Trademark Appeal Case
商標「Window」と「Windows」の類似
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2014−900300(T2014−900300/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5688196号商標(以下「本件商標」という。)は、「Slide Window」の欧文字を横書きしてなり、平成25年8月9日に登録出願され、第9類に属する別掲に記載のとおりの商品を指定商品として、同26年6月27日に登録査定、同年7月25日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件登録異議の申立てに引用する登録商標は、以下のとおりである。
(1)登録第3351402号商標は、「WINDOWS」の欧文字を横書きしてなり、平成4年10月20日に登録出願され、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同9年10月9日に設定登録され、その後、同19年10月2日に商標権存続期間の更新登録がされたものである。
(2)登録第4101035号商標は、「ウィンドウズ」の片仮名を横書きしてなり、平成5年6月11日に登録出願され、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同10年1月9日に設定登録され、その後、同19年11月20日に商標権存続期間の更新登録がされたものである。
(3)登録第4395963号商標は、「WINDOWS」の欧文字を標準文字で表してなり、1998年(平成10年)10月20日にアメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成11年4月13日に登録出願され、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同12年6月30日に設定登録され、その後、同22年4月27日に商標権存続期間の更新登録がされたものである。
(4)国際登録第1135413号商標は、「WINDOWS」の欧文字を横書きしてなり、2012年(平成24年)3月9日にアメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して同年9月5日に国際登録され、第9類及び第38類に属する国際商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成25年6月7日に日本国において設定登録されたものである。
上記(1)ないし(4)の登録商標をあわせて、以下「引用商標」という。
3 登録異議申立ての理由
(1)引用商標の著名性について
申立人は、1975年に設立された、アメリカ合衆国に本社を置く世界最大手のコンピューターソフトウェア会社である。引用商標は、申立人の業務に係る商品「OS(オペレーティングシステム)」を表示するものとして、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されている。このことは、前記2(1)に記載の登録商標が特許庁においても「周知・著名商標」として認めていることからも明らかである(甲7)。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、その構成中の「Slide」の文字部分が、その指定商品中のコンピューターやスマートフォンとの関係において、画面上を指先や専用のペンをスライドさせて装置にデータを入力し、操作するといった商品の内容・質を表示するにすぎず、自他商品識別力を有しない部分であるから、本件商標に接する取引者、需要者は、その構成中の「Window」の文字部分に注目する。
そして、「Window」と「Windows」は、英単語の単数形と複数形であるところ、日本語においては単語の単数形・複数形を明瞭に区別する習慣がないことから、「s」の有無に気を配らない場合もあり、前記のとおり、引用商標が世界的に著名な商標であるため、取引者、需要者は、「Window」を「Windows」と誤認するおそれがある。
したがって、本件商標と引用商標とは、相紛らわしい類似の商標である。
また、両商標の指定商品が互いに抵触するものである。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(3)商標法第4条第1項第15号について
前記(1)のとおり、引用商標は、アメリカ合衆国はもとより、我が国においても周知著名の商標である。そして、本件商標の指定商品は、引用商標を付した商品がそのシェアの9割以上を誇る「OS(オペレーティングシステム)を含むものであり、それ以外についても、その提供場所、需要者、使用目的を「OS(オペレーティングシステム)」と共通にする、密接に関連した商品である。
そうすると、申立人とは無関係の者が引用商標と類似する本件商標を使用することにより、需要者が同人及びその提供する商品が申立人と何らかの関係があるものであると誤認・混同するおそれがあるのは明らかである。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
(4)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に違反してされたものであるから、取り消されるべきものである。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、前記1のとおり、「Slide Window」の欧文字を横書きにしてなるものであるところ、該文字は、「Slide」と「Window」の各文字の間に1文字程度の間隔を有するとしても、同じ書体をもって、外観上まとまりよく表されているばかりでなく、構成文字全体から生ずると認められる「スライドウィンドー」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものである。
また、本件商標中の「Slide」の文字部分は、「滑る(こと)。(幻灯,顕微鏡用の)スライド。」の意味を有する英語であって、「slide projector」、「slide rule」などの成句や、「slide」の片仮名表記である「スライド」の文字について、「スライドガラス」、「スライドドア」、「スライドファスナー」などの成語が多く存在すること、そして、上記のとおり、本件商標が外観及び称呼上の一体性を有することを併せ考慮すれば、本件商標に接する取引者、需要者が、その構成中の「Slide」の文字部分のみを抽出して、これをその指定商品中の「コンピューター,スマートフォン」等の品質等を表したと直ちに認識するというより、むしろ、本件商標の構成全体をもって、特定の意味を有することのない語句として認識する場合が多いとみるのが相当である。
してみれば、本件商標は、その構成文字に相応して、「スライドウィンドー」の一連の称呼のみを生ずるものであって、単に「ウィンドー」の称呼は生じないものとみるべきである。また、本件商標は、上記のとおり、構成全体をもって特定の意味を有することのない語句を表したと認識されるものであるから、特定の観念を有しないものというべきである。
そうすると、本件商標より「Window」の文字部分を分離、抽出し、これを前提として、本件商標と引用商標とが類似の商標であるとする申立人の主張は、前提において誤りがあるというべきであり、採用することができない。他に本件商標と引用商標とが類似するとみるべき特段の理由は見いだせない。
したがって、本件商標と引用商標とは、称呼、観念及び外観のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものと認めることはできない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
引用商標が、申立人の業務に係る商品「OS(オペレーティングシステム)用のコンピュータプログラム」を表示するものとして、本件商標の登録出願日(平成25年8月9日)及び登録査定日(平成26年6月27日)の時点において、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたことは、顕著な事実といえる。
しかしながら、前記(1)認定のとおり、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点についても相紛れるおそれのない非類似の商標であるから、本件商標に接する取引者、需要者が、引用商標を想起又は連想することはないというのが相当である。
してみると、本件商標は、これをその指定商品について使用しても、該商品が申立人又はこれと何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれのある商標ということはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものと認めることはできない。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれにも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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