後継型又は同一シリーズ商品内で異なる特長別であること等の型式を表した事実を発見したので、商標法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対し、平成26年12月18日付けで証拠調べ通知書を送付し、意見を述べる機会を与えた。

4 請求人の意見

前記3の証拠調べ通知に対し、請求人は、平成27年2月3日付けで意見書を提出し、要旨以下のように主張した。

(1)提示された事実には、本願商標と同一標章又は類似の態様であると考えられる標章、用語「スリムIIタイプ」又は「スリム2タイプ」に関する証拠は挙げられていないことから、これらの事実をもって、本願商標が商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当することを証明できないものと思料する。

(2)「スリム」がどのように使われているか、「II」「2」がどのように使われているか、「スリムタイプ」がどのように使われているかなどの多種多様な事実を総合して、本願商標の概念を無理に導き出さなければならないのだとすれば、むしろ本願商標は自他商品識別力を有すると判断するのが自然である。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶するとした判断は、妥当ではなく、取消しを免れない。

5 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第6号該当性について

本願商標は、別掲1のとおりの構成からなるところ、該構成は、横一連にゴシック体により書されているものの、片仮名、記号及び数字が混在していることから、「スリム」の片仮名、「−」(ハイフン)、「II」のローマ数字及び「タイプ」の片仮名からなるものであると明確に看取されるものである。

そして、本願商標の構成中の「スリム」の文字は、「細いさま。ほっそりしたさま。」を意味するものであることから、「商品がほっそりした形である」程の意味合いを容易に認識させるものである。

また、その構成中の「II」のローマ数字は、算用数字の「2」を表すものであって、「II」のローマ数字及び「2」の算用数字が、別掲2(3)のインターネット及び新聞記事の情報のとおり、従来品の改良型、後継型又は同一シリーズ商品内で異なる特長別(異種)であること等の型式を表す表示として使用されている実情がある。

そして、「−」(ハイフン)が英文等において合成度の浅い複合語を連結する際に用いる記号であるところ、本願商標中の「スリム−II」の文字部分についてみると、「−」(ハイフン)を省略した「スリムII」の文字やそれに類似する表記である「スリム2」及び「Slim2」の文字が、別掲2(1)のインターネット情報によれば、例えば、「従来品ピットタッチ・スリムより消費電力を約1/6まで大幅にカットし、電池の持ち時間が5倍以上(当社比)になった超薄型FeliCaリーダー/ライター『ピットタッチ・スリム2』と・・・を開発し、販売を開始します。・・・ピットタッチ・スリム2は、厚さ9mm、重さ40gの薄型・軽量な、・・・非接触型ICカードリーダー/ライターです。」などのように、当該商品が薄型であって、かつ、従来品の改良型・後継型又は異種型等の型式を表す表示として使用されている事実がある。

さらに、本願商標中の「タイプ」の文字は、「型。類型。」の意味を有し、該文字に上記の「スリム」の語を冠した「スリムタイプ」の文字も、「薄型」の意味合いで広く一般的に理解されており、別掲2(2)のとおり、本願の指定商品を取り扱う分野において、上記の意味合いであることを表す表示として使用されている事実があることから、「タイプ」の文字は、本願の指定商品の取引分野においては、自他商品の識別標識としての機能を有しないか、又は、極めて弱いものであるといえる。

そうすると、「スリム−IIタイプ」の文字からは、「ほっそりした形・薄型の2型(改良型、後継型、異種型)」程の意味合いを認識、理解させるものというのが相当である。

そうしてみると、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、その指定商品の形及び特徴を端的に表現した語として認識、理解するに止まり、本願商標は、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものであるから、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標というべきである。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。

(2)請求人の主張について

請求人は、「証拠調べ通知において提示された事実には、本願商標と同一標章又は類似の態様であると考えられる標章、用語『スリムIIタイプ』又は『スリム2タイプ』に関する証拠は挙げられていないことや、『スリム』、『II』、『2』及び『スリムタイプ』の文字及び数字がどのように使われているかなどの多種多様な事実を総合して、本願商標の概念を無理に導き出さなければならないことを考慮すれば、本願商標は自他商品識別力を有すると判断するのが自然である。」旨主張する。

しかしながら、本願商標のような一連の使用事実がないとしても、本願商標は、その構成された片仮名、記号、ローマ数字及び片仮名の各要素から、直ちに「ほっそりとした形の2型」の意味を看取、理解させるものであって、また、「スリム」及び「スリムタイプ」の文字が、本願の指定商品との関係において「薄型」の商品を表す表示として、さらに、「II」及び「2」の数字が、本願の指定商品を取り扱う分野において、「改良型、後継型、異種型等の型式」を表す表示として、採択、使用されていることは、前記(1)のとおりであり、これらの取引の実情をも勘案すれば、本願商標全体からは、「ほっそりした形・薄型の2型(改良型、後継型、異種型)」程の意味合いを表すものと認識、理解させるといい得るものであり、自他商品の識別標識としての機能を有するものとはいえない。

したがって、請求人の主張は、採用することができない。

(3)まとめ

以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するものであるから、これを登録することはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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